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"Be Ambitious"スピリッツが受け継がれる北海道大学の見どころ・完全ガイド!

取材・写真・文:

トラベルライター

2018年2月27日更新

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写真:トラベルライター

札幌駅北口から北に向かって徒歩約7分。高層ビルが立ち並ぶオフィス街に突如、緑豊かな北海道大学の正門が見えてきます。構内へ一歩足を踏み入れると、そこはまさに都会のオアシス!草木の爽やかな香りと清らかな風を感じ、心身ともに癒やされていきます。今回はそんな北海道大学の中でも、明治時代開校以来の歴史的建造物や自然豊かなポイントなど、是非お立ち寄りいただきたい散策スポットをご紹介いたします。

この記事の目次表示

北海道大学とは?

  • 写真:トラベルライター緑豊かなキャンパス内風景

北海道大学は、その前身である札幌農学校が1876年(明治9年)に開校して以来、現在は12学部、21大学院、附属図書館、大学病院、附置研究所、研究センター、学内共同施設等を擁する総合大学へと発展しています。

札幌キャンパスの面積は1,776,249㎡、東京ドーム約38個分という、国内有数の広大なキャンパスです。

キャンパス内には、明治時代からある樹木、貴重な植物、川など、自然が織りなす四季折々の景観に加え、歴史的建造物や遺跡等が多数点在しており、教育・研究の場だけでなく、一般見学もできるようになっており、旅行者や市民の憩いの場として愛されています。

北海道大学の散策は、インフォメーションセンター「エルムの森」からスタート!

札幌駅北口から北に向かって約7分歩くと、北海道大学の正門に到着します。

  • 写真:トラベルライター北海道大学の正門

最初に立ち寄っていただきたいのが、正門を入ってすぐ左に建つインフォメーションセンター「エルムの森」です。

  • 写真:トラベルライターインフォメーションセンター「エルムの森」

こちらは2010年(平成22年)にオープンした施設で、店内はとても開放的で安らげる空間となっています。ここには構内散策の案内カウンター、お土産用北大グッズショップやカフェが併設されています。

ちなみにエルムというのは、ハルニレの木のことです。

  • 写真:トラベルライター木の葉模様のインフォメーションセンター 「エルムの森」の天井
  • 写真:トラベルライターインフォメーションセンター「エルムの森」のカフェ

最初に入るこちらの「エルムの森」、くつろぐために入るわけではありません。なんといっても東京ドーム約38個分のキャンパスです。計画的に歩くために「エルムの森」に入ってすぐのところに置かれたラックから「キャンパスガイドマップ」を入手しましょう。(散策前に確認したい場合には、ここからダウンロードできます)

  • 写真:トラベルライターキャンパスガイドマップ
  • 写真:トラベルライターキャンパスガイドマップを広げた状態

ガイドマップを広げると、①から㉞まで番号が付いています。この番号のついている場所が、歴史的建造物や観光名所のあるところです。建造物に関する短い説明文もあり、予備知識がなくても楽しめる工夫がなされています。

このように非常に分かりやすいガイドマップがありますが、それ以外にも北海道大学では、一般の人が迷わない工夫が随所に見られます。このガイドマップを参照しつつ、キャンパス内の散策を開始していきましょう。

  • 写真:トラベルライターキャンパス内の案内板

それでは早速、是非お立ち寄りいただきたい名所を、

  • その1:異国情緒漂う歴史的建造物
  • その2:キャンパス内に広がる大自然
  • その3:押さえておきたい石碑
  • その4:時間があったら寄ってみてほしい場所

の4つのグループに分け、全16のスポットをご案内したいと思います。

その1:異国情緒漂う歴史的建造物

北海道大学キャンパス内には、明治時代等に建てられた建物が、用途を変えながら利用されています。それら歴史的な建造物をご紹介いたします。

1.古河講堂(旧東北帝国大学農科大学林学教室)

  • 写真:トラベルライター古河講堂

古河講堂は、1909年(明治42年)に古河財閥(古河鉱業所の古河虎之助)の寄付金により建設されたそうです。今は、国登録有形文化財や「さっぽろふるさと文化百選」に指定されています。

アメリカン・ヴィクトリアン様式にフランスのマンサード屋根を取り入れるなど、多くの建築様式を組み合わせた木造2階建ての建物は、「林学教室」から始まり「教養部」、「文学研究科研究室」へと時代ごとに役目を変えながら、今も美しい姿で、学生や観光客・市民の目を楽しませてくれます。

この建物は研究室として使用されているため、内部の一般公開はされていませんが、私が訪れたときは、外観を写生している人を見かけましたよ♪

北海道大学古河講堂
札幌 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:札幌市北区北9条西7丁目 北海道大学構内地図で見る

2.農学部

  • 写真:トラベルライター玄関のアーチと時計が印象的な農学部

北海道大学自体の起源が札幌農学校だからか、メディアで取り上げられる大学の写真はこの農学部の写真が多いようです。

1935年(昭和10年)に建てられた校舎は、アーチが美しい玄関や細かい飾りがついた時計など多くの意匠が凝らされ、重厚さ・歴史の重みを感じさせます(内部の一般公開はしていません)。

3.北海道大学総合博物館(旧理学部本館)

  • 写真:トラベルライター北海道大学総合博物館

1929年(昭和4年)に理学部本館として建てられたこちらの建物は、現在は北海道大学総合博物館として利用されています。

スクラッチタイルとテラコッタ張りのモダーン・ゴシック風の建物は、北大キャンパス内の鉄筋コンクリート建築としては最も古い建物だそうです。

大学には札幌農学校開校以来、約400万点にのぼる貴重な学術標本や資料などが収集・保存されており、その一部が無料で一般公開されています。

1階から3階までの各フロアには所狭しと展示品や研究パネルが掲示されており、展示品によっては直に触って楽しめるものもありますよ♪また「アインシュタイン・ドーム」という愛称で呼ばれる、美しい天井も必見です!

※博物館内については、「化石からノーベル賞まで! 北海道大学総合博物館の充実過ぎる展示品」という記事で詳しくご紹介しております。展示内容が気になる方はチェックしてみてくださいね!

北海道大学総合博物館
札幌 / 穴場観光スポット / 博物館 / 一人旅 / 雨の日観光
住所:北海道札幌市北区北10条西8丁目地図で見る
Web:http://www.museum.hokudai.ac.jp/

4.札幌農学校第2農場

北海道大学総合博物館を出て北に向かってずっと歩くと、国の重要文化財に指定されている札幌農学校第2農場が見えてきます。

もしも地下鉄を使う場合には、地下鉄南北線「北18条」下車、徒歩約10分のところにあります。

  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場の看板
  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場 重要文化財の看板

これらの看板がありますので、見つけやすいですよ!早速中に入ってみましょう。

  • 写真:トラベルライター入口に広がる池

入口に入ると樹木と池が広がります。そこを通り抜けると、札幌農学校第2農場の建物群が目に飛び込んできます。

  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場 牧牛舎の外観

1876年(明治9年)、札幌農学校第2農場はクラーク博士の大農経営構想を基に開設されました。現在、洋式農業建築としては国内最古であり、明治洋風建築技術と酪農経営の資料として貴重なことから、国の重要文化財となっています。

  • 写真:トラベルライター左:煉瓦造りの建物が製乳所の外観、右:石造りの建物が釜場の外観

どっしりとした存在感を放つ、煉瓦造りの建物が製乳所。石造りの建物が釜場で、なぜか懐かしさを感じさせます。ちなみに、製乳所は牛乳の製造と乳製品の加工・保存を行う施設のことで、釜場は家畜飼料の調整場のことです。

  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場 穀物庫の外観

穀物庫は、飼料用トウモロコシや麦類などの穀物や種子の貯蔵庫として利用され、国内最古の様式農業建造物の1つです。穀物庫ゆえ、高さ約1mの鼠返し付高床式倉庫となっています。

  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場 穀物庫内の様子
  • 写真:トラベルライター札幌農学校第2農場 牧牛舎の外観

牧牛舎の中に入ってみると、「札幌農学校ができるまで」と題したパネル展示や、開校当時に実際に使用されていた農具、馬具など、多数の展示品を見ることができます。

  • 写真:トラベルライター「札幌農学校ができるまで」パネル展示
  • 写真:トラベルライター実際に使用されていた馬具などの展示
札幌農学校第2農場
札幌 / 建造物 / 歴史的建造物
住所:北海道札幌市北区北18条西8丁目地図で見る
Web:https://www.museum.hokudai.ac.jp/outline/dai2noujo...

その2:キャンパス内に広がる大自然

広大な北海道大学のキャンパス内は、ポプラやイチョウ、エルム(ハルニレ)の木、カエデ、サクラなど多くの種類の樹木や、エンレイソウ、スイレン、クロユリなどの植物が豊富で、まるで森の中に大学があるような空間です。

これら樹木の中には、1905年(明治38年)に新渡戸稲造夫人メアリー氏より寄贈された、24本のハルニレの木も含まれているそうです。

その中から、特にお勧めの場所をご紹介したいと思います。

5.中央ローン・サクシュコトニ川・大野池

  • 写真:トラベルライター中央ローンとサクシュコトニ川

中央ローンは大学正門近くに広がる約12,000㎡の緑地帯です。手触りの良い芝生、大きな樹木の木陰、サラサラと流れる川の水が、訪れる人に安らぎと活力を与えてくれます。

川のほとりで遊ぶ子供、木陰で仮眠する人、楽器を奏でる人、演劇の練習をしている人など、皆さんそれぞれゆったりと過ごしています。もちろんここは大学なので、白衣を着た学生さんが何かの実習をしている光景も見られます。ルールを守って、邪魔にならないようにくつろぎましょう♪

ちなみにこの中央ローンにはサクシュコトニ川が流れており、なんと昭和初期までは、シャケが遡上していたそうです!

  • 写真:トラベルライタースイレンが咲く「大野池」

そしてこのサクシュコトニ川は、緑豊かな木々に囲まれながらキャンパス内をずっと流れていき、4月にはミズバショウ、初夏にはスイレンが咲き誇る「大野池」へと流れていきます。

北海道大学 サクシュコトニ川
札幌 / 自然・景勝地 / 川
住所:北海道札幌市北区北8条西7丁目地図で見る
北海道大学 大野池
札幌 / 自然・景勝地
住所:北海道札幌市北区北12条西8丁目地図で見る

6.エルムの森

  • 写真:トラベルライターエルムの森風景

中央ローンの斜め向かいにあり、理学部の横に広がるのが、エルムの森です。「旧北海道帝国大学農学部昆虫学標本室」が建っている森で、樹齢100年以上のエルム(ハルニレの木)の巨木がそびえています。

数十本の巨大なエルムの木々が心地よい木陰を作り、ベビーカーで散歩するお母さんやベンチに座って読書をする人など、のんびりとくつろいでいる一般の方を見かけましたよ♪

7.ポプラ並木

  • 写真:トラベルライターポプラ並木

新渡戸通りを西に行くと、ポプラ並木が見えてきます。カメラに全景を収めることができないほど、背の高いポプラの木々が並んでいます。

1903年(明治36年)に小規模な植林を行って以降、北大の名物的な景観となっていましたが、2004年(平成16年)9月の台風18号の猛威により、約半数ものポプラが倒壊。あたりは立ち入り禁止となってしまいました。その後全国からの寄附金によって若木の植樹が行われ、現在は約80mの道を散策することが可能となっています。

さて、この倒壊してしまったポプラの木は、どうなったでしょうか?

実は大切に保管されており、少しずつ北大グッズへと再利用されています。これらのグッズはインフォメーションセンター「エルムの森」で販売されているので、立ち寄った際にはぜひ確認してみて下さいね♪

北海道大学ポプラ並木
札幌 / 自然・景勝地 / 絶景 / デート
住所:北海道札幌市北区北11条西10丁目地図で見る

8.花木園

  • 写真:トラベルライター花木園の様子

花木園は、ポプラ並木のすぐ横にあります。花卉・造園学などの実習目的で設けられ、北国に多くみられる花木が植えられています。

できるだけ手を加えず、植物間の競合条件などを観察対象としているそうです。ここには、珍しいクロユリや遺跡もあります。

  • 写真:トラベルライタークロユリ群生地の案内板
  • 写真:トラベルライター遺跡の案内板

自由に見学することができますが、ここはあくまで実習の場なので、舗装面・園路・芝生地以外には立ち入らないよう、ルールを守って見学しましょう。

北海道大学 花木園
札幌 / 植物園
住所:北海道札幌市北区北11条西10丁目地図で見る

9.イチョウ並木

新渡戸通りを横切り大野池を越えたあたり、北13条門に続く約380mの道路の両側には、70本のイチョウが植えられています。1939年(昭和14年)に植樹されたもので、どのイチョウも天高く伸びる大木です。

  • 写真:トラベルライター新緑のイチョウ並木の風景(‎2017‎年‎6‎月‎16‎日撮影)
  • 写真:トラベルライター黄葉したイチョウ並木の風景(2016‎年‎10‎月‎29‎日撮影)

緑のイチョウも爽やかですが、黄色く染まったイチョウは周囲のカエデなどと相まって、天然の絵ハガキのような美しさです。秋になると、黄葉したイチョウ並木の写真を撮ろうと、早朝から多くの人が行き交う名所ですよ♪

北海道大学イチョウ並木
札幌 / 自然・景勝地 / デート / 紅葉 / 秋のおすすめ観光スポット / ツーリング / インスタ映え
住所:北海道札幌市北区北13条西5~7丁目地図で見る

その他

キャンパス内は、とにかく樹木が豊富です。

  • 写真:トラベルライター背の高い道路脇の樹木

どの道も、両端には大きな樹木がそびえています。

  • 写真:トラベルライター「頭上注意!倒木、枝落ちに注意」の看板

「頭上注意!倒木、枝落ちに注意」の看板が大学内にあるのは不思議に思えますが、それだけ自然豊かなキャンパスということですね♪

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