名古屋にある熱田神宮は、三種の神器のひとつである「草薙神剣」が祀られている由緒ある神社。地元では「熱田さん」と親しみをこめて呼ばれていますが、伊勢の神宮に次ぐ格式の高い大宮で、現在ではパワースポットとしても大人気。古くから、朝廷や武将の信仰も厚く、あの織田信長も必勝祈願に訪れたとか。悠久のパワーに満ちた熱田神宮では、心が清らかになるだけではなく、女性には嬉しい美肌になれるスポットも!?
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熱田神宮について
名古屋市熱田区にある熱田神宮は、約1,900年の歴史を誇り、その境内は約6万坪もの広さ。鳥居をくぐって、境内に足を踏み入れると、清々しい空気に包まれます。森の緑の木々に囲まれた参道の砂利道を歩くと、心が清められていくよう。
ここでは、三種の神器である草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)が祀られています。草薙神剣は、日本神話において、須佐之男命がヤマタノオロチを退治した時に尾から出てきたもので、神剣として天照大神に献上されたとされています。
三種の神器とは、天皇の祖先とされる瓊瓊杵尊(にぎのみこと)が、天孫降臨の時に天照大御神から授けられた、神話にも登場する鏡・玉・剣(草薙神剣)のこと。剣を所有する熱田神宮は、鏡を所有する伊勢神宮に次いで権威ある神社として知られ、地元だけでなく全国から参拝客が訪れます。
境内には、本宮、別宮だけでなく、摂社、末社など、合わせて45もの社が点在し、全てに参拝するのは、かなり大変。ここで、熱田神宮に来たら外せない見どころをご紹介します。
熱田神宮の見どころ
本宮
熱田神宮には、南の正門、東門、西門と、3つの入り口があり、それぞれに緑の木々を背負った大きな鳥居が建っています。正門をくぐり真っ直ぐ進むと、本宮につきあたります。
熱田の杜の奥深くにたたずむ本宮は、明治26年までは尾張造りの社殿でしたが、三種の神器が祀られていることから、伊勢神宮とほぼ同じ神明造りに改築されました。屋根の上に並ぶ鰹木(かつおぎ)が特徴的な建物は、なんとも厳かな雰囲気。
拝殿ごしに本殿をのぞくと、神聖な空気が流れ、三種の神器が持つパワーが漂っているよう。たくさんの参拝客が、静かに手を合わせます。
別宮八剣宮
別宮八剣宮は、和銅元年(708年)に、元明天皇の命により作られた神剣を祀るために建てた別宮。本宮ほど大きくありませんが、建築様式は同じで、年間の祭事なども本宮に準じて行われます。
織田信長や徳川家康により修繕されたという記録が残っている歴史あるお宮で、強いパワーを感じられる場所としても知られています。
樹齢1,000年以上の大楠
境内の樹々の中には、「七本楠」と呼ばれる大きな楠があります。そのうちの1本であるこの「大楠」は、なんと樹齢が1,000年以上。弘法大師のお手植えと伝えられ、境内の中央、手水舎の近くに圧倒的な存在感で立っています。
とても太い幹をもつこの大楠は、まるで神様が宿っているかのような荘厳なたたずまい。幹の中には、神の化身とされる蛇が住んでおり、根元には蛇へのお供え物として卵が置かれています。この蛇に出会えたら、金運、開運のご利益があるとか。めったに見られないそうなので、出会えたらかなりラッキーです。
もちろん蛇に出会えなくても、樹齢1,000年の楠からは、強いパワーを感じること間違いなしです。
信長塀
織田信長は、桶狭間の戦いの前に熱田神宮で必勝祈願をし、見事勝利をおさめました。そのお礼参りの際に寄進したのが、この「信長塀」です。現在はその一部しか残っていませんが、当時は全長400メートルもあったそう。
教科書やドラマでしか感じることの出来なかった信長の存在を、この貴重な壁から感じることができるかも。間近で観察して、戦国時代に思いを馳せてみるのもいいですね。
こころの小径・清水社
本宮の裏側に、知る人ぞ知る、「こころの小径」というひっそりとした小径があります。木漏れ日の中、小径を進んで行くとあるのが、「清水社」という「罔象女神(みずはのめのかみ)」が祀られた社です。
その昔、平清盛が目を患った時に清水社にお参りし、湧き水で目を洗ったら治ったとされており、「目の神様」としても知られています。
ここの湧き水の中にある石は、世界三大美女である楊貴妃のお墓の一部であるという説があり、柄杓で3回この石に水をかけると、願いが叶うと言われています。また、この湧き水を、やはり3回顔につけると美肌になるとか。女性には絶対外せないスポットなのです。
目と美肌にご利益があるという清水社ですが、こころの小径に入れる時間が午前9時から午後4時までなので、清水社を参拝したい方は、こころの小径を通行可能な時間内に訪れるようご注意ください。
周辺のグルメスポット
宮きしめん
名古屋名物の一つであるきしめん。名古屋に来たらぜひ食べておきたいですよね、熱田神宮の境内には「宮きしめん」というお店があって、参拝や観光の際に美味しいきしめんをいただけます。屋根だけのオープンエアの席しかありませんが、境内の緑を眺め、清々しい空気を感じながらいただくきしめんは格別です。
- 宮きしめん 神宮店
- 名古屋 / ご当地グルメ・名物料理
- 住所:名古屋市熱田区神宮一丁目1番1号 熱田神宮境内地図で見る
- 電話:052-682-6340
- Web:http://www.miyakishimen.co.jp/
あつた蓬莱軒 神宮店
名古屋名物のひつまぶしといえば、「あつた蓬莱軒」を挙げる人が多いのではないでしょうか。熱田神宮の南門を出てすぐのところに、名古屋が誇るひつまぶしの名店「あつた蓬莱軒 神宮店」があります。
混雑時は長時間待つこともありますが、絶品のひつまぶしは、待つ価値あり。炭火で焼かれた香ばしい鰻は感動の美味しさで、そのままで、薬味をのせて、お出汁をかけてと、最後の一口まで堪能できます。
- あつた蓬莱軒 神宮店
- 名古屋 / 郷土料理 / ご当地グルメ・名物料理 / 鰻(うなぎ) / ひつまぶし
- 住所:名古屋市熱田区神宮2-10-26地図で見る
- 電話:052-682-5598
- Web:http://www.houraiken.com/sp/jingu.html
熱田神宮のお土産:きよめ餅総本家
熱田神宮東門を出て道を渡ると、大きな看板が目を引く、古風な店構えの老舗和菓子店があります。ここ、「きよめ餅総本家」で買えるのが、熱田神宮参拝時のお土産として人気の「きよめ餅」です。
- 出典:ja.wikipedia.orgBy 7'o'7
江戸中期頃、神宮西門に、参拝前にお茶を飲んで姿を正してから参拝に向かうための、「きよめ茶屋」というお茶屋がありました。そのきよめ茶屋にちなんで生まれたのが、きよめ餅で、熱田神宮の名物となりました。今も、熱田神宮境内の「お休み処清め茶屋」で、お茶と一緒にいただくこともできます。
北海道産の小豆で作られたあんこを、やわらかい羽二重餅でくるんだ上品なお菓子は、ついつい食べ過ぎてしまいそう。
- きよめ餅総本家
- 名古屋 / スイーツ / 和菓子店
- 住所:愛知県名古屋市熱田区神宮3-7-21地図で見る
- 電話:052-681-6161
- Web:http://www.kiyome.net/
- 熱田神宮
- 名古屋 / 神社
- 住所:愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1地図で見る
- 電話:(052)-671-4151
- Web:https://www.atsutajingu.or.jp/jingu/