京土産といえば、京都の伝統的なお菓子、八つ橋です。ニッキの効いた味が特徴で、観光客からも大人気。八つ橋のブランドはいくつかありますが、後発でありながら、常に斬新な八つ橋を提供し続けているのが’’おたべ’’です。今回紹介するおたべの本館には製造工場が隣接しており、どなたでも見学をすることができます。しかも、無料!今回は、そんなおたべの製造工場についての潜入レポートをお届けします。
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八つ橋ってどんなお菓子?
八つ橋というと、三角形のものを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、そもそもの八つ橋というのは、焼いた硬いアーチの形状をしています。江戸時代の音楽家、八橋検校(やつはしけんぎょう)によって発案されたと言われています。アーチの形状は、お琴の形をイメージしているそうです。
生八つ橋は、八つ橋を焼く前の柔らかい生地の状態のものです。餡は入っていない、皮だけのものです。米粉でできた生地はほんのり甘く、ニッキの味が効いています。
一般的に、八つ橋というとこの三角形の形状をイメージする人が多いですが、実はこの呼び方は様々です。今回紹介するおたべであれば「おたべ」と呼ばれ、同じく八つ橋の代表ブランドのひとつ・西尾であれば「あんなま」という商品名がついており、それぞれのブランドにおいて異なる商品名がつけられています。
おたべとは?
おたべは、京都で八つ橋の製造・販売を行うブランドです。八つ橋の大手ブランドは「本家西尾」「聖護院」「井筒」「おたべ」の4つがありますが、中でも一番歴史が浅いのが、おたべです。ですが後発でありながら、八つ橋以外にも様々なお菓子を展開したり、現代的な味の八つ橋を販売するなどしており、その斬新さから若者や海外の方からの指示も高いブランドです。
まずは、本館でお土産をチェック
京都十条にある「おたべ本館」には、本社、店舗、工場が併設されています。ほとんどのお客さんは「店舗」で販売されている商品を求めて、こちらの本館を訪れます。おたべの商品は京都内の様々なお土産店で販売されていますが、本館ならではの特徴が以下となります。
種類が豊富!試食も充実!
さすが本館だけあって、商品の種類がとても豊富です。さらに、それぞれの商品の試食も充実しています。
おたべの八つ橋は味のバリエーションも様々。スタンダードのニッキ、抹茶はもちろん、現代的なチョコレート風味や、季節オリジナルの商品など、その時々のお客様のニーズにこたえる商品を発売しています。変わり種の商品は購入を迷ってしまいますが、試食が豊富なので、味を確かめてから購入できるのがうれしいところです。
オリジナル八つ橋だけじゃない!洋風お菓子も充実
おたべは八つ橋だけにとどまらず、洋菓子の製造、販売も行っています。なかでも有名なのが、上の写真の「京バーム(抹茶味)」。こちらもお土産として人気です。
本館でしか手に入らない、限定商品も!
本館でしか販売していない限定商品がこちらの「贅沢抹茶」です。濃厚な抹茶の生地に、程よい甘さの抹茶あんと小粒の小豆が入った、贅沢な商品。これを求めて、本館を訪れる人もいるのだとか。
いよいよ工場に潜入
京都十条にあるおたべの工場では、主に生八つ橋の製造を行っています。本館店舗の2階にあり、「おたべ小路」と「おたべ体験道場」という2つのセクションに分かれています。
おたべ小路
おたべ小路は、生八つ橋の製造工程を見学できるセクションです。こちらは、予約不要で当日店舗に行き、スタッフに見学したい旨を伝えれば店舗のスタッフが館内を案内してくれます。ここでは、1日に、14,400枚もの八つ橋が作られています。 工場自体は無休ですが、その日の製造枚数が終わると過程がストップしてしまうので、実際に製造過程が見たい場合は、午前中に行くのがおすすめです。
おたべのこだわりは、素材選定から
おたべ小路に入るとまず、八つ橋の材料についてをスタッフの方が説明してくれます。生地には、京都丹後産のコシヒカリと、福井県の名水、「瓜割の滝」の水を使用しているそうです。
味の要となる「あんの小豆」は、北海道産の小粒の小豆を使っており、口に残らないほど舌触りが良いのが特徴です。さらに、ニッキの原料となるシナモンは、ベトナム製。実際にニッキの樹皮が展示されており、手に取ってみると、ニッキのいい香りがします。
8つの工程を経て、生八つ橋が製造されている
5つの製造ラインがあり、ガラス張りの窓から、工場内をみることができます。それぞれのラインで以下計8つの工程を経て、生八つ橋が作られます。
①生地を入れる
②生地を伸ばす
③あんをのせる
④△に包む
⑤容器に入れる
⑥検品を行う
⑦包装
⑧箱詰めして完成
それぞれの工程の説明は、窓にわかりやすく掲示されています。見学の最後には、出来立ての生八つ橋の試食を行うことができます。出来立ての生八つ橋は生地が柔らかく、とてもおいしいです。
おたべ体験道場
「おたべ体験道場」は、予約制のセクションとなっており、オリジナルの八つ橋づくりを体験することができます。お子さんにも大人気のこちらのプログラムは、1週間前までの事前予約が必須となっているので、前もって予約を行う注意が必要です。
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おたべの歴史を綴ったギャラリー
2階から1階へと続く階段には、おたべの歩んできた歴史が、ギャラリー形式で展示されています。後発の八つ橋ブランドであったおたべの歩みを振り返ることができます。
これらの展示から、老舗の八つ橋メーカーに肩を並べるために、おたべがいくつもの新しい商品の開発を行ってきたことがわかります。