鳥取県八頭郡若桜町に建つ、「昭和おもちゃ館」。明治時代に建てられた古民家を利用した建物内では、昭和時代の記憶が色鮮やかに蘇る生活風景や、ブリキの玩具や貴重なコレクションの数々、懐かしい駄菓子を楽しむことができます。今回は、昭和にタイムスリップしたかのような気分を味わえる「昭和おもちゃ館」についてご紹介します。
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昭和おもちゃ館とは?
平成24年3月にオープンした「昭和おもちゃ館」は、城下町や宿場町の面影を色濃く残している鳥取県八頭郡若桜町の若桜宿に建っています。
明治14年に建てられた古民家を利用しており、若桜の建物の特長である仮屋(かりや)と呼ばれる長い庇など、歴史ある街並みに溶け込んだレトロな外観も楽しめます。
館内は、懐かしい駄菓子やオモチャが販売されている入館無料の1階売店コーナーと、昭和の生活風景や、年代物の貴重なコレクションを楽しめる1階奥と2階の有料コーナーに分かれています。
レトロな空間で昭和の時代にどっぷりと浸れる、「昭和おもちゃ館」の見どころや楽しみ方を5つご紹介していきます。
【1】懐かしい駄菓子やオモチャがいっぱい!売店コーナー
仮屋に取り付けられた「昭和おもちゃ館」の看板を通り過ぎると、店頭には数多くの駄菓子やオモチャが販売されています。
お菓子やオモチャがずらりと並んでおり、もちろん子供も大喜びですが、こちらのコーナーでは大人の方が大盛り上がりです。
「あれ、小さい頃に食べた!」や「これ、見たことある!」、「懐かしい!」などの賑やかな声が飛び交います。
売店コーナーは入場無料のコーナーなので、どんなお菓子が売られているのか気軽に見ることができます。大人も童心にかえって、子供と一緒にお買い物を楽しんでみて下さいね。
【2】昭和の生活風景を楽しもう!
売店コーナーの奥からは有料コーナーとなっており、明治に建てられた古民家へと入ることができます。
1階では昭和を中心に活躍してきた道具の展示や、実際に懐かしい遊びを体験できたり、昔の雑誌などを読むことができます。
実際に使われていた品々を譲ってもらって再現された生活空間は、昭和へとタイムスリップしたかのような気分が味わえます。
昭和時代の人々にとっては大変懐かしく、平成時代の人々にとっては映画やアニメなどで見たことがある古い道具を実際に見ることができ、幅広い年代の方がそれぞれの視点で楽しめます。
【3】レトロなオモチャを見て楽しもう!
2階へと続く階段を上っていくと、今では見かけることが少なくなったブリキのオモチャのコレクションが飾られています。
ブリキ機械玩具の誕生は19世紀初めごろとされていて、文明開化とともに輸入されたブリキ材料は、当時の日本のおもちゃの世界に革命をもたらしました。
明治10年代までは、ガラガラやラッパなど様々な物がブリキで作られるようになり、大正時代にはゼンマイを使用した乗り物玩具、昭和には玩具産業は更に発展を遂げ、機械がより複雑化した玩具が増えていきました。
昭和初期には、音響や発火という動作を取り入れたものが作られ、昭和20年代後半から30年代にかけては電動玩具が開発され、デザイン性にも優れ、バッテリートラクターやトロリーバスなどの高級なものがおもちゃ屋の店先を飾るようになりました。
昭和30年代後半になると、テレビで放映されたキャラクターのロボットなどが登場し、鉄腕アトムや鉄人28号、オバQなどが主に作られました。
日本の玩具界の先頭を走ってきたブリキ玩具ですが、昭和40年代に入ると、次第にプラスチックの玩具へと移行していき、明治時代から続いた歴史に幕を閉じようとしています。
現在では、ほとんど見かけることがなくなった貴重なブリキのオモチャの数々を、ぜひじっくりとご覧になっていかれて下さいね。