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【オーストラリア】正真正銘のゴーストタウン!週2回だけ人々が訪れる超僻地クック

取材・写真・文:

宮城在住
訪問エリア:35ヶ国

2024年3月14日更新

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写真:dory

オーストラリアのほとんどの都市は海沿いに広がっていますが、アウトバック(オーストラリア内陸地域のこと)にも町はたくさんあります。そんな中で、最も隔離された僻地にある町クックをご存知ですか?大陸横断鉄道インディアン・パシフィックに乗って訪れることができる町の栄枯衰退の歴史を感じましょう。不思議な町クックをご紹介します。

この記事の目次表示

超僻地クックってどこにあるの?

オーストラリア南西部の南オーストラリア州と西オーストラリア州の境界線にほど近い、ナラボー平原のど真ん中に位置しているCook(クック)。

  • 写真:dory見渡す限り何もないナラボー平原

列車の線路が開通し、ここに駅が出来たことで発展してきました。周辺には何百キロと平原が広がっていて、見渡す限り何もありません。

  • 写真:doryカルガリーまで何もないことを注意する看板
  • 写真:doryどれだけ僻地であるかがわかる方位盤

クックの次の停車駅であるKalgoorlie(カルガリー)まで、食品補充や給油できる場所は一切ありません。その距離はなんと862km!また、舗装された一番近い道路であるEyer Highway(エアー・ハイウェイ)までは105km、一番近い町のEUCLAまでも264kmもあるのです。

列車を起点に発展した町

クックは1917年に鉄道の交換駅が出来たことで発展し、ここを起点に沿線地域に町がつくられていきました。現在も貨物列車や大陸横断鉄道が通っています。

  • 写真:dory

大陸横断鉄道が走る南オーストラリアのOoldea(オオールデア)から西オーストラリアのLoongana(ローンガナ)まではどこまでも続く直線で、その長さ478kmの直線鉄道軌道は世界一なんです。

  • 写真:dory1917年に線路が繋がったことを示している看板
  • 写真:dory世界最長の直線を示す

過去の繁栄

鉄道開通後、この地域の生活物資のすべてはティーシュガートレインという電車によって供給され、クックは周辺や沿線地域においても大きな役割を果たしていました。多くの人が住み着き、列車には贅沢品や映画館などの娯楽、銀行や看護師までも乗ってやってきたそうです。

  • 写真:dory学校があった名残を感じる風景
  • 写真:dory以前使用されていた牢屋

町として大きくなると学校や牢屋なども整備され、その施設などの名残は今でも見ることができます。

  • 写真:dory28年間鉄道員として働きCookで生涯を終えた男性

この町で生き、この町で生涯を終えた鉄道員についての書かれたペインティングも見られました。

そして今...

長きにわたってアウトバックを支えてきたティーシュガートレインは1996年にその役目を終え、沿線に広がる居住地も次々と閉鎖されます。

  • 写真:dory

クックは鉄道が民営化された1997年に閉鎖されました。現在も町で暮らす人はいるものの、人口はたったの4人です。ディーゼル燃料補給施設は現在も残されており、列車運転手のための宿舎も存在しているそうです。

  • 写真:dory

現在はシドニーとパースを週に1往復する大陸横断鉄道のインディアン・パシフィックが停車し、週2回だけ人々が訪れます。ここからの乗降車は不可ですが、乗客は一時停車中に降りることができ、住民が売るお土産物を購入したりすることが出来ます。

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この記事を書いたトラベルライター

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元海外在住、元外資系豪華客船員ライター。学生時代からふつふつとしていた旅欲を満たすため、年々フットワークが軽くなり国内外問わずあちらこちらにすぐ顔出します!定番から少しだけ外れてるけど、マニアック過ぎない、いつもより少し旅を楽しくするノウハウお伝えします!
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