仙北市

「みちのくの小京都」秋田県・角館で、はんなり武家屋敷めぐり♪

取材・写真・文:

ニュージーランド在住

2021年3月12日更新

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歴史ある武家屋敷や、桜並木で知られる角館。ひとたび足を踏み入れれば、この地に流れる静かで優雅なひとときに誰もが心奪われてしまいます。ここでは角館の代名詞、武家屋敷の見どころをご紹介します。

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江戸時代にタイムスリップする町並み

  • 写真:mumin角館

秋田県仙北地方にある角館は、約400年前会津の名門・芦名氏により開かれ、その後秋田藩主・佐竹氏一門北家のもと、廃藩まで仙北地方の拠点として栄えました。佐竹氏は公家の出身であり、故郷を懐かしみ多くの京文化を移入させた町並みは「みちのくの小京都」とも呼ばれます。

町は南北にのび、中程の「火除け」と呼ばれる火事延焼を防ぐ広場を境に、北の武家町(内町)南の商人町(外町)に分けられました。また黒板塀がつづく通りには、一見行き止まりに見える枡型の通りが設けられ、防衛を目的としたかつての城下町を垣間見ることができます。これらの先人たちの遺産は大切に受け継がれ、今もなお幕政時代の趣を伝えるものとして国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

武家町の「内町」

内町には上・中級の武家屋敷が立ち並び、位の異なる武家屋敷を楽しむことができます。

青柳家

青柳家は芦名氏の頃から仕えた有力な武将で、上級武家屋敷に位置します。屋敷は重厚で格式高い薬医門、道沿いの武者窓と呼ばれるのぞき窓が特徴で、約3,000坪もの敷地内には6つの資料館が設けられています。

  • 写真:mumin角館・小田野直武像
  • 写真:mumin角館・武器蔵

6つの資料館には、「武器蔵」「ハイカラ館」「秋田郷土館」など青柳家の宝やアンティーク品を見物できるエリアや、秋田の歴史を知れる施設が設けられています。これに加え青柳家とゆかりある「解体新書」で知られる小田野直武像もあり、見応え十分です。

  • 入場料(2016年10月現在):大人500円、中・高校生300円、小人200円
角館歴史村 青柳家
仙北市 / 建造物 / 観光名所 / 歴史的建造物 / 歴史博物館
住所:秋田県仙北市角館町表町下丁3地図で見る
電話:0187-54-3257
Web:http://www.samuraiworld.com/

石黒家

  • 写真:mumin角館・石黒家

石黒家は佐竹北家のもと財政関係の役職につき、現存する武家屋敷のなかで最も格式高い家柄。武家屋敷のなかで唯一、座敷にあがることができ、建物や生活様式などを丁寧に説明してもらえます。今でも一族の子孫が住んでいるため、屋敷の半分が一般公開部分です。

  • 入場料(2016年10月現在):大人300円、小人150円
石黒家
仙北市 / 建造物 / 観光名所 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町表町下丁1地図で見る
電話:0187-55-1496
Web:http://www.hana.or.jp/~bukeishi/

岩橋家

  • 写真:mumin角館・岩橋家

岩橋家は芦名氏に会津時代より仕えた重臣で、のちに佐竹北家の家臣として廃藩まで仕えた家柄。屋敷は江戸時代末期に改造され、屋根も茅葺きから木羽葺きに変わっていますが、中級武家屋敷として当時の生活様式を今に伝えています。岩橋家にある柏は樹齢300年以上、根回り3m以上の巨木で、仙北市指定の天然記念物です。その風情ある邸宅は、映画『たそがれ清兵衛』の撮影場所にもなりました。

  • 入場料(2016年10月現在):無料
岩橋家
仙北市 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁3-1地図で見る
電話:0187-43-3384(仙北市文化財課)

河原田家

  • 写真:mumin河原田家・小田野家 渡り廊下

会津時代から芦名氏に譜代し、後に佐竹北家の家臣となり廃藩まで仕えた河原田家の邸宅。お座敷は江戸時代建築様式で建てられ、書院造りの表座敷には蝶の欄間がかけられています。渡り廊下で小田野家と繋がっているのも面白く、苔むした日本庭園は見応え十分。

  • 入場料(2016年10月現在):無料
河原田家
仙北市 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁9地図で見る
電話:0187-43-3384(仙北市文化財課)

小田野家

小田野家は今宮氏の家臣でしたが、芦名氏断絶とともに佐竹北家の家臣となった家柄。「解体新書」の挿絵を担当した小田野直武氏が本家におり、分家である当家も居合いの師範や眼科の名医として知られています。

  • 入場料(2016年10月現在):無料
小田野家
仙北市 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町東勝楽丁10地図で見る
電話:0187-43-3384(仙北市文化財課)

商人町の「外町」

火除けをはさんだ南側には、町人の町が開かれました。内町とは対照的に商家が所せましと立ち並び、当時の賑わいを感じさせます。

たてつ家「角館桜皮細工第一センター」

  • 写真:mumin角館・たてつ家

角館の工芸品、桜皮細工を中心に民芸品・特産品等を販売している「角館桜皮細工第一センター」。店の隣には明治33年に建てられた田鉄家が現存し、「外町資料館 たてつ」として先祖の趣味や生活用品を無料公開しています。ここではアンティーク着物の着付けも行っており、女性に人気の立ち寄りスポットとなっていますよ。

  • アンティーク着物で歩く 小京都角館(2016年10月現在):料金4,000円、レンタル時間10:00~17:00、問い合わせ先0187-63-6751(きもの旅 しゃなり)
たてつ家
仙北市 / 体験・アクティビティ / 女子旅
住所:秋田県仙北市角館町中町25地図で見る
電話:0187-55-1320
Web:https://tazawako-kakunodate.com/ja/shops/252

安藤家「安藤味噌醤油醸造元」

  • 出典:kakunodate-kanko.jp安藤味噌醤油醸造元(提供:角館町観光協会様)

現在も営みが受け継がれている、嘉永6年創業の「安藤味噌醤油醸造元」。当時建てられた煉瓦の蔵が公開されています。蔵座敷としては東北地方に現存する最古のもので、積み重ねてきた歴史を感じさせる見事な建物です。市指定有形文化財にもなっています。

安藤家
仙北市 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町下新町27地図で見る
電話:0187-53-2008
Web:http://www.andojyozo.co.jp/

田町の武家屋敷通り

角館の町造りが行われたとき、武士たちが住む内町とは別に、町の南側に武士の居住区が作られました。ここには「今宮武士団」と呼ばれる、芦名家や佐竹北家とも一線を画す秋田佐竹本家の直臣団が住み、内町と共にこの地を統治したと言われています。その一員「西宮家」など当時の建物が多く残されているエリアです。

西宮家

  • 写真:mumin角館・西宮家

西宮家は今宮武士団のなかでも格式高く、明治以降も繁栄した一族。敷地内には母屋と5つの蔵があり、レストランや甘味処、西宮家ゆかりの収蔵品を展示する施設等になっています。

  • 入場料(2016年10月現在):無料
あきた角館 西宮家
仙北市 / 建造物 / カフェ・喫茶店 / おみやげ屋 / 観光名所 / 歴史的建造物
住所:秋田県仙北市角館町田町上丁11-1地図で見る
電話:0187-52-2438
Web:http://nishinomiyake.jp/

新潮社記念文学館

角館町は新潮社の創設者・佐藤義亮氏の出身地です。その業績に記念して建てられた新潮社記念文学館では、新潮社のあゆみをたどりながら角館の歴史やゆかりのある文学作品等をご覧になれます。

  • 入場料(2016年10月現在):大人300円、小人150円
新潮社記念文学館
仙北市 / 博物館
住所:秋田県仙北市角館町田町上丁23地図で見る
電話:0187-43-3333
Web:http://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/bunga...

旅の味方、観光案内所

観光案内所「駅前蔵」

  • 出典:kakunodate-kanko.jp観光案内所「駅前蔵」(提供:角館町観光協会様)

角館に訪れたら、まずはここで旅支度を。JR角館駅前にある蔵構えの観光案内所「駅前蔵」では、角館のパンフレットはもちろん記念スタンプや時には割引クーポンもあり、観光前にチェックしておきたいスポットです。館内は無料で休憩でき、電車やバスなどの待ち時間に利用できるのも嬉しいポイント。

  • 手荷物預かり(2016年10月現在):1個300円(9:00〜17:00)
観光案内所 角館駅前蔵
仙北市 / 観光サービス / 観光案内所・ビジターセンター / 手荷物預かり
住所:秋田県仙北市角館町上菅沢394-2地図で見る
電話:0187-54-2700
Web:https://tazawako-kakunodate.com/ja/shops/320

いかがでしたか?

まるで江戸時代にタイムスリップしたような風情あふれる角館。春には日本一の桜まつりとも称される圧巻の風景もご覧になれます。先人たちが築いた粋な日本文化に、触れてみてはいかがですか。

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この記事を書いたトラベルライター

無計画さが玉にきず、自由気ままなトラベラー。
幼い頃からよく動き回る子どもだった私は、そのまま大人になり大の旅行好きとなりました。見知らぬ街で、はじめてみる景色や人との出会いが、冒険しているようで大好きです。国内外さまざまな場所へ行き、「旅をしながら暮らすこと」が将来の夢。自分の経験も踏まえつつ、読者の方に役立つ情報をお届けしたいと思います。

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