京都には紅葉の名所がたくさんありますが、筆者がオススメしたいのは「苔寺」です。スティーブ・ジョブスもお忍びで訪れたと言われる、緑鮮やかな苔が美しい庭園があります。秋には苔と紅葉のコラボレーションが、色彩豊かな絶景をつくりあげるのです。
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苔寺が紅葉狩りにオススメの理由
正式名称は「西芳寺」といいますが、寺の庭園には約120種類の苔が生息し、緑鮮やかな景観が有名なことから通称「苔寺」と呼ばれます。「古都京都の文化財」として、世界遺産にも登録されています。
苔寺の拝観は予約制のため、1度に多くの人が入ることはできなくなっています。そのため、人ごみのごったがえしも無し。人をかき分けて自撮りをしたり、誰かの肩越しにしか写真が撮れなかった(涙)ということもありません。
庭園を見る前に本殿へ
お寺の門をくぐると、まずは本堂へ案内されます。ここで住職さんからお説法をいただきます。そして、姿勢を正して写経を行います。紅葉見たさに、はやる心を落ち着かせることができました。
写経が終わると、願い事と名前を書いて阿弥陀仏如来仏像の前に置き奉納してもらいます。本堂での所要時間は約40分~1時間です。写経を終えた後、お庭へ案内されます。
苔寺の庭園
苔寺の庭園は禅宗庭園の様式で上下に分かれ、枯山水と池を囲む回遊式庭園から成っています。広さは約3万平方メートルの広さ(野球のグラウンド3つ分程度)で、ゆっくり散策すると1時間はかかります。
庭園には四季を通じてふかふかの苔がじゅうたんのように茂ります。よく見ると苔にもさまざまな種類があります。
石に生息する乾燥に強いもの、木の根元を好むもの、池の脇で湿気を求めるもの、環境によって色々な苔が育っています。種類の違いが微妙な色や形の違いとなり、庭園に緑のグラデーションを作り上げているのです。
東屋も所々に置かれているため、休憩をとりながらゆったり見学をしてください。
苔寺の紅葉
園内を見渡すと葉が紅く染まった木々が多くあり、紅葉狩りを楽しむこともできます。足元に目を落とすと、苔のじゅうたんの上に紅葉が散りばめられて、色鮮やかな景色になります。緑と赤の鮮やかなコントラストで、お互いをよりいっそう引き立て合っているように感じられました。
なお、苔寺での紅葉の見ごろは例年11月下旬頃です。
拝観料は通常のお寺よりも高くなっていますが、写経体験も含まれていますし、何より、人ごみに邪魔をされず自分のペースで心ゆくまで苔と紅葉を満喫できます。ゆったり紅葉狩りをしたい方におすすめのお寺です。