東京”都心”初の世界遺産「国立西洋美術館」はどんなところ？

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• 世界遺産「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の一部
•    「ル・コルビュジエの建築と都市計画」を構成する17の資産
•    ル・コルビュジエとは
• 日本で唯一のル・コルビュジエ建築
• 緑豊かな上野公園にたたずむ
•    UENO WELCOME PASSPORT
• 国立西洋美術館の基本情報

世界遺産「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の一部

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2016年7月17日、トルコのイスタンブールで開催された国連教育科学文化機関（ユネスコ）の世界遺産委員において、東京”都心”でははじめてとなる世界遺産が誕生しました。それが、上野にある「国立西洋美術館」です。単独での登録ではなく世界遺産「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の一部として登録されたもので、ル・コルビュジエが設計した7カ国計17作品が登録されました。このように大陸をまたいでの世界遺産ははじめてのこと。

「ル・コルビュジエの建築と都市計画」を構成する17の資産

• ヴァイセンホフ・ジードルングの住宅（ドイツ）
• クルチェット邸（アルゼンチン）
• ギエット邸（ベルギー）
• ラ・ロッシュ＝ジャンヌレ邸（フランス）
• ペサックの集合住宅（フランス）
• サヴォワ邸（フランス）
• ナンジェセール・エ・コリ通りのアパート（フランス）
• ユニテ・ダビタシオン（フランス）
• サン・ディエ工場（フランス）
• ロンシャンの礼拝堂（フランス）
• カップ・マルタンの小屋（フランス）
• ラ・トゥーレットの修道院（フランス）
• フィルミニのレクリエーション・センター（フランス）
• チャンディーガル（インド）
• 国立西洋美術館本館（日本）
• レマン湖畔の小さな家（スイス）
• イムーブル・クラルテ（スイス）

ル・コルビュジエとは

20世紀を代表する近代建築の3大巨匠のひとりで、スイス生まれのフランス人建築家です。20世紀の近代建築運動において大きな影響力を与えたことが、今回の世界遺産登録につながりました。建築家としての顔以外にも家具デザイナーとしての顔をもち、もしかしたらそちらの方で名前を知っている方も多いかもしれませんね。「椅子は座るための機械」との名言を残したル・コルビュジの椅子を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

日本で唯一のル・コルビュジエ建築

• 出典：commons.wikimedia.orgphoto By Takuro1202 CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons

ル・コルビュジエの建築物は世界各地に約70件が現存すると言われていますが、国立西洋美術館本館は日本で唯一のル・コルビュジエ建築物です。これは日本で唯一のみならず、東アジアでも唯一。完成したのは1959年（昭和34年）のことです。

特徴的なのは、一階部分を柱だけが支える「ピロティ」や、天井に配した三角窓。この窓から自然光がホールに取り込まれる構造になっています。これらの構造は現代建築に大きな影響を与えました。

そして渦巻きのように螺旋状に展示室を増やしていくことができる「無限発展美術館」構想も、国立西洋美術館本館の大きな特徴です。ル・コルビュジエが追求した「無限に成長する美術館」を実現した美術館は世界に3つありますが、国立西洋美術館本館が最も完成度が高い美術館であるとして評価されています。

緑豊かな上野公園にたたずむ

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国立西洋美術館があるのは、緑豊かな上野公園の一角。今回世界遺産に登録された本館以外にも、本館の背後には新館があります。新館が開館したのは、国立西洋美術館の開館20年にあたる1979年。ル・コルビュジエの弟子である前川國男が設計しました。

また国立西洋美術館の前には、ロダンの作品を中心とした彫刻作品が展示されています。前庭には無料ではいることができるのが嬉しい。

UENO WELCOME PASSPORT

上野公園やその周辺には、国立西洋美術館のほかにもさまざまな施設があります。そのうち東京国立博物館、国立科学博物館、上野動物園、下町風俗資料館、旧岩崎邸庭園、東京都美術館、朝倉彫塑館、書道博物館の9施設の常設展示などに利用期間中各1回入場できるパスポート「UENO WELCOME PASSPORT」が、国立西洋美術館世界遺産登録記念デザインで発売されます。利用期間は2016年8月15日（月）〜2017年1月31日（火）。

国立西洋美術館の基本情報

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• 住所：東京都台東区上野公園7番7号
• アクセス：JR「上野駅下車」公園口出口より徒歩1分、京成電鉄「京成上野駅」より 徒歩7分、東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」より8分
• 営業時間：午前9時30分～午後5時30分（金曜日は午後8時まで）
• 休館日：毎週月曜日（祝日の場合は翌日休館）、年末年始（12月28日～翌年1月1日）
• 入館料：一般430円、大学生130円（2016年7月現在）