太魯閣国家公園(タロコこっかこうえん)は太魯閣渓谷を中心に広がる台湾の国立公園です。台北から特急列車で2時間ほどの花蓮市に近く、台湾でも人気の観光地です。太魯閣渓谷は大理石が浸食されてできた渓谷で岩や水の景観が美しく、ハイキングコースもいくつかあります。台湾の自然を体験するには絶好の場所です。
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太魯閣国家公園(タロコこっかこうえん)
太魯閣国家公園は台湾の東部に位置する国立公園です。広さは南北に約38キロ、東西に約41キロ、総面積は9万2,000ヘクタールに及び、海と山の景観を持ち合わせています。
台北からは特急列車で2時間強の距離にあり、台北から日帰りで訪れることも可能ですが、車で30分ほどの花蓮市に宿泊した方がゆったりと観光できておすすめです。
花蓮(ファーリェン)市
花蓮市は太平洋に面した台湾東部の都市です。人口10万人ちょっとの小さな街ですが、台北からは特急列車、あるいは飛行機で行くことができ、太魯閣観光の拠点にするにはちょうどよい街です。花蓮のホテルや民宿に泊まって、車で約30分の太魯閣国家公園へ出かけましょう。
絶景を楽しむ
海と山の両方を楽しむことができる太魯閣国家公園には、素晴らしい景観を楽しめるポイントがたくさんあります。そのうちのいくつかを紹介します。
清水断崖 (Ching-shui Cliff)
駐車場から徒歩10分ほどで海岸の近くの展望台と記念碑にたどり着きます。青い海とそそり立つ崖が美しいです。タイミングが合えば北廻線(花蓮から台北へと至る鉄道)の列車がトンネルを抜けて走るところを上から眺めることもできます。
燕子口 (Swallow Grotto)
太魯閣渓谷の中にある景勝地です。遊歩道を歩いて景色を堪能できます。深い谷と大理石の崖を心ゆくまで楽しめます。
名前の由来となった、ツバメが渓谷を優雅に飛んでいる様子を眺めるのも楽しいです。
長春祠 (Eternal Spring Shrine)
山の中腹にある祠です。
東西横貫公路という台湾の中央部を東西に横断する道路があり、東部と西部を繋ぐ唯一の自動車道として非常に重要な役割を果たしています。しかし、その建設工事は非常に困難で、200名を超す作業員が命を落としました。その犠牲者の霊を慰めるために建てられたのが長春祠です。
中国風の祠の下に滝が流れる光景は、有名な観光スポットになっています。大理石の洞窟を通って長春祠にたどり着く徒歩のコースがありますが、2017年8月の時点ではこの歩道は閉鎖されていました。
鐘楼
長春祠の鐘楼です。吊り橋を渡ったあと、階段を10分ほどひたすら上るとたどり着けます。けっこう急な上りで大変ですが、頑張って行く価値はあります。赤い鐘楼は美しく、また太魯閣峡谷の眺めも素晴らしいです。
3つの長春橋
少し余談ですが、実は長春祠の近くには「長春橋」が3つあります。日本ではあまり考えられないことですが、なんと同じ名前の橋が3つもあるのです。何故こんな奇妙なことになったのか説明しましょう。
長春橋1
これは最初に作られた元祖、長春橋ですが、台風のときに川が増水して流されてしまいました。現在では橋の最初の数メートルだけが残されていて、長春祠や渓谷を眺めるための展望台となっています。
上の写真で人が立っている部分が長春橋1です。右上に見える赤い橋が長春橋2です。晴れた日にここから川を眺めると、遥か下の方に水が流れているのが見えます。その川が台風のときには自分がいる高さまで増水する、と考えると、自然の力の恐ろしさを感ぜずにはいられません。
長春橋2
最初の橋が流されてしまったので、長春橋1よりも数メートル高い場所に新たに作られた橋です。赤く塗られていて、緑の山々とのコントラストが絵になります。
長春橋3
せっかく作った長春橋2ですが、実は問題がありました。幅が狭く、車の両面通行ができなかったのです。そこで作られたのが長春橋3です。こちらは十分な広さがあり、たくさんの観光客の行き来を日々支えています。
ハイキングで自然を満喫
太魯閣国家公園には様々なハイキングコースも整備されています。その中から2つを紹介します。
砂卡礑歩道 (Shakadang Trail)
川沿いを歩くハイキングコースです。大理石の岩壁に沿って歩く4.5kmのコースで、ほぼ平坦なので子供でも大丈夫です。横を流れる砂卡礑渓の水は常に透き通ったエメラルドグリーンで、見ていて飽きません。
途中の五間屋という売店で売っているソーセージは予想外の美味しさです。休憩がてらのちょっとしたおやつにはぴったりです。
運がよければ猿が木々の間を走り回るのを見ることができるかもしれません。下の写真にはそれぞれ猿が写っていますが、見つけられますか?
太魯閣の自然を満喫するのに絶好のハイキングコースです。
緑水歩道(Luishui Trail)
約1時間、1.97kmのコースです。森の木陰を歩いたり崖、谷、橋、暗いトンネルがあったりと、のんびり散策できる遊歩道です。トンネルは短いですが本当に真っ暗なので、懐中電灯か携帯電話を忘れずに持っていきましょう。
- 太魯閣国家公園
- 台湾 / 公園・動植物園 / 公園
- 住所:台湾花蓮県秀林郷富世村291号地図で見る
- Web:http://old.taroko.gov.tw/Japanese/
1日遊んだ後は東大門夜市で夕食!
さて、太魯閣国家公園で楽しく一日遊んだあとは、楽しい夕飯の時間です。台湾と言えば夜市を思い浮かべますが、もちろん花蓮にもかなり大きな夜市があります。東大門夜市をのぞいてみましょう。
東大門夜市は花蓮の繁華街から歩いてすぐの、海の近くに広がる大規模な夜市です。台北の夜市に行ったことがある人は、東大門夜市の綺麗に整備された広い道路と、屋台というより小屋が整然と並ぶ光景に驚くかもしれません。しかもここは台北と比べて何でも安く買えます。
また、いわゆる中華系の台湾料理だけでなく、原住民の踊りや食べ物も楽しむことができます。トイレもあるので、心ゆくまで台湾の夜を楽しめますね!