シドニー
シドニー観光
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シドニーで訪れたい素敵なニューオープンの図書館3選

取材・写真・文:

オーストラリア在住
訪問エリア:28ヶ国

2020年5月18日更新

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写真:Mayumi Iwasaki

ここ数年で新しい図書館が続々とオープンしているシドニー。インスタグラマーがこぞって訪れるフォトジェニックなものから歴史的建築物をリノベーションしたもの、有名建築家が設計したものまで、必ず訪れたい個性豊かな図書館をご紹介します。

この記事の目次表示

【1】レインボーカラーの地中図書館:Green Square Library(グリーン・スクエア図書館)

  • 写真:Mayumi Iwasaki

シドニーのターミナル駅「Central(セントラル)」駅から1駅の場所にある「Green Square Library(グリーン・スクエア図書館)」は、2018年にオープンしたばかり。ガラスのピラミッドとタワー以外の施設がほぼ地中に埋まっているという独創的なデザインの図書館は、「グリーンスクエア」駅を降りた目の前の広場にあります。

  • 写真:Mayumi Iwasakiガラスのピラミッドの内部はカフェとエントランス。丸い照明も可愛い。

地下に埋まった斬新なデザインは「市民憩いの広場に影を落とさない」というコンセプトの元、オーストラリアの設計事務所Stewart Architectureが担当。2018年Architecture Reviewの最優秀図書館賞を始め、オーストラリア国内だけでなく世界中で様々な賞を受賞しています。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

ピラミッドから中に入りカフェを抜け、地下に下って行くと中央には大きな丸い光庭があります。天井に点在するトップライトや光庭から降り注ぐ自然光のおかげで、地下にいるにもかかわらず薄暗い閉ざされた雰囲気はありません。地下にいるのに逆に外を感じる不思議な空間です。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

円形の中庭は光を取り込んでいるだけでなく、照明やソファなど様々なインテリアに使われている丸型モチーフと相まって、図書館全体の空気感と統一感を作っています。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

子供向けサービスも充実していて、読み聞かせなどのイベントやワークショップも随時開催しています。本棚に埋まったカラフルな子供用のソファもカワイイです。図書館が本を収蔵する場所としてだけではなく、地域コミュニティの憩いの場となっています。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

館内には様々なアート作品やインスタレーションが展示してあり、コンピューター・ラボや音楽室などが入ったガラスのタワー内には、図書館の目玉展示の1つであるレインボーカラーに彩られた本のインスタレーションがあります。

  • 写真:Mayumi Iwasaki「シドニーのレインボー図書館」とも呼ばれるのは、この読書室が由来。

こちらはフォトジェニックな場所としてインスタグラムを始めSNSでもよく見かける人気撮影スポットです(あくまで読書室なので、他の利用者の迷惑にならないようご注意ください)。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

日が暮れてくるにつれガラスに夕日が反射して、何とも言えない美しい表情を見せます。まるで地中から突き出た光の彫刻のような図書館です。

グリーン・スクエア図書館
シドニー / 図書館 / インスタ映え
住所:355 Botany Rd, Zetland NSW 2017地図で見る
電話:02-9288-5010
Web:https://www.cityofsydney.nsw.gov.au/explore/librar...

【2】歴史遺産の病院をリノベーション:Marrickville Library(マリックビル図書館)

  • 写真:Mayumi Iwasaki

個性的でディープな街「Newtown(ニュータウン)」の近く、シドニーのインナー・ウェストにある「Marrickville(マリックビル)」。そこに2019年8月にオープンした古い病院をリノベーションしたサスティナブルな図書館が「Marickville Library(マリックビル図書館)」です。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

場所はマリックビル駅から徒歩10分。Marrickville Road(マリックビル・ロード)とLivingstone Road(リビイングストーン・ロード)の交差点にある大きなサンクン・ガーデンが目印です。この1,200㎡あるガーデン広場では、映画の上映会やワークショップなどのイベントが行われます。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

マリックビル図書館は、1800年代に建てられた州の歴史遺産「マリックビル病院」の建物を残したまま、新しい図書館へと姿を変えました。当時の病院で使われていた30,000個近くのレンガや窓枠、天井梁などを再利用していて、新旧が絶妙なバランスで融合しています。設計はシドニーにあるおしゃれな図書館「ウラーラ図書館」もデザインした「BVN Architecture」が担当しています。

  • 写真:Mayumi Iwasaki大きな大空間の脇には、ブロック壁の旧病院建物が。

エントランスに広がる大きな吹き抜けのホワイエは、等間隔に並ぶ大きな柱と張り巡らされた木製ルーバー、階段状に積み上げられたベンチが印象的な空間です。屋根に点在するトップライトや広場に向かって開いた大きな窓からは眩しいほどの光が入ります。

  • 写真:Mayumi IwasakiNSW州の歴史遺産にも指定されている、1899年建設のMarrickville Hospital(マリックビル病院)
  • 写真:Mayumi Iwasaki

建物は旧病院部分を覆うように建てられ、ベンチの奥には建物内の空気を循環させる換気システムを設けられ、各所で使われている木製ルーバーには鉄道橋で使われていた廃材を使用するなど、エネルギー消費の削減を意識しながら、建物に軽快さと温かみを与えるサスティナブルなデザインです。

  • 写真:Mayumi Iwasaki
  • 写真:Mayumi Iwasaki

建物北側には子供用閲覧室が、その奥にはプレイグラウンドがあります。寝ている黄色いカンガルーの彫刻は、昔この辺りに生息していたイースタン・グレイ・カンガルーを表現したものだそう。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

因みにマリックビルは、シドニーでも有数の自家焙煎コーヒーを出すカフェが軒を連ねるエリア。こちらの図書館にも、シドニー各地のカフェに豆を卸している地元の有名店「Double Roasters(ダブル・ロースターズ)」がオープンした、「Side Story Cafe(サイド・ストーリー・カフェ)」があります。

  • 写真:Mayumi Iwasakiシドニー各地のカフェに自家焙煎のコーヒー豆を卸しているダブル・ロースターズがプロデュース
  • 写真:Mayumi Iwasakiシグニチャー・コーヒーの「Flight Path Blend」を使用したSoy Flat White($4.00 / ¥280)

図書館の中からも外からもコーヒーが購入できるつくりになっていて、外部にはガーデン広場を見渡すテラス席もあります。ちょっと疲れた時に、味はお墨付きの美味しいコーヒーを飲みながら休憩やランチができるのが嬉しいですね。

  • 写真:Mayumi Iwasaki

開放的な空間とリサイクルした木やレンガの質感、そして窓から入る光が、柔らかいやさしい雰囲気を醸し出します。温かみのある居心地いい図書館です。

サイド・ストーリー・カフェ・アット・マリックビル・ライブラリー
シドニー / カフェ・喫茶店
住所:Marrickville Library, 313 Marrickville Road, Marrickville, NSW 2204地図で見る
電話:02-9572-7711
Web:https://doubleroasters.com/
マリックビル図書館
シドニー / その他スポット
住所:Patyegarang Place, 313 Marrickville Road,  Marrickville, NSW 2204地図で見る
電話:02-9335-2173
Web:https://www.innerwest.nsw.gov.au/explore/libraries...

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この記事を書いたトラベルライター

シドニー在住 / 建築好きフォトグラファー&ライター
東京生まれ、子供時代をメキシコやイギリスで過ごした後、現在は都市と自然が隣接するマルチカルチュラルな街、オーストラリア・シドニー在住。
元「建築士&インテリアデザイナー」で、現在は「フォトグラファー&ライター」のmayumiです。

旅が大好きで、訪れた国は北米やアジア、ヨーロッパなど合わせて28ヶ国60都市以上。

専門のインテリアや建築、アートなど、デザインインスピレーションを刺激するものを始め、在住者だからこそお伝えできるシドニーのライフスタイル、美味しいもの、素敵なお店やフォトジェニックな風景などをご紹介します。
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