ワシントンD.C.の春の風物詩といえば、何と言っても「桜」!日本顔負けの素晴らしい光景で、開花の時期になると地元の方はもちろん、全世界からの観光客で賑わいます。また、毎年行われる「Sakura Matsuri(サクラマツリ)」も大人気!大統領就任後のパレードが行われることで有名なペンシルバニア・アベニューが歩行者天国となり、日本ならではの屋台を楽しむことができるのです。でもなぜ日本?!日本人なら知っておきたい“その重要なワケ”や、桜が綺麗に見えるポイント、桜祭りの見どころなどをご紹介いたします。
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ワシントンD.C.の桜を侮るなかれ
「アメリカの桜なんて大したことないでしょ」なんて筆者も最初は思っていましたが、この光景を目の前にすると、良い意味で見事に裏切られます。
夏、秋、冬はなかなか気付きませんが、桜の咲く時期になると、ワシントンD.C.の観光名所ではあちこちに桜が咲き乱れます。
そしてこの時期にワシントンD.C.を訪れる観光客もたくさん!世界中の人たちが桜を見てはしゃいでいる姿を見ると、桜に感動するのは何も日本人だけではなく、全世界共通なんだなぁと実感するはず。
でも、この立派なワシントンD.C.の桜、実は日本人としてちょっぴり自慢したくなるんです♪
D.C.で見事に咲き誇っている桜のほとんどは【From Japan】!
ワシントンD.C.で一番見事に咲き誇っている桜のほとんどは「ソメイヨシノ」。そうなのです、実は日本から贈られた苗木から育った桜 なのです。今やその数なんと8,000本以上!古い桜は樹齢100年以上!
その経緯を遡ると、1800年代後期にまで戻ります。当時、アメリカの首都となったワシントンD.C.はポトマック川の埋め立てを始めましたが、これがなんとも殺風景…。
そんな殺風景な埋立地に「桜を植えよう!」と提案したのが、ジャーナリストのEliza Scidmore(エリザ・シドモア)で、それに応えたのが第27代大統領のファーストレディ Helen Taft(ヘレン・タフト)でした。2人とも来日した際に見た桜に感激し「これだ!」と思ったんだそう。
日本の桜風景がアメリカ人の心を動かし、今に至る…と思うと、なんだか嬉しいですね。
とは言っても太平洋を渡るのは当時は大変なこと…様々な苦難があったそうですが、1912年に贈られた3,000本のソメイヨシノの苗木は見事に成長!その後も度々ソメイヨシノが日本から寄贈され、今では8,000本以上になった、というワケです。
最初に日本から渡った桜はもう100年以上。すっかり「ワシントンD.C.の桜」として、市民からとても愛されています。
ゴミもブルーシートもありません、酔っ払いもいません
桜のあるワシントンD.C.の光景は、どこに行ってもとても綺麗です。敷き詰められたブルーシート、散乱するゴミはなく、酔っ払いも居ません。みんな純粋に桜やワシントンD.C.の光景を見て楽しんでいます。
もちろん、中にはランチボックスなどを持ってピクニックしてる人もいますが、日本ほど多くありません。また酔っ払いが居ないのは、アメリカでは公共の場でアルコールを飲むのは違法だからです(レストランや、屋外でも飲むために設置された柵の中などではOK)。
日本人は桜を見ながら公園で酒盛りをするのが大好きですが、アメリカではそれは出来ないので気をつけてくださいネ。
ワシントンD.C.で桜を楽しむならまずは【タイダルベイスン】!
ワシントンD.C.に数多くある桜の中でも、ハイライトは何と言っても【タイダルベイスンの桜並木】!ワシントンD.C.きっての観光地「モール」のすぐ南にあるので、アクセスも便利です。
ぶらぶら桜を見ながら散策するのも良いですが、タイダルベイスンの中でワシントンD.C.の観光としてもオススメの3箇所を、ぜひ押さえてみてください。
1:どこでも見える「Washington Monument ワシントン記念塔」と桜
ワシントンD.C.のシンボルとも言えるワシントン記念塔は、どこに居ても見えるので “見えるポイント” と言うのは、実は、特にありません(笑)。というより、どこから見てもパーフェクトなのです。
ワシントン記念塔が見える場所にはいつも桜が見え、まるで桜に囲まれているかのよう。
白亜の色と、桜の色、そしてワシントンD.C.の空の色、春の緑…なんとも言えない素晴らしいコントラストが楽しめます。
- ワシントン記念塔
- アメリカ / 観光名所
- 住所:2 15th St NW, Washington, DC 20024地図で見る
- Web:https://www.nps.gov/wamo/index.htm
2:水面に映し出される姿が綺麗な「Thomas Jefferson Memorial(ジェファソン記念館)」と桜
タイダルベイスン沿いにあり、風が穏やかな時であれば水面に映る姿も美しいのがジェファソン記念館。ジェファソンとは「トーマス・ジェファソン」、アメリカ独立宣言の起草者の一人であり、第3代大統領を務めた方です。
ジェファソン記念館を遠目に見ながら桜並木を歩いて近づいて行くと、とてつもなく大きな記念館であることがわかります。
神殿のような建物の中に入ると、奥はドームになっており、ジェファソンの像が。白い大理石とのコントラストが見事です。
このジェファソン記念館へ入るには階段を少し登るので、そこから見渡すタイダルベイスンの光景も必見です。
- ジェファソン記念館
- アメリカ
- 住所:701 E Basin Dr SW, Washington, DC 20242地図で見る
- Web:https://www.nps.gov/thje/index.htm
3:意外と穴場な「Franklin Delano Roosevelt Memorial(ルーズベルト記念公園)」と桜
ジェファソン記念館から北西へ徒歩10分ほど歩くとルーズベルト記念公園が見えてきます。ここはモールから歩くと一番遠い位置にあるせいか、あまり人が多くありません。が!ここも桜は見事です。
少し遠目から見るワシントン記念塔の眺めもまた格別。
ルーズベルト記念公園には、激動の時代を生きた第32代大統領「ルーズベルト大統領」の軌跡を表現したモニュメントがたくさんあります。
ルーズベルト大統領といえば「世界大恐慌をニューディール政策で立て直した人物」。大恐慌での飢えの象徴として “パンを買うために列に並ぶ5人の像” 、そして希望の象徴として“ルーズベルト大統領の演説をラジオで聴き入る市民の像” も。
また、ルーズベルト大統領は「第二次世界大戦の指揮をとった人物」でもあります。園内にあるモニュメントの一つには、とても印象に残る言葉が刻まれているものも。「I have seen war...(中略)… I hate war.(たくさんの戦争を見てきた…もう戦争は嫌だ)」。
- ルーズベルト記念公園
- アメリカ / 公園・動植物園 / 公園
- 住所:1850 West Basin Dr SW, Washington, DC 20242地図で見る
- Web:https://www.nps.gov/frde/index.htm