
和歌山・奈良・三重の3県にまたがる瀞峡(どろきょう)。ここには、現代の秘境とも言える美しい渓谷があります!目に映る景色は、どこもまるでジブリの世界。どこかでトトロに会えるんじゃないか、千尋が出てくるんじゃないかと思うようなレトロ感と、自然いっぱいの風景を川舟から見ることができます。そして、すぐ近くにある日本一の谷瀬のつり橋。ここも併せて行かれることをおすすめします!
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国特別名勝の大峡谷 瀞峡(どろきょう)って知ってますか?
古くから名勝と讃えられている渓谷・瀞峡(どろきょう)は、和歌山県・三重県・奈良県を流れる熊野川の支流・北山川にあり、その長さは31kmにもわたります。
上流から「奥瀞」「上瀞」「下瀞」と呼ばれており、瀞八丁(どろはっちょう)とも呼ばれる下瀞は特に有名。吉野熊野国立公園の一部にもなっています。
場所は、紀伊半島のほぼ真ん中に位置していて、交通手段は車がメイン。大阪からでも約3時間かかり、かなりの山間にあるため、道中の半分は山道です(車酔いしやすい方は酔い止め必須です!)そんなところが、現代の秘境と言われる由縁かもしれません。
瀞峡に到着!
長い移動を経てたどり着いた瀞峡。出迎えてくれたこの光景に、一気にテンションが上がります。このバス停でバスを待っていたら、隣にトトロが立っていそうな気がしませんか?
ここ瀞峡は、三県が接する場所。三県境の証として看板も立っています。
ひょいと川を覗きこむと、瀞峡の絶景が広がります。
瀞峡めぐり 川舟観光へ!
今回は、「川舟観光かわせみ」さんにお世話になりました。予約はHPにある電話番号からできます。
乗り場まで降りていくと、出迎えてくれたのはエンジン搭載のウォータージェット船。
”川舟”と聞いていたので、てっきり竿などを使って手でこいでくれる舟で、のんびり行くのかと勘違いしていましたが、31kmもある長い瀞峡。さすがに、エンジンがないと船頭さんも倒れちゃいますね。
ライフジャケットを着て、瀞峡めぐりへ出発!時速約40キロで走るウォータージェット船は、爽快そのもの!
山彦橋(やまびこばし)
山彦橋と呼ばれるこの橋は、三重県と奈良県を結んで架かっています。ここで声を出してみると、周囲の岩々に反響してこだまが返ってくるので「山彦橋」と名づけられたとか。勇気のある方はぜひ、この橋を渡ってみてください!
穏やかに見える瀞峡も、場所によっては流れが激しく、荒々しさも見せてくれます。
上下がわからなくなる世界
筆者が訪れた日は、運が悪く小雨がぱらつく中での乗船でした。乗っている間に雨は上がったものの、お世辞にも好天に恵まれたとは言えない日。しかしそれが功を奏したのか、しばらく進むと、幻想的な世界が目の前に広がり始めました。
ここで、船頭さんがエンジンを止めて時間をとってくれました。
この2枚の写真のうち1枚は、実は上下を反転させたもの。右の写真と左の写真、どちらが反転させたものかわかりますか?
船頭さんがエンジンを止めたくださったおかげで湖面には波がなく、天気が悪かったため他の舟もなく、気温の上昇によって水面上にもやがかかるという偶然。そのおかげで、素晴らしい幻想的な光景に出会うことができました。
滝と巨岩・奇岩群
そこからもっと奥へ進んでいくと、滝や巨岩・奇岩郡に出会います。
■ 母子の滝
写真には写っていませんが、奥に子供の滝があり、それをかばうかのように手前に母の滝があります。これらの滝は、どんなに日照りが続いても尽きることなく水を注ぎ続け、母子の情愛を見せるかのようだと言われています。
■ こま犬岩
パッと見て、形がわかりやすかったのがこのこま犬岩。姿勢正しく凛としている姿は、とても自然の力でできたとは思えないほど。紅白の首輪が巻かれているので、見つけやすいかもしれません。
■ 墜落岩
写真の右側、大きな岩に寄り添うようにあるのが墜落岩。川幅がグッと狭くなる下瀞の中央あたりにあります。これは300年以上も昔、慶長年間に起きた大地震の際に、大きな岩が滑り落ちたものと伝えられています。別名「滑り岩」とも呼ばれるそうです。
見られる花々
緑いっぱいの景色の中にも、さまざまな花が咲いているのが見られます。
岩や緑の中にパッと咲く花は目を引きます。季節によってさまざまな種類の、いろんな色の花が咲き、訪れる人の目を楽しませてくれます。
約50分間の川舟観光、見どころもたくさんありあっという間です。船頭さんとの会話がはずむと、写真スポットやおもしろエピソードなどいろいろ教えてもらえますよ。ぜひ積極的に声をかけてみてください!
住所:奈良県吉野郡十津川村玉置川451-3
営業時間:8:00-17:00
予約TEL:0746-69-0168 090-2196-8533
URL:http://dorokyo.jp/

- 瀞峡めぐり 川舟観光
- 奈良 / クルーズ / 春のおすすめ観光スポット / 夏のおすすめ観光スポット / 秋のおすすめ観光スポット
- 住所:瀞峡 川船発着場地図で見る
- Web:http://dorokyo.jp/about/koutuu.html
歌碑
三国にまたがる声やほととぎす(読み人知らず)
川舟をおりて坂を上がると、瀞峡を詠んだとされる歌碑があります。ここは瀞峡を上から見下ろして写真を撮るのにおすすめのスポットです!
瀞八丁の断崖絶壁にある喫茶店「瀞ホテル」
ホテルと名前がついていますが、食堂・喫茶のお店。以前は、山で切り出した材木で筏を組んで運ぶ「筏師(いかだし)」のための宿泊施設でした。
2013年6月に、築100年以上だった大正6年創業の元旅館を、先代の息子さん夫婦が食堂・喫茶としてリニューアル。2017年2月には、本館が奈良県の指定文化財となったそうです。
大正ロマンを感じさせる室内で、おいしいごはんがいただけるそうです。筆者が訪れた際にはお休みで中を覗くことができませんでしたが、店内の様子やメニューなどは、こちらからぜひご確認ください!きっと一度行きたくなるハズ。

- 瀞ホテル
- 奈良 / カフェ・喫茶店 / ランチ / 女子旅
- 住所:奈良県吉野郡十津川村神下405地図で見る
- 電話:0746-69-0003
- Web:http://dorohotel.jp/
日本一の谷瀬の吊り橋
「日本一」と名のつく吊り橋は、実は日本全国にいくつかあります。この谷瀬の吊り橋は、何が日本一なのでしょうか。
昭和29年に村人の力で架けられたこの橋は、長さ297.7m、高さ54m。生活用として日本一長い吊り橋なのです。
一度に20人以上は渡れないと注意書きがあるこの吊り橋。歩くとゆらゆら揺れます。夜17時~20時にはライトアップされて、幻想的な風景が広がるそうですよ。
吊り橋を渡り切ると、観光マップの看板があります。
周辺情報や、吊り橋のよく見える展望台情報などがありますので、ぜひ参考に展望台まで足を運んでみてください。こんな景色が見られるはずです!
おわりに
日本国内にもまだまだ秘境はあります。なかなか行けない場所だからこそ得られる特別な体験。少し足を延ばして、大自然を満喫してリフレッシュをするのはいかがですか。