【奈良】古い町並みが残る御所市名柄を散策しよう

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• 葛城山麓の小さな集落「名柄」
• 集落を散策してみよう
•    中村家住宅
•    久保家(葛城酒造)
•    末吉家とケヤキ・クスノキの巨木
•    石造りの橋
•    長柄神社
•    東名柄天満宮
•    土塀のある路地
• 名柄で飲食や買い物を楽しもう
•    郵便名柄館 Tegami Cafe
•    梅本とうふ店
• おわりに

葛城山麓の小さな集落「名柄」

• 写真：ゆきたか

名柄(ながら)は、奈良県御所市の郊外にある小さな集落です。登山や山頂のツツジで有名な葛城山の麓にあるこの地は、奈良と大阪を結ぶ水越街道、御所市を南北に貫く葛城古道(名柄街道)が交差する場所であったため、古くから交通の要衝として栄えていました。今でも当時の重厚な家屋が眺められるほか、古い郵便局を改装したカフェやこだわりの豆腐店もあり、散策に最適なスポットになっています。

集落を散策してみよう

名柄の集落を散策してみましょう。歴史を感じさせる建造物を眺めながら歩くと、栄えていた当時の街が偲ばれるでしょう。

中村家住宅

• 写真：ゆきたか

中村家住宅は、慶長の頃に建てられた民家です。代官屋敷と考えられている建物は、御所市でもっとも古いものとされており、国と県の重要文化財にも指定されています。内部の見学はできませんが、通りから建物を眺めることができます。

久保家(葛城酒造)

• 写真：ゆきたか

久保家は、この地で明治20年(1,887年)から造り酒屋を営んでいます。奈良県東部の宇陀市大宇陀にある久保本家から分家し、江戸中期以前からあった油屋の建物を購入し、酒造りを始めたとされています。銘柄は「百楽門」で、高品質の日本酒は地元の方や観光客にも人気があります。

末吉家とケヤキ・クスノキの巨木

• 写真：ゆきたか

末吉家は、江戸時代の村役人「大庄屋」の家屋です。主屋は江戸時代中期に建てられたとされており、急勾配の屋根を持つ「大和棟」という建築様式です。

末吉家の隣には、ケヤキとクスノキの巨木があります。これらは、樹齢800年にもなる立派な木で、少し離れた場所からもその姿を見ることができます。

石造りの橋

• 写真：ゆきたか

末吉家のそばには小さな水路があり、谷の水が流れています。この水路に架かる橋は、一見するとアスファルト舗装のごく普通の橋なのですが、下から覗くと石造りの橋があります。この道が、古い時代から使われていたことが分かります。

長柄神社

• 写真：ゆきたか

長柄神社(ながらじんじゃ)は、名柄の集落にある神社で、別名「姫の宮」とも呼ばれています。祭神として下照姫命(したてるひめのみこと）が祀られています。『日本書紀』によると、天武天皇が流鏑馬(やぶさめ)を鑑賞したとも伝えられています。

• 写真：ゆきたか

1450年ごろの建築と考えられる本殿は、奈良・春日大社などで見られる春日造という建築様式で建てられ、屋根は檜皮葺でした。境内奥に歩き、その美しい建築を眺めてみてください。

東名柄天満宮

• 写真：ゆきたか

東名柄天満宮は、集落の南東にある神社です。毎年7月25日の天神祭の日には、立山(人形)の奉納が行われる立山祭が、今でも続けられています。

土塀のある路地

• 写真：ゆきたか

東名柄天満宮から西に少し坂を登ると、土塀のある小さな路地が北に延びているのが見えます。古い土塀にツタなどの植物が絡み、独特の風情ある景観を作り出しています。

名柄で飲食や買い物を楽しもう

名柄での楽しみ方は、古い町並みを眺めるだけではありません。カフェや人気のある豆腐屋もあるんです。散策途中に立ち寄って休憩したり、お土産を買ってみませんか？

郵便名柄館 Tegami Cafe

• 写真：ゆきたか

郵便名柄館は、築約100年の元郵便局だった建物を改装して作った、カフェ・資料館です。かわいらしくレトロな外観の建物内では、ランチやスイーツ、ドリンクをいただいたり、かつて郵便局で使っていた道具を見学することができます。

• 写真：ゆきたか
• 写真：ゆきたか

白を基調とした内装の店内は明るく、快適な空間です。裏は庭園になっており、小さな店内にもかかわらず開放感があります。

• 写真：ゆきたかブルーベリーのタルト(500円)

カフェでは、こだわりのスイーツやドリンク、ランチをいただけます。ケーキ類はすべて手作りで、数種類用意されています。ドリンクは、自家焙煎豆を使ったコーヒー、「伊勢の和紅茶」を使った紅茶などがあります。

月替わりのランチ「テガミランチ」1,200円は、野菜、米だけでなく、醤油、卵、豆腐まで地元で作られたものを使っており、体に優しそうな内容となっています。ドリンクとミニデザートも付いており、観光客だけでなく、地元の方も訪れるそうですよ。

• 写真：ゆきたかかつて使われていた看板と、運搬道具。「名柄局」の文字が見える。
• 写真：ゆきたか郵便庭園に飾られた古い切手。

建物内には、敷地から見つかった郵便物を運搬する人車、家具類、古い切手も展示されています。裏にある郵便庭園とともに、見学してみてください。

梅本とうふ店

• 写真：ゆきたか

梅本とうふ店は、国産大豆、天然にがりを使ったこだわりの豆腐を販売しているお店です。試食をしながら豆腐を買い求められる店としてメディアでも紹介され、いつも多くの人が訪れています。

• 写真：ゆきたか梅本とうふ店の試食は量が多い。写真は2人分。

店内に入ると、このように試食セットが手渡されます。もめん豆腐、豆乳、豆腐ハンバーグ、ドーナツまであるので、初めて訪れた人は驚くかもしれませんね。

テーブルには注文書があるので、試食をして気に入ったものがあれば、記入してお店の人に渡してください。すぐに準備をしてくれます。休日には多くの人が訪れるため、昼から訪れると売り切れの商品が多いこともあります。

おわりに

名柄の集落そばを通る県道30号線沿いには、道の駅やカフェ、農産物直売所のほか、歴史ある寺社も点在しており、ドライブやハイキングに最適です。ぜひ名柄の集落とともに楽しんでみてください。車でお越しの方は、名柄交差点を南へ400メートルほど進んだところに、散策・買い物用の駐車場がありますので、こちらの利用が便利です。