旅に出ると素敵な街並みの写真を撮ったり、散策してみたくなりますよね。「窓」から覗く風景は、窓枠が額縁のように風景が切り取られてより美しく見えたりします。また、そんな「窓」のある風景というのも、その土地の風土や暮らしぶりを表すものとなります。今回は、欧州26ヶ国を旅した筆者がオススメする窓のあるヨーロッパの風景20選をお届けします。
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窓から見える「風景」を楽しむ
1.スイス・コルバッチの標高3,303mの窓
スイスの高級リゾート地サンモリッツ近くのスールレイ(Surlej)という駅から、ロープウェイで標高3,303mにあるコルヴァッチ駅へ。ここは、エンガディン地方の中でもロープウェーで到達できる最高地点となります。
山頂には展望台があり、周辺のピッツ・ベルニナやピッツ・ロゼック、ピッツ・モルテラッチといった壮大な山々の風景を見られます。冬は、屋内のカフェから雪山を鑑賞でき、一面雪化粧をした名峰が連なる様子にはハッと息をのむでしょう。
この山は滑走総距離が120kmにもなり、世界中からやってくるスキー客を魅了して止みません。また、夏はハイキングや氷河ツアーを楽しむことができます。
2.クロアチア・ドブロブニク旧市街を眺める大理石の窓
クロアチアの世界遺産の街ドブロブニクは「アドリア海の真珠」とも呼ばれ、城壁で囲まれた半島の土地に大理石の建物や赤瓦の家々が連なる美しいところです。ジブリ映画『紅の豚』の制作に際し、インスピレーションを与えた土地としても有名です。
城壁の外に広がるアドリア海で旧市街を眺めながら泳いだり、昼下がりのカフェで過ごすなど、様々な場所でゆったりとした時間を過ごすのに最高の街です。
その中でも旧市街の中心地、小高い丘にある丸い窓から眺める石畳の風景は、古代ローマやベネチア帝国時代など古代の息吹を感じされるような特別なものです。
3.フィンランド・タンペレの森の中の「ピューニッキのドーナツ・カフェ」
ムーミンの原画が眠る街・北欧フィンランドのタンペレ市には、ピューニッキという丘の上に1980年代から始まる1軒のカフェ「Pyynikin Munkkikahvila(ピューニキン・ムンッキ・カフビラ)」その名も「ピューニッキのドーナツカフェ」があります。
北欧の肌寒い夏の昼下がりに、窓辺の席に座って飲む温かいハーブティーと、揚げたてで外はカリッと、中はもっちもちのドーナツを食べるひと時は最高です。また、周辺の森から溢れ出る白樺の青葉の香りを身体いっぱいに感じながら頂く、ドーナツとミルクたっぷりのコーヒーの相性もよいでしょう。
このカフェのもう一つの魅力は、湖沼と森に囲まれたタンペレ市を一望できる灯台の上からの眺めです。白く塗られた木枠の窓から、北欧の温かな光に照らされた森と空を映した青い湖がきらきらしています。ゆったりと流れる北欧の独特の時間を楽しむことができるでしょう。
- Pyynikin Munkkikahvila ピューニッキ店
- フィンランド / カフェ・喫茶店 / スイーツ
- 住所:Näkötornintie 20, Tampere, Finland地図で見る
- Web:http://www.munkkikahvila.net/
4.アイルランド・ダブリンの黒ビール博物館(ギネスストアハウス)
アイルランド発祥の名物ビールと言えば、漆黒の黒ビール「ギネス(Guinness)」です。今や日本はもちろんのこと世界中で飲むことができるようになりましたが、本場アイルランドで飲む1杯のギネスビールの味はやはり違います。
そんなクリーミーな白い泡と味わい深い黒いギネスビールを片手に、首都ダブリンの風景を堪能できる「窓」がギネスストアハウスにあります。「アイルランドの庭」と称されるウィックローとダブリン湾、そして緑の平野に沈む夕日。近代的な高層ビルがなく、古き良き街の雰囲気を保った趣あるダブリンの街並みを見渡す最上階のラビティー・バーで、できたてのギネスビールで乾杯しましょう!
- ギネスストアハウス
- アイルランド / 博物館・美術館
- 住所:St James's Gate, Ushers, Dublin 8地図で見る
- 電話:+353 1 408 4800
- Web:https://www.guinness-storehouse.com/en
5.スコットランド・エディンバラ城を眺める、ハリーポッター物語が生まれたカフェの窓
エディンバラ市の旧市街地エリアにあるのが「エレファント・ハウス」です。ここは、『ハリー・ポッター』の作者J.K.ローリングが1杯のコーヒーを片手に第1巻を執筆した、いわばハリーポッター誕生のカフェとして有名になりました。
紅茶と小さな焼き菓子をいただくティー文化を大切にするエディンバラらしく、居心地のよい雰囲気の小さなカフェとなっており、カフェの窓からは岩山にそびえるエディンバラ城を見ることができます。
店内は、エディンバラ大学の学生やおしゃべりを楽しむおばちゃんたちなどから、常に人気を博しています。『ハリー・ポッター』の作者J.K.ローリングも、このカフェの窓辺に座って、創造の世界を広げていったのでしょう。
- エレファント ハウス
- イギリス / カフェ・喫茶店
- 住所:21 George IV Bridge, Edinburgh EH1 1EN地図で見る
- 電話:0131-220-5355
- Web:http://www.elephanthouse.biz
6.ポルトガル・リスボンの絶品エッグタルト発祥のジェロニモス修道院
世界遺産のジェロニモス修道院は、ポルトガルの首都リスボンのベレン地区にあります。大航海時代のバスコ=ダ=ガマの航海による資金をもとに、16世紀初期から約300年もかけて建設され完成した修道院で、マヌエル様式の最高傑作とも言われる美が人々を魅了し続けています。
こちらの修道院には中庭(パティオ)があり、白い石造りの窓からは中庭の様子や向かい側の繊細な装飾が施された美しい曲線の窓を見ることができます。
因みに18世紀以前に修道女によって発明されたエッグ・タルト。実はこのジェロニモス修道院発祥と言われており、ポルトガルでも屈指の歴史と美味しさを誇る名品を修道院の程近くにあるPasteis de Belem(パステル・デ・ベレン)で頂くことができます。
- ジェロニモス修道院
- ポルトガル / 社寺・教会
- 住所:ポルトガル Praça do Império 1400-206 Lisboa地図で見る
- Web:http://www.mosteirojeronimos.gov.pt/en/
- パステラリア パステイス デ ベレン
- ポルトガル / スイーツ
- 住所:Rua de Belem, 84-88 1300-085 LISBOA地図で見る
- Web:http://pasteisdebelem.pt/
7.エストニア・タリン旧市街にあるヨーロッパ最古の薬局の窓
バルト3国の1つ、エストニアの首都タリン旧市街には、1422年創業のヨーロッパでも最古の薬局「市議会薬局(Raeapteek)」があります。旧市街の中心広場に面しており、店内にある年季の入った窓からは、ラエコヤ広場(Raekoja Plats)の旧市庁舎がよく見えます。
現在でも薬局として機能しており、ハーブやアロマなど自然療法の薬を多く取り扱います。昔の道具や薬が置かれた小さなミュージアムや昆虫・小動物の瓶詰なども置いてあり、魔術にかかったおとぎの国のような雰囲気です。
- 市議会薬局
- エストニア / ドラッグストア
- 住所:aekoja plats 11, 10146 Tallinn地図で見る
- Web:http://raeapteek.ee/