見上げれば、光のカーテンが漆黒の夜空にゆらゆらと躍る。そんなオーロラを一生に一度は見てみたい!と思うものの、気象条件に左右されるのでなかなか難しいところ。でも心配ご無用!米国アラスカのフェアバンクスは晴天率が非常に高く、オーロラが見られる確率がすごく高いところなんです。北米のオーロラ鑑賞スポットとしては、カナダのイエローナイフも有名ですが、フェアバンクスは日本からの直行便があるのでアクセスも良く、気軽に訪問しやすい点もメリットです。キレイに写真を撮るコツとあわせて魅力を紹介します。
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オーロラをより良い条件で見るために
せっかく行くのですから、確実にオーロラを見るためには、どういった条件が必要なのか押さえてから向かいましょう。
なんとなくオーロラは夜だけに現れるというイメージがありますが、基本的に昼夜を問わず、一年中現れているんです!
でも、より良い条件でオーロラを見るために重要なのが、「いつ見るか」です。少しでも高い確率でオーロラを見るために、押さえるべきポイントをご紹介しましょう。
夜が長い時期を選ぶ
フェアバンクスでオーロラを見るためのベストシーズンは、ズバリ11月から3月にかけて。理由は次の2つです。
1つ目の理由としては、夜の時間が長いこと。
オーロラを見ることができる地域「オーロラベルト」に位置するフェアバンクスは緯度が高く、冬は夜が長いので、オーロラを見ることができるチャンスもぐっと広がります。
一方で夏は昼が長く、夜が短くなってしまうので、オーロラが見られる時間も必然的に短くなります。寒さは厳しいですが、オーロラを確実に見るなら冬がお勧めです。
2つ目の理由は晴れの日が多いこと。
どんなに素晴らしいオーロラが出ていても、曇っていては見ることは叶いません。寒い冬の時期は晴天率が高いので、11月から3月にかけてが狙い目なんですよ!
新月の時期を狙う
オーロラが見えたとしても、くっきりはっきり見えるときもあれば、あわ~く見えるか見えないかのときもあります。
淡いオーロラの場合、月明りがあるとよく見えない可能性があります。より良い条件でオーロラを見るのであれば、新月に近い時期がお勧め。新月なら、ついでに天の川も肉眼ではっきり見ることができますよ。
太陽活動が活発な時期を狙う
オーロラは太陽から飛んできた粒子と地球の大気が反応して発光する現象と言われています。そのため、太陽活動が活発になると、オーロラもより大きくはっきり出ることが知られています。
太陽は27日周期で自転しているので、27日間隔でオーロラが強く出るタイミングがやってきます。一度オーロラが強く出始めると、数日間オーロラが出やすい日が続くことが多いんですよ!そのタイミングに当たればラッキーですね。
でもそれって一体いつなんでしょう?
なんとアラスカ大学のホームページではオーロラ予報を出してくれています。天気予報ならぬオーロラ予報。ところ変わればといった感じで面白いですね。
いつ頃行くのが良さそうか、スケジュールを立てる際の参考にしてみましょう。
フェアバンクスへのアクセス
さて、オーロラ鑑賞の条件を押さえたところで、どうやって向かうのかご紹介しましょう。
日本からフェアバンクスに行く場合、もっともお手軽なのはJALのチャーター直行便。ツアーも充実しているので、海外に不慣れな方でも大丈夫。
もし自分で行くのであれば、アメリカのシアトル経由がお手軽。シアトルからフェアバンクスへは約4時間のフライトです。
テンションのあがるフェアバンクス空港
長いフライトをおえて、ようやくオーロラの地、米国フェアバンクスの空港に足を踏み入れました!
フェアバンクス空港はこじんまりとしていますが、明るく綺麗でかわいらしい印象です。熊のはく製なども展示されており、アラスカに来た~!という実感が湧いてきます。
ここではレンタカーを借りることもできます。筆者はレンタカーを借りて自走して行きました。
一度外に出ると、シャキッと冷えた空気が頬を直撃して、ここが白銀の世界であることを実感します。
雪道ですから、レンタカーを自分で運転する際は十分気を付けましょうね。特に市内の交差点は発進時にズルズルとよく滑るので要注意!
フェアバンクスの気候
さて、空港を出て外気に触れたわけですが、やっぱり期待を裏切らない寒さです。思いっきり深呼吸すると、空気の冷たさで肺がびっくりします。(鼻毛も凍って、くっつく感じがします・・・)
冬のアラスカというと、どのくらい寒いのか気になるところ。年にもよりますが、氷点下20度から30度くらいになることもあるようです。訪れた時は暖冬ということでしたが、それでも氷点下10度ちょっとにはなるようでした。
現地の人に言わせると、とっても暖かいようなのですが、氷点下10度というのは、車のなかに置いておいたコーヒーがほうっておくとカチコチになるレベル。防寒着はしっかりと準備しましょう。
こんなに寒いと、車自体も影響を受けないか不安なところですが、ちゃあんと寒冷地ならではの工夫があるんです。
このとき泊まったホテルの駐車場には電源があり、車のフロントバンパーから出ている電源ケーブルと繋ぐことができるようになっていました。屋外に駐車すると、寒さでエンジンがかからなくなってしまうので、この電源でエンジンを温めているんです。これで朝でも安心してエンジンをかけられます。
レンタカーには必ずこのような電源ケーブルが付いているので、屋外に駐車するときは忘れずに繋いでおきましょう。出発の際は外すのも忘れずに!
フェアバンクスでのオーロラ鑑賞スポット
車の電源ケーブルを外して、いよいよオーロラ鑑賞に出発!向かうは「スキーランド」というスキー場。ここはフェアバンクスのオーロラ鑑賞の鉄板ともいうべき場所なのです。フェアバンクスのダウンタウンから車で30分程度と、アクセスも抜群です。
スキーランドの頂上にはロッジがあって、オーロラ観測のロケーションは抜群。満天にゆらゆらとはためく巨大なカーテンを思い浮かべながら、一路ロッジを目指します。
「むふふ」とウキウキしながら車を走らせると、あっという間にロッジに到着。日もとっぷりと落ちたところに、ロッジの暖かいオレンジ色の灯りが迎えてくれます。
ロッジでは暖をとりながら暖かい飲み物も頂けます。寒さをしのぎつつ、快適にオーロラを待つことができます。
- スキーランド
- アメリカ / スキー場
- 住所:2315 Ski Land Road Fairbanks, Alaska地図で見る
- 電話:907-389-2314
- Web:http://www.skiland.org/
オーロラを見るときの基本的動作
さて、いよいよオーロラを見れるスポットまでやってきたわけですが、ずーっと外でオーロラを見られるわけではありません。寒さでずっと外にいられないのです・・・。
外は当然ですが寒いです。十分に厚着をしていても、外でオーロラを鑑賞していられるのはせいぜい20分から30分が限度です。一日の間でもオーロラは強くなったり、弱くなったりを繰り返すので、無理をせず、適度に休憩を取りながらゆっくり鑑賞しましょう。
つまりはちょっと外に出てオーロラを見て、ロッジに避難して暖をとり、また外に出てオーロラを見る、を繰り返すのです。でないと、とてもとても体が持ちませんからね。
ちなみに私はどんな格好だったかというと、
- 頭:ニット帽+マフラー
- 上:タートルネック+セーター+厚手のパーカー+ひざ丈のコート
- 下:タイツ+ジーンズ+スキーウェア
- 足:靴下2重履き+スノーブーツ
という重装備で挑みましたが、それでも外にいられるのは15分くらいが限界でした。
カメラでオーロラを撮ろう
さて、寒さに耐えて外に出てみれば、ようやくあのオーロラがお目見えです!でも、あれ・・・?ちょっとイメージしていたのと違うかも。
第一印象としては、暗い空にうっすらとモヤが掛ったような印象です。初めて見る場合、オーロラの光りが弱いと誰かに教えてもらわなければ気付かないかもしれません。
よく写真でみるオーロラはとても明るく見えますが、肉眼で見るオーロラはそこまで明るくありません。
オーロラの写真は、長時間シャッターを開きっぱなしにして、少ない光をたくさん取り込んでいるから、明るく写っているのです。
オーロラを写真で撮る場合、シャッターを開きっぱなしにしておかないといけないので、ブレ防止のため三脚は必須です。手持ちのコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)で撮影しようと思っている場合は、シャッターを開きっぱなしにできる機能が付いたものか、事前に確認しましょうね。
この機会に一眼レフを買っちゃうのもアリです。その場合は、レリーズ(カメラのシャッターボタンに取り付け、離れた場所からシャッターを切る道具)やリモコンを使用すると、シャッターを押す際のブレも解消できるのでお勧めです。
レンズも夜空を広く撮影できるよう、広角レンズを持っていきましょう。
以下は一眼レフのデジカメで撮影した写真です。ご参考まで、この時の設定値(絞り、シャッタースピード、ISO)もご紹介します。
オーロラを撮影するなら、カメラはもちろん一眼レフがお勧めですが、最近のコンデジは性能が良いので、シャッタースピードが数十秒から1分程度に設定できるものであれば、オーロラを写真に収めることも夢ではありません。ただし、繰り返しますが三脚は必須ですよ!