横浜は日本人が初めてパンの製造・販売を始めた「パン発祥の地」だということ、ご存知でしたか?そんなパン発祥の地には、現在もワクワクするような素敵なベーカリーがたくさん。老舗店から今注目のブーランジェリーまで、元町とその周辺で訪れたいベーカリーをご紹介します。
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【1】ウチキパン
横浜開港6年後の1865年、イギリス人のロバート・クラーク氏が在住外国人のためのパン屋「ヨコハマベーカリー」を横浜・山下町に開業しました。外国の「饅頭のような食べもの」すなわち「パン」は、最初外国人だけのものでしたが、次第に日本のハイカラ層にも親しまれるようになったそう。クラーク氏のあとを受け継いだ、打木彦太郎率いる宇千喜商店がウチキパンの始まりです。
イギリスで「パン」といえば、食パンだった時代。若干14歳からロバート・クラーク氏の元で修業した打木彦太郎が獲得した技法で焼き上げた「イギリスパン」と呼ばれる食パンがウチキパンのメイン商品です。イースト菌にホップ種をつかい、15時間以上発酵にかかるという手間暇かけたパンは、もっちりふわふわ。イギリスパンといえば普通、焼きの工程でパンの中の水分が蒸発するため軽い食感ですが、ウチキパンのイギリスパンは密度が高くしっとりとしています。
イギリスパンのほかにも、レモンドーナツやクロワッサン、クリームパンなども人気で、店内にはところ狭しとパンがならんでいます。レトロなビニール袋をぶら下げて、元町を歩いている人もたくさん。伝統の味をぜひお試しあれ。
- ウチキパン
- 横浜 / パン・サンドイッチ / パン屋
- 住所:神奈川県横浜市中区元町1-50地図で見る
- 電話:045-641-1161
- Web:http://www.uchikipan.com/
【2】ポンパドウル 元町本店
フランスで初めて本格的なパンづくりに取り組んだ「ポンパドウル夫人」の名からつけられた店名。全国各地に支店があり、赤い看板が目を引くベーカリーの本店です。
昭和になってからの開業ですが、当時のコンセプトは「思いきり高級で優雅な欧風ベーカリー」。そのため西洋文化がいち早く入る横浜のセレブな街、元町に本店を構えたそうです。店内は当時の高級志向のイメージを残しつつも、家族みんなでおいしくいただけるパンがズラリ。すべての工程をお店の工房で行っており、店内はフレッシュで香ばしいかおりに包まれています。毎月新作もでるので、何度通っても飽きない美味しさが自慢です。
ポンパドウル一番の売れ筋は、フランスパン。なんと1日に9回も焼き上がりの時間があるんですよ。いつ行ってもほぼ焼き立ての時間に遭遇できるのは、美味しいパンを届けたいというお店の情熱の証拠です。他のパンも、焼き立てのものがあれば、レジで店員さんが工房から持ってきて交換してくれる配慮が嬉しいですね。
- ポンパドウル 元町本店
- 横浜 / パン・サンドイッチ / パン屋
- 住所:神奈川県横浜市中区元町4-171地図で見る
- 電話:045-681-3956
- Web:http://www.pompadour.co.jp/topics/shop/motomachi
【3】ブラフベーカリー
代官坂の中腹にある、青色の看板が鮮やかなニューヨークスタイルのパン屋さん。地元の人はもちろん、わざわざ県外からやってくる人も多い愛されベーカリーです。小さな店内ですが、ハード系から総菜パン、ドーナツやスコーンまでパンの種類は多いので、どれにしようか迷いながらウロウロしている人をよく見かけます。
人気が高いのは、黄色いポッチが特徴の「ドットのメロンパン」や、可愛い顔が描かれた「かぼちゃのメロンパン」。外側のメロンパン生地がサックリ甘めで、中に練り込まれたリンゴとの相性がバツグンです。また岡山・蒜山のジャージーバターを使用したミルククリームを挟んだ「ミルクスティック」は甘すぎず、あと引く美味しさ。ニューヨークスタイルだけあって、全体的にボリューミーな仕上がりになっています。
高台にあるので苦労して歩かないといけませんが、夕方には品薄になってしまうので、お昼前後には到着したいところ。イートインスペースはないので、すぐにでも食べたい人は、坂を上がりきったところにある元町公園の木陰でひと休みしながらいただいちゃいましょ。
- ブラフベーカリー
- 横浜 / パン・サンドイッチ / パン屋
- 住所:神奈川県横浜市 中区元町2丁目80-9 ヒルクレストオグラ1F地図で見る
- 電話:045-651-4490
- Web:http://www.bluffbakery.com/
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【4】ecomo Bakery
老舗のパン屋が多い元町で比較的新しいベーカリーですが、多くのファンを抱えています。小麦粉をはじめ、バターやたまご、中のフィリングにまで体に優しい素材をひとつひとつ吟味してパンを完成させているのが伝わってきます。パンの種類はそれほど多くないですが、「こだわりの美味しいパンが食べたい!」という方にはぜひ足を運んでほしいイチオシベーカリーです。
木のぬくもりがあふれる店内には、黒ゴマを練り込んだ角パンや、有機栽培の小麦を使ったバケット、スコーン、ピザパンなどがならびます。日によって焼かれるパンのバリエーションが少しずつ違うので、何度も通ってお気に入りを見つけて。イートインスペースもあり、パンのほか絶品手づくりケーキもいただけると評判です。
- エコモ・ベーカリー
- 横浜 / パン・サンドイッチ / パン屋
- 住所:横浜市中区元町1-13元町プラザ2F地図で見る
- 電話:045-323-9480
- Web:http://www.ecomo-bakery.com/
【5】のり蔵
民家と間違えてうっかり通り過ぎてしまいそうな佇まい。中華街のはずれ、路地を一本入ったところに位置する和モダンなベーカリです。扉を開けると、ワッと目に飛び込んでくるアートのようなパン。店内はシックな黒に統一され、陳列トレイも黒なので、商品が映えるんですね。
パンをのせるトレイやトングにも和が取り入れられています。ならんでいるパンも、海苔やしらすを使った和風の創作パンが多いのが特徴で、あれもこれもと目移りしてしまいそう。もちろん食パンやハード系の普段使いパンも美味ですよ。中華街を散策する際にはぜひ寄り道してほしいベーカリーです。