明治36年、日本初の洋式公園である日比谷公園と共に誕生した松本楼。同公園の敷地内にあり、草木が生い茂る中に現れるその外観は、当時流行していたというマンサード屋根の3階建て。そこで食べられるハイカラな洋食が人気で、モボやモガのあいだでは「松本楼でカレーを食べてコーヒーを飲む」ことが大流行したと言われています。明治の文豪夏目漱石や高村光太郎にも愛され、小説の舞台になったことも。そんなインスタ映えするレトロな建物や洋食を目当てに、ぜひ一度訪れてみては?
この記事の目次表示
モボやモガに愛されたハイカラ洋食レストラン
1903年、日本初の洋式公園として日比谷公園が登場しました。同年、公園内に日比谷松本楼もオープン。マンサード屋根の3階建て、ハイカラな洋食を目当てに、「松本楼でカレーを食べてコーヒーを飲む」ことが大流行しました。
その流行を牽引したのが、モボやモガ。モダン・ボーイやモダン・ガールの名称から、こう呼ばれるようになったと言われています。文明開化の気運に伴い、西洋文化を取り入れた先進的な若い男女達が1920年代頃から台頭。新たな文化の担い手となりました。
明治の文豪たちの小説の舞台に
明治時代の文芸活動の第1回会合が松本楼で開かれると、若き詩人や美術家たちが松本楼に集うようになりました。夏目漱石や高村光太郎をはじめ、多くの文人の交流や創作意欲を搔き立てたこの場所は、彼らの詩や小説の舞台として数多く登場しているのだとか。
インスタ映えすること間違いなしの場所
モボやモガ、明治の文豪たちに愛された場所は今、果たしてどうなっているのかということも併せてご紹介しましょう。
筆者が訪れたのは平日の11時だったため、50~80代の男女が多かったです。12時を過ぎてランチタイムに差し掛かると、20~30代の女性達の姿も多く見受けられました。
建物が醸し出すレトロな雰囲気や、緑に囲まれ木陰が心地よいテラス席などを求め、訪れる現代の若者たち。彼らにもまた、この場所が愛されていることを再確認できます。
「松本楼のテラス席で洋食を食べて、レトロな雰囲気を楽しむ」そんな体験こそ、インスタグラムに投稿するには最適と言えるかもしれません。
ハイカラ洋食メニューをどうぞ
シーフードカレー¥1,280やハンバーグステーキ¥1,250、土日祝日限定でウィークエンドスペシャルメニュー¥1,780やお子様プレート¥980も。
筆者が頼んだのは松本楼の選べるビッグプレート¥1,580。オムレツライスのソースを3種類の中からと、洋食を3種(ハンバーグ・クリーミィカニコロッケ・海老フライ)から選べるメニューとなっています。
クリームベースのソースはサラサラとしていてあっさりと楽しめますので、濃厚なハンバーグと併せるとバランスが取れておすすめ。また濃厚なデミグラスソースは、半熟卵のオムライスとよく合います。
平日はホームメードケーキセットが¥850。ディナータイムはコースが3種類¥2,680~¥4,800と、グランドメニューを¥980~¥2,000で楽しめます。