東京の粉もんといえばもんじゃ焼きが有名ですよね。実は昭和40年代位まで、もんじゃ焼きは下町の子どもたちが駄菓子屋で食べていたおやつだったんです!そして都電荒川線沿いには、今でももんじゃが食べられる駄菓子屋「こどもの家きくや」が残っています。また近くには、江戸時代に庶民からの絶大な人気を誇ったという王子稲荷神社があり、ここには狐にまつわる不思議な言い伝えも残るのだとか。東京下町を走るノスタルジックな路面電車、都電荒川線でちょっとディープな東京旅はいかがですか?
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ここってホントに東京?地元で愛されるレトロな都電荒川線とは?
一両編成の都電荒川線は、荒川区の三ノ輪橋から新宿区の早稲田までの約12.2㎞を結ぶ路面電車です。東京に残る唯一の都電で、2017年4月には「東京さくらトラム」という愛称もつけられました。
かつて路線廃止が危ぶまれたこともありましたが、地元の人たちの強い希望もあって廃止を逃れ、今も多くの根強いファンがいます。一両丸ごと貸し切ることもできるので、電車好きな方へのサプライズイベントなどにいかがですか?
ちなみにこの電車、ドアが閉まる際にチンチン♪と2回ベルが鳴ることから「チンチン電車」と呼ばれています。
もんじゃが食べられる下町の駄菓子屋さん「こどもの家きくや」
駄菓子屋「こどもの家きくや」までは都電荒川線の「荒川遊園地前」で下車し、歩いてほんの数分。荒川区立あらかわ遊園のまさにすぐそばで、青い軒先が目印です。土日は遊園地に遊びにきた親子で大盛況!
夢の駄菓子大人買いはいかが?
店内は駄菓子エリアともんじゃエリアに分かれています。駄菓子エリアでは4段の棚に駄菓子がズラリ!ついつい大人買いしちゃいそうですね♪横に置いてあるすももの箱に好きなお菓子を入れ、お店の人に計算してもらいます。
え、駄菓子屋に鉄板?
駄菓子屋である「こどもの家きくや」ですが、店内にはもんじゃ焼きの鉄板が4台あり、なんと350円~400円という値段でもんじゃ焼きを楽しむことができるんです!注文できるもんじゃは一般的な内容ですが、駄菓子屋のもんじゃツウによれば、「切いかもんじゃ」と「えびもんじゃ」は外せないメニューなんだとか。
もんじゃの生地の中にはみじん切りのキャベツの他、青のりや紅しょうがなどが入っています。焼く前に、卓上ソースをスプーン2杯分生地に投入するのがこちらの流儀。
では、もんじゃ焼きの作り方を簡単にご紹介します。
1、まず生地と具をよく混ぜます。
2、油をひいて熱した鉄板で、具だけをよく炒めます。
3、炒めた具を丸く整え、ドーナツ状に土手を作ります。
4、真ん中に生地を流し込み、とろみがついてきたら全体を混ぜ合わせます。
5,まんべんなく広げ、表面がぷつぷつとしてきたら出来上がり。
あとは小さなコテ(はがし)でぎゅっと鉄板に押しつけて食べるだけです。焦げ目がついてパリパリになるくらいがおススメ♪
- こどもの家きくや
- 赤羽・王子 / 和食 / もんじゃ
- 住所:東京都荒川区西尾久6-32-10地図で見る
- 電話:03-3800-1067
- Web:http://www002.upp.so-net.ne.jp/hiromien/index.html
江戸の庶民の一番人気!王子稲荷神社
都電荒川線の「王子駅前」から徒歩8分ほどのところにある王子稲荷神社。こちらは古くから関東の稲荷の総元締めとされ、江戸時代には庶民から絶大な人気を集めていた神社でした。
階段を上っていくと色鮮やかな社殿があり、さらにその右奥には細い参道が・・・。
都内とは思えないほどのしんとした静けさの中、一番奥の細い階段を上っていくと、狐が棲家にしていたといわれる小さな穴が残されています。
王子では古くから、毎年大みそかの夜になると諸国から稲荷の使いである狐たちがやってきて、近くの榎の木の下で身なりを整え、王子稲荷に初もうでをすると言い伝えられてきました。
江戸の有名な浮世絵師歌川広重は、『名所江戸百景』の中で「王子装束ゑの木大晦日の狐火(おうじしょうぞくえのきおおみそかのきつねび)」という題のとても幻想的な浮世絵を残しています。
- 王子稲荷神社
- 赤羽・王子 / 神社
- 住所:東京都北区岸町1丁目12-26地図で見る
- 電話:03-3907-3032
- Web:http://www.kanko.city.kita.tokyo.jp/data/a/4.html
王子稲荷神社の参拝後は名物の久寿餅(くずもち)でほっと一息
王子で人気の老舗「石鍋商店」
王子稲荷神社の近くにある「石鍋商店」は、参道に店を構えて約130年の老舗です。名物の久寿餅は、原料となる小麦でんぷんを1年半~2年間発酵させて作られたもので、江戸時代から庶民の味として親しまれてきました。今も変わらず、昔ながらの製法と味を守り続けています。
できたての久寿餅を味わおう
特製の黒蜜ときな粉がかかったこだわりの久寿餅は、ぜひお店で食べるのがおすすめ!店内には王子稲荷神社にまつわる浮世絵や狐の面なども飾られており、参拝後にはぴったりの雰囲気が楽しめます。もちろん、お持ち帰りもありますよ。
- 石鍋商店
- 赤羽・王子 / カフェ・喫茶店
- 住所:東京都北区岸町1-5-10地図で見る
- 電話:03-3908-3165
- Web:http://www.oji-ishinabe.co.jp/
おわりに
オシャレで華やかな東京の街も素敵ですが、風情ある下町の風景もまた、東京の魅力のひとつです。もんじゃ焼きのルーツをたどりつつ、ぜひ今まで知らなかった東京を訪ねてみませんか?