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歴史を感じられる場所
東ティモール・レジスタンス博物館 (The Archives & Museum of East Timorese Resistance)
ポルトガルによる領土化とインドネシアによる併合・圧制、そして東ティモールの抵抗と独立までの激動の軌跡を知ることのできる博物館です。
東ティモールという極めて小さな国が、他国による支配でどれだけの苦悩に直面していたかを知るうえで、とても貴重な写真やビデオを展示しています。
これが高々20年前の出来事かと思うと、同じアジア人としては非常に悲しい歴史です。東ティモールを訪れたら、必ず立ち寄ってほしい博物館です。
- 東ティモール・レジスタンス博物館
- 東ティモール / 博物館
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サン・アントニオ・モタエル教会(Church of Saint Anthony of Motael)
ディリ中心部から海沿いを西へ歩くと、クラシックなデザインの教会が見えてきます。
ポルトガル植民地時代に建てられた、東ティモールで最古のローマカトリック教会です。最初の建物は1800年頃に建てられましたが、幾度か破壊され、現在の建物は1955年に再建されたものです。
この教会は、歴史の転換点になった重要な場所でもあります。1991年10月、インドネシアの占領に反対するデモを起こした若い独立活動家セバスチャン・ゴメスは、身を潜めていたこの教会でインドネシア治安部隊に射殺されました。
1991年11月、ゴメスを追悼したのち、この教会前でデモが始まり、サンタクルス事件が発生したのです。
サンタクルス事件とは、こちらの教会を出発した独立を求める一般市民のデモ行進に、インドネシア軍が無差別発砲して大量の死者を出した事件です。
この一件より、東ティモール問題は国際的な大事件へと発展し、世界中の人々の関心を寄せ始めました。そして、一気に独立の機運が高まったのです。
- サン・アントニオ・モタエル教会
- 東ティモール / 教会
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自然を感じる観光名所
クリスト・レイ (Cristo Rei)
ディリの東端ファツカマ岬に建つ、世界で3番目に大きいキリスト像です。1番はブラジル、2番目はポルトガルなので、アジアでは最も大きいキリスト像(高さ27メートル)となります。ポルトガルの植民地時代が長かったため、東ティモール人は敬虔なクリスチャンが多いです。
後述するクリスト・レイ・ビーチの脇に階段があります。およそ500段ほどあり、地元の人が走って昇降する姿をよく見ます。体を鍛えるのに恰好な階段のようですが、一年を通して常夏のため、体力がないと500段は結構な厳しさです。
途中にはレリーフや祭壇があります。
キリスト像も大きく圧倒的ですが、ここからの眺めがとにかく素晴らしいです。
クリスト・レイ・ビーチ(Cristo Rei Beach)
クリスト・レイから西側を見下ろす位置にあるビーチです。真水のように綺麗な海水ですが、あまり泳いでいる人を見かけません。
- クリスト・レイ・ビーチ
- 東ティモール / ビーチ
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Dolok Oan
クリスト・レイから東側を見下ろす位置にあるビーチです。地元の人々が漁をする姿が見られ、ディリで一番美しいとされていますが、やはり泳いでいる人は皆無です。
魚や貝を獲る地元の人がいる程度です。
アリア・ブランカ・ビーチ(Areia Branca Beach)
ディリ市街地からクリスト・レイへ向かう間にあるビーチです。近くに何軒かホテルもあり、地元の人から欧米の観光客まで多くの人々が集います。ここでは多くの子供たちが泳いでます。
日中でも人はいますが、夕方になるとさらに人は増え、家族連れなどでにぎわいます。
夕焼けも美しく、暑かった日中の疲れを癒し明日の原動力へと誘ってくれます。
- アリア・ブランカ・ビーチ
- 東ティモール / ビーチ
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ディリの人々の生活
休日に開催される青空マーケット
休日は、ディリのあちこちでマーケットが催されます。東ティモールのお土産になりそうなものも売られています。
地元の人で賑わう海沿い遊歩道
首都ディリ中心部は、海に面して長く遊歩道が続きます。思い思いに過ごす地元の人々が、ゆったりとした時間を楽しんでいるようです。
昔から受け継がれてきた美味しいコーヒー
東ティモールにおける植民地と侵略の歴史のなかでも、ずっと変わらずに続けられてきた唯一の産業が、コーヒー豆の有機栽培です。農薬を買うお金のない農民が昔ながらの有機栽培を続けており、品質が高いうえにコーヒーは手摘みされるなど、丁寧な製法で作られています。筆者はコーヒー好きですが、有機コーヒーの美味しさはディリへ来て初めて知りました。
これらのコーヒーは、豆も挽物もスーパーなどで安価(日本円で250g300円〜500円)に売られていますので、是非購入して、おうちでティモールコーヒーを!
東ティモールの通貨
東ティモールの通貨は米ドル主体です。1米ドル以下の小銭は、「センタボ」と呼ばれる東ティモール独自の通貨を利用します。
市内の移動はバスが安くて便利
東ティモール内での交通手段は、バスかタクシーです。
タクシーは交渉次第ですが、外国人の利用客は法外のお金を取られることもあるそうです。一方バスはディリ市内どこへ行っても25センタボ(およそ30円2020/11月現在)ですので、安くて便利です。地元ではこちらのバスを「ミクロレット」と呼んでいます。
東ティモールへの行き方
日本からの直行便はなく、インドネシアのデンパサール、又はシンガポールを経由して行きます。
最後に
東ティモールは、長く続いた圧政で産業も育たず、アジアの中でも貧国にカテゴライズされており、派手さや煌びやかさは皆無です。観光客が喜びそうなグルメやショッピングもありませんが、ただただ自然を堪能し、のんびりと過ごす。どこまでも自然に溶け込み、人間本来のシンプルな生活を体験できる国ですので、ぜひ一度、激動と静寂を経験しに訪ねてみてください。