旅をしながら、世界のあちらこちらで泳ぐ。世界遺産の城壁を眺めながら、自然が豊かな森の中の湖、山の上の氷河湖など、おもしろ水泳スポットが世界にはたくさんあります。今回は、青春時代を競泳に捧げ、社会人となった今でも泳ぐことが大好きな筆者が、ヨーロッパを中心に旅をしながら泳いだオススメの場所を取り上げます。南の島の太陽が降り注ぐ真っ白な砂浜もいいですが、「こんなところでも泳げるの!?」という一味違うスイミング・スポット~欧州編~をご紹介します。
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1.マルタ共和国:首都バレッタの旧市街スイム
マルタ共和国は、地中海の中央イタリア・シチリア島とアフリカ大陸の間に浮かぶ小さな5つの島々からなり、面積は東京23区の約半分というミニ国家です。マルタ騎士団によってつくられた城塞都市である首都バレッタは、1980年に世界文化遺産に登録されました。
首都バレッタはたった800平方メートルの半島に建物が連立しており、「マルタストーン」と呼ばれる蜂蜜色の石灰岩でできた建築物が建ち並びます。また、「ガラリア」という路地側に突き出た様々な色のバルコニーが特徴の民家が建ち並んでおり、密度・迫力のある景観となっています。
バレッタの街を歩くのも趣がありおすすめなのですが、全体を眺めるのはやはり一歩離れてみるのが一番です。世界遺産の首都バレッタの対岸のスリーマ地区に徒歩、バスまたは船で移動してみましょう。
Tigné Point Beachには、岩場ですが水に入るための手すりがつけられている上、浮きやコースロープで遊泳区画が仕切られているので、安心して泳ぐことができます。波もなく穏やかなので、海に浮きながら世界遺産の街を見上げることができ、最高に贅沢な気分を味わうことができます。水深はかなりあるのでご注意を!
また、隣接するSliema Bay Beachも岩場ですが、こちらは温泉のようにいくつもの「個室」のような仕切りが水中につくられており、遥か遠い海の水平線を眺めることができます。外海なので、波や潮の流れもありそうなので、その仕切りの中でゆったりと過ごすことをオススメします。
また、他にも島国のマルタには美しいビーチや小島に渡って遊泳を楽しむことができるのでぜひ関連記事もチェックしてみてください。
- Tigné Point Beach
- マルタ / ビーチ
- 住所:Tigne Point, Censu Xerri, Sliema地図で見る
- Sliema Bay Beach
- ヨーロッパ / ビーチ
- 住所:Sliema Bay Beach地図で見る
2.クロアチア:ドブロブニク 世界遺産の城壁スイム
クロアチアは、見どころがアドリア海湾岸に集中しており海好きにはたまらない国です。
クロアチアの南端に位置するのが、「アドリア海の真珠」とも称される世界遺産ドブロブニクです。ここは隣国から文化的、経済的、政治的に影響を受けて来た歴史があり、イタリアのベネツィアや古代ローマ、スラブ文化やギリシャ文化、オーストリア=ハンガリー帝国時代の建物があり、地中海湾岸の国の文化が織り交ざった興味深い街です。
ドブロブニクの旧市街には、ガイドブックには載っていない遊泳スポットがいくつもあります。中でもオススメしたいのが旧市街の城壁外にある小さなビーチで、ここから世界遺産の城壁を眺めることができます。夏場にもなると、大人気のスポット!
アドリア海特有の強い日差しが照らす濃いコバルトブルーの海と真っ青の空、そして向こうに見える赤瓦の屋根が密集する街並みが、絶妙のコントラストを生み出しています。
旧市街の中には、カフェや地中海の新鮮な海の幸を使った食事が楽しめるレストランなどがあり、今も世界遺産の街に住む坂の上の人々の暮らしなど様々な表情を見せる、魅力たっぷりの滞在を存分に味わうことができます。
- ドブロブニク 城壁
- クロアチア / 建造物
- 住所:Dubrovnik, Croatia地図で見る
- 電話:20-324-641
- Web:http://www.dubrovnikcard.com/product/dubrovnik-cit...
3.アイルランド:ダブリンForty Foot 文豪スイム
アイルランドの首都ダブリン中心地から数キロ南下すると、閑静な住宅街があります。ダブリンの近郊列車はアイリッシュ湾沿いを走る電車ですが、ぜひSandycove駅(サンディーコーブ)で下車してみましょう。ここは、時間や季節による光や空の状況によって景色が異なり、潮の満ち引きのある広大な干潟となっています。
- 出典:www.flickr.comPhoto by DOUGIE DOUGLAS
アイルランドの地元の人に愛され続けている遊泳スポットがForty Foot(フォーティー・フット)です。250年以上も前から岩場の遊泳場として開放されており、かつては男性のみが立ち入ることのできる場所でした。1970年代から女性でも入ることができ、現在では老若男女問わず、特に夏場ともなれば人気の遊泳スポットです。
- 出典:www.flickr.comForty Footのゲート(Photo by Christopher Whalen)
Forty Footの入口付近にあるのがかつてジェームス・ジョイスが住んだマーテルロー・タワー(Martello tower)です。ここは現在、ジェームス・ジョイス博物館として彼の遺品や執筆本等と共に一般公開されており、文豪好きにはたまらない南ダブリンのスポットとなっています。
アイリッシュ湾を望むこのタワーは、ジェームス・ジョイスの傑作『ユリシーズ』の冒頭にこの住居が舞台となって始まります。また、周辺の海、特にForty Footはフラン・オブライエン(Flann O'Brien)が1939年に執筆した小説『At Swim-Two-Birds』や、2001年のジェイミー・オニール(Jamie O'Neill)の作品『At Swim, Two Boys』にも登場しました。
アイルランドを代表する文豪たちが愛したアイリッシュ湾を望むForty Footで、地元の人々と共にぜひ水に浸かってみませんか?
- ジェイムス・ジョイスタワーと博物館
- アイルランド / 博物館・美術館 / 博物館
- 住所:17 Sandycove Point, Dún Laoghaire, Dublin, A96 Y165 アイルランド地図で見る
- Forty Foot
- アイルランド / 自然・景勝地
- 住所:40 Foot, Strathdoon, 24 Marlborough Rd, Glenageary, Co. Dublin, A96 Y6F5 アイルランド地図で見る