教科書の中ではよく見たことのあるペルーの【ナスカの地上絵】。これは相当高い場所からでないと全容が見えないほど大きな絵です。だからこそ!現地に行くなら遊覧飛行に乗るのがオススメ!有名な絵以外にもたくさんの地上絵が見られます。
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今でも新しい絵が見つかる【ナスカの地上絵】とは?
誰もが教科書で見たことのある【ナスカの地上絵】ですが、その大きさはかなり巨大。地上に立って観るだけでは絵の全容は全くわかりません。飛行機を発明した人類が、初めてその絵を上空から見たときはさぞかし驚いたのでしょうね。近年ではドローンの発達によって、新しい地上絵も次々と見つかっているそうです。
どうやって描かれた?
発見当初は「宇宙人からのメッセージ」などミステリアスな説が色々ありましたが、今ではその描き方はほぼ解明されています。簡単にいうと 拡大法 。小さな原画をもとに等倍に伸ばして行く方法で、ナスカではその際に用いられた縮小画や、等倍に使ったと思われる杭も多く見つかっているんだそう。
描き方は、とっても地道な作業。ナスカのこのエリアは、細かい白い砂 の上に、礫岩(れきがん)という黒く硬い岩のかけら のようなものが覆っている一帯です。2,000年以上前のナスカの人たちは、この礫岩を履き、下の白い砂地を露わにして絵を描きました。
でも、そんな前から今まで絵が残っているのはなぜなのでしょう?「誰かがラインを履いて綺麗にしてるんでしょ?」と思っていませんか? 実は 現代人の手はほとんど入っていません! 自然の力で2,000年以上も保たれて来たんです。
どうやって自然の力でラインを保っている?
古代人が描いたラインを綺麗に保って来たのは、なんと、自然に発生する つむじ風 です。
先ほども紹介した通り、この砂漠地帯の表面は黒い礫岩で覆われています。そこに太陽の光が当たると黒い石から熱が発生し、その熱風が つむじ風 になる…というわけです。乾燥地帯なので雨も降らない。つむじ風が頻繁に起こるので、それが “ほうき” のような役割になってラインを保っているんだそう。現地に訪れたら、そのつむじ風を1日に何度も見ることができると思います。
セスナで上空から【ナスカの地上絵】の全容を観る
せっかくナスカに訪れるなら、セスナ に乗って上空から【ナスカの地上絵】を観るのがオススメ!現地の飛行場にはナスカ遊覧飛行を行っている会社がいくつかあります。
筆者が利用したのは 「AERO PALCAZU」。個人旅行で訪れるのであれば、HPからオンライン予約もできます。
個人旅行で訪れるのが不安な方は、日本の旅行代理店はもちろん、ペルー各地でツアーが申込めるので、そのような機関を利用するのが良いと思います。料金は、現地に行くまでのバス代、その他観光が含まれるなどで異なりますが、現地でセスナに乗るだけであれば ''$80(約9,000円)ほどです。
わりと日本人の観光客も多いらしく、カタコトではありますが日本語を喋って場を和ませてくれるパイロットもいます。セスナ内にある日本語がなんだかよくわからない?のはご愛嬌(笑)。「チップありがとうございます」と書きたかったのだと思います。遊覧飛行が楽しかったら、ぜひパイロットにチップをあげてくださいね。
セスナでの遊覧飛行は大人気なので、基本的にはパイロット含めて6人になるよう相席になります。
セスナに乗ると、最初にこのような配置図を渡してくれます。順番に見られる地上絵が描かれているのですが、パイロットがその都度教えてくれるので、記念もしくは後で復讐するためにぜひお手元に保管ください。
教科書で有名な「ハチドリ」や「コンドル」だけじゃない地上絵
さすがセスナ。地形がわかるくらいまで上昇します。
まず最初に見えるのが 「宇宙人」。命名は現代人がつけたものなので、古代人が何を考えてこれを描いたのかは明確にされていません。
次に見えてくるのが「猿」と「犬」。
上記写真は猿の手と顔の部分と、犬の足の部分です。
猿は尻尾のぐるぐるがお見事!
その次に見えるのは、有名な「ハチドリ」です。
続いて 「コンドル」。拡大法だと直線が綺麗に描けるのでしょうか、見事なラインにきっと感動します。
鳥のような…これは「オウム」と名付けられています。
これはまた一見「なんだ?!」と思う絵ですが、左が「木」、右が「手」。
なお、ご紹介した写真は一部で他にもたくさんあります。筆者も全部写真に収めたかったのですが、いかんせん難しい!!
右に!左に!グルングルン!
パイロットは左右に乗った乗客のどちらもがちゃんと地上絵を見えるようにと、急下降、急上昇をしつつ、「右にサルー!イヌー!」「左ー!サルー!イヌー!」といった具合に、機体を右に左にグルングルン!と傾けるので、そこらのジェットコースターよりスリル満点。乗り物に弱い方は酔い止めを持参するのがオススメです。現地にも売っています。