スリランカ
スリランカ観光
世界有数の紅茶の産地でありアーユルヴェーダの本場

【スリランカ】本格アーユルヴェーダを体験できる宿泊施設「ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ」

取材・写真・文:

埼玉在住
訪問エリア:23ヶ国

2018年10月3日更新

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写真:ある通訳案内士

スリランカやインドで観光客にも人気のアーユルヴェーダ。泊まり込みでアーユルヴェーダにみっちり取り組む施設「ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ」が、スリランカ南西部の街、ベルワラにあります。

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そもそもアーユルヴェーダとは?

  • 写真:ある通訳案内士いざ極楽へ

アーユルヴェーダをマッサージだけだと思ったら大間違い! アーユルヴェーダは、インド亜大陸の伝統医学で、世界三大伝統医学の一つと言われています。サンスクリット語で寿命、生気、生命という意味の「アーユス」と、知識、学という意味の「ヴェーダ」からなる複合語です。

イメージとしては西洋医学より漢方と近く、投薬による即効性の高い治療というよりは、体質の改善に重きを置いている印象です。それに加え、ヨガのように精神面からもアプローチし、心身の調和を重視しています。まさに生命科学。

よく観光地で看板が出ている「アーユルヴェーダ・マッサージ」も、本来は生命科学による治療の一環なのです。

本格アーユルヴェーダ施設はどんなとこ?

  • 写真:ある通訳案内士長期滞在にも良さそうなシングルルーム

世界中からアーユルヴェーダのためにスリランカを訪れる人は多く、日本人がよく利用するような施設もいくつかあります。今回筆者が滞在することにしたのは、南西部にある「ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラ」。スリランカ空の玄関口である、バンダラナイケ国際空港から車で3時間ほどのベルワラにあります。

ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラは、ヘリタンスという高級ホテルチェーンの一員です。そのため、アーユルヴェーダ施設とは言っても、病院のようなものではなく、アーユルヴェーダに専念できる、海に面したリゾートホテルという表現がぴったり!

筆者がヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラを選んだ主な理由は、

  • ①ホテル自体がスリランカが誇る天才建築家ジェフリー・バワの建築物であること
  • ②南部の世界遺産の街ゴールに寄りたかった

の2つです。結果として、ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラを選んで非常に良かったです!

4泊5日のスケジュール

以下、筆者が4泊5日で体験したことをご紹介します。

1日目

  • 写真:ある通訳案内士バワ建築の中に滞在できるという歓び

ヘリタンス・アーユルヴェーダ・マハ・ゲダラに到着したのは15時頃。空港からの送迎(85USドル/約9,600円)を依頼していたのでスムーズでした。

立派な門構えには守衛がおり、運転手が声をかけると開けてくれます。敷地内に一歩入ると、外とはまるで別世界です。さすが巨匠ジェフリー・バワの建築したリゾートホテル! 敷地内も建物も、ゆったりとして解放感に溢れており、自然も豊か。リラックスするには最高の環境です。

スタッフの対応は素晴らしく、要求の高い日本人に人気なこともうなずけます。英語があまり得意ではない方も安心なのが、日本語ができるスタッフがいること。事前に頼むか、その場で英語が得意でない雰囲気を醸し出せば、サポートしてくれるようです。

  • 写真:ある通訳案内士海外在住期間が長い筆者にとっては懐かしの日本語

施設内の案内には、英語表記に日本語とドイツ語が併記されていることも多く、両国のお客さんが多いのでしょう。

お目当のアーユルヴェーダのプログラムは翌日からなので、本日はゆっくりしてね、とのこと。休息もアーユルヴェーダのうちです。チェックイン時に翌日のスケジュール表を渡されました。他の宿泊者数名に訊いたところ、本格的なアーユルヴェーダを始める2日目のスケジュールは、ほぼみな同じメニューのようです。

2日目

  • 写真:ある通訳案内士ほぼみんな同じアーユルヴェーダ初日のスケジュール

待ちに待った本格アーユルヴェーダの始まりです。朝、ドクターの診察室へ伺います。待っていたのは、いかにもという雰囲気の凄そうなおじさん・・ではなく、若い女性のお医者さんでした! 

日頃の生活習慣や健康不安を訊かれたり、脈を測ってもらったりします。この時も、英語が心配な人は、通訳を頼んでおきましょう! 筆者は特に頼まなかったので英語で説明してくれましたが、専門用語は日本語で言ってくださったのでありがたかったです。さすが日本人慣れしています。

アーユルヴェーダでは、体質を「ヴァータ」、「ピッタ」、「カパ」の3つに大別しています。体が健康でない場合は、問診の内容をもとに、「あなたの体質は〇〇だけど、今は〇〇になってるので、本来の状態に戻しましょう」というような話をしてくれます。

午後は初の施術です。内容は、フェイスマッサージ、ヘッドマッサージ、シンクロマッサージ(2人がそれぞれ体の片側をマッサージしてくれる。まるで王様気分!)、ハーブ湯への入浴でした。

施術は個室で、患者と同性のセラピストが担当します。個室それぞれに魚が泳いでいる池があったりと、設備が充実しています!

ちなみに、施術室にスマホやタブレットなどの電子製品の持ち込みは推奨されておらず、写真も撮りませんでした。デジタルデトックスも大事ですね。

3日目

前日の問診の内容に基づいて、施術プランを組んでくれます。例えば、肩や首が凝っている、という人には、首と肩のマッサージ、目が疲れているという人には、目のパックといったようなものをしていただけます。

筆者がこの日受けたのは、フットマッサージ、首と肩のマッサージ、ディープマッサージ(より体の深くまで届くマッサージ)、スチームバス(頭以外の体を専用の容器で覆い、その容器内をハーブの蒸気によるサウナにする)、目のパック(ガーゼで目を覆い、その上にハーブの薬を塗る)でした。

4日目

この日もドクターの問診があり、施術内容の感想や効果、体の状況などを話します。ここで軌道修正することもありますし、今後も今まで通り進めることもあります。その後は施術を受けます。

筆者がこの日受けたのは、背中と背骨のマッサージ、首と肩のマッサージ、ナシャカルマ(アーユルヴェーダオイルによる鼻洗浄)、ハーブの蒸気吸入でした。

5日目

筆者は滞在期間が短く、早くも最終日となり、再びドクターの問診となりました。今までのアーユルヴェーダ生活を振り返り、今後についてのアドバイスをいただきます。ヴァータ、ピッタ、カパの体質により、体に適した食べ物・適していない食べ物があるので、その一覧表もいただきました。

その後は、最後の施術となりました。筆者がこの日受けたのは、フェイスマッサージ、シンクロマッサージ、フットマッサージ、スチームバス、目のパックでした。

4泊の滞在ではできなかったこと

2週間ほど滞在するのが一般的な施設であるため、4泊での滞在ではできないことがあります。ここでは二つご紹介します。

シロダーラ

アーユルヴェーダに興味がある方はご存知かもしれませんが、「シロダーラ」という、その人の体調に合わせたアーユルヴェーダオイルを額に20~30分ほど垂らし続けて、質の高いリラックス状態にいざなう施術があります。

しかし、シロダーラは数日続ける必要があり、残念ながら、約1週間以上の滞在をしないとしてもらえません。ちなみに、シロダーラの期間は体を冷やしてはならず、頭を洗えません。

腸内洗浄

文字通り腸内を洗浄するため、下剤を飲みます。飲むとトイレから出られなくなるとか・・。滞在数日目に行う人が多いそうです。その後帰宅しなければならないので、短い滞在では厳しいですね・・。

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インドでIT企業に勤めていたバックパッカー
タイのバンコク留学や、インドのチェンナイ駐在を経験した通訳案内士登録者です。
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