【兵庫】清酒発祥のまち「伊丹」の酒蔵通りを歩こう

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• 兵庫県伊丹(いたみ)市とは
• 伊丹酒蔵通りを歩いてみよう
•    有岡城跡(ありおかじょうせき)
•    白雪ブルワリービレッジ 長寿蔵
•    伊丹老松(おいまつ)酒造・老松の丹水
•    猪名野(いなの)神社
•    旧石橋家住宅
•    旧岡田家住宅・酒蔵
• おわりに

猪名野(いなの)神社

• 写真：ゆきたか

猪名野神社は、伊丹酒蔵通り北側にある神社です。延喜4年(904)に、尼崎の猪名寺から遷座した歴史ある神社で、祭神として猪名野坐大神(いなのにますおおかみ)が祀られています。

広い敷地の神社は、さきほど紹介した有岡城・町屋地区の北の端に位置しており、お城の北・西・南に置かれた3つの砦(とりで)のうち、岸の砦が置かれていた場所でもあります。

• 写真：ゆきたか猪名野神社の拝殿

住宅地にある神社の鳥居をくぐると、多数の石灯籠が並んでいます。この石灯籠は、酒造家や商人が寄進したもので、境内には全部で97基もあるそうです。木々に囲まれた道を歩けば、拝殿や本殿が見えてきます。拝殿には、伊丹に関係する酒造会社の酒樽も寄進されています。

猪名野神社では、一年を通して祭事が行われるほか、地元の方々による古本・クラフト・アート雑貨のお店が多数並ぶ「猪名野神社の市」も定期的に開催されています。

筆者が訪れた際も、オリジナルの雑貨やアクセサリー、古本、カレーやチャイなどのフード・ドリンクも販売されていました。猪名野神社の市は、2019年3月17日で10回目の開催となるそうです。

旧石橋家住宅

• 写真：ゆきたか

旧石橋家住宅は、江戸時代後期に建てられた商家を整備し、一般に公開しているものです。石橋家は、18世紀に猪名野神社の門前通りに移り、商売を始めました。明治時代からは、紙や金物の小売業をしながら酒造業を営み、その後は雑貨商を営んでいたそうです。

つし2階(二階の天井が低い建築様式)、塗りこめの軒裏、虫籠(むしこ)窓が特徴の、建築当時の外観を残す建物内では、土間や台所、座敷を見学できます。また、工芸作家の作品を展示・販売する「伊丹郷町クラフトショップ」も併設しています。

旧岡田家住宅・酒蔵

• 写真：ゆきたか

旧岡田家住宅は、旧石橋家住宅の西隣にある、歴史的建造物です。白壁に虫籠窓が美しい町家は、延宝2年(1674)に建てられたもので、兵庫県最古とされています。また、全国的にみても、年代がはっきりしている17世紀の町家として貴重なものだそうです。

この建物は、もともと、伊丹の酒造家松屋与兵衛が建てたものでした。与兵衛は、店舗北側に正徳5年(1715)ごろ、酒蔵を建設し、酒造業を拡大させました。しかしその後衰退し、所有者も何度か変わりました。

明治33年には岡田家のものとなり、以降は伊丹酒類興業、大手抦(おおてがら)酒造と引き継がれましたが、昭和59年に廃業し、この地での酒造りに幕を閉じました。

• 写真：ゆきたか旧岡田家住宅の外観。新酒ができたことを知らせる役割を持つ「杉玉」が吊るされている。

旧岡田家住宅は、平成14年に国の重要文化財に指定され、その後解体修理を経て、平成13年に一般公開されました。建物内では、酒造りの道具の展示、資料や映像による伊丹の酒造りの歴史の解説が行われています。

おわりに

伊丹酒蔵通りはいかがでしたか？通りを歩けば、カフェや量販店の外観に瓦が使われていたり、町屋風の建物で営業していたりして、景観に配慮していることがうかがえます。雰囲気の良い町並みを眺めながら、散策を楽しんでみてくださいね。

• 伊丹酒蔵通りへのアクセス：JR福知山線「伊丹」駅、阪急伊丹線「伊丹」駅からすぐ。