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アフリカ料理というと、どのようなものを想像しますか?クスクス?ウガリ?西アフリカのガーナには、どちらもありません。ガーナと聞いて何を思い浮かべますか?チョコレート?カカオ?しかしガーナの庶民の間では、チョコレートやカカオはほとんど食べられていません。ではガーナでは一体どんなものが食べられているのでしょうか。ガーナの3大国民食「ワチェ」、「バンクー」、「フフ」を紹介します。
ガーナ料理は基本的に、1種類の炭水化物に1種類のスープまたはシチュー(煮込み料理の総称)。スープおよびシチューはどれも唐辛子がたっぷり含まれていてスパイシーです。そして最も特徴的なのは、どの料理にもトマトが含まれていること。
ガーナのトマトは味が濃くてとっても美味しい!太陽光をたっぷり浴びて、野菜本来の味がするトマトがたっぷり入ったガーナ料理を味わってください。
ガーナ料理はどれも似たような感じですが、意外と種類が多いのが魅力。今回はその中から、ガーナで最もよく食べられている食事のベスト3に絞ってご紹介します。
「ワチェ(Waakye)」は朝ごはんの定番。お赤飯のような、お米と小豆を一緒に炊いたものです。
ワチェの豆ご飯に、トマトシチュー、そして「シト」と呼ばれる辛いソースをミックスして食べます。シトとは、「食べる鰹節」みたいなもの。乾燥した魚とエビの粉末を各種スパイスと一緒に油で煮込んだものです。このシトがなかなか美味しく、ワチェは結構日本人の口に合います。
そしてオプションでスパゲッティとサラダをつけるのが一般的。さらに「ガリ」という乾燥キャッサバの粉や、ゆで玉子、フライドフィッシュまたはチキンも付けることができます。
辛さはシトの量で調節できます。辛いのが苦手な人は、オーダーする際にシトの量も伝えましょう。減らしすぎると味がしなくなってしまうのでご注意を。
なお、ワチェは大概午前中で売り切れてしまいます。ガーナ人にとってワチェは「朝に食べるもの」。昼過ぎ以降は、見つけるのが難しくなるのでご注意を。
1人分は全部で大体2~5セディ程度(約60~150円)。お米が1セディ(約30円)。オプションはそれぞれにお金がかかります。1オプション50ペセワ(約15円)から。チキンやフィッシュは1~2セディ(約30~60円)。
「バンクー(Banku)」は、朝から晩までいつでも食べられます。
キャッサバ(イモみたいなもの)とメイズ(甘くないとうもろこし)を発酵させたものを、お湯で練って大きな団子状にしたもの。ガーナで最もよく食卓にあがる主食です。発酵食品なので、味も匂いも酸っぱく、初めて食べる日本人はちょっと苦手と感じるかもしれません。
バンクーを手で食べやすい大きさにちぎって、スープやシチューにつけて食べます。最も一般的なのは、「オクロシチュー」と呼ばれるオクラを魚やスパイスと一緒に煮込んだシチュー。オクラはガーナの言葉で「ンクルマ」と言いますが、これが「オクラ」という英名の語源になっているそうです。
ガーナのオクラも、トマトと同様、野菜の味が濃くてとても美味しい!オクラを食さずに、ガーナからは帰れません。
バンクー1人分は1セディ程度(約30円)。これでシチューやスープ込みの値段。チキンやフィッシュは別途2セディ程度(約60円)。
なお、「ケンケ」という食べ物もあり、バンクーによく似ています。違いは、ケンケの材料にキャッサバが含まれていないこと。運悪くバンクーに巡り合えず、ケンケしか売っていないという場合は、ケンケを試してみても良いでしょう(日曜日だとそういうことがあります)。
「フフ(Fufu)」は、キャッサバとプランテーン(食用バナナ、甘くなる前の緑色のもの)を茹で、それを臼と杵でついて、捏ねて丸めたもの。
そう。なんと、日本の餅つきと同じ手法で作るのです。だから食感も餅のようにモチっとしています。フフは作るのに時間がかかり、日常でも食べられますが、特別な行事のときに振る舞われることが多い食べ物です。そのため、バンクーよりもお目にかかれる頻度は低めです。
フフはスープに浸して食べます。「ライトスープ」という、具のないミネストローネのようなものや、「グランナッツスープ」というピーナッツペーストがベースのスープ、そしてパーム油がベースの「パームナッツスープ」があります。
個人的にお勧めは「グランナッツスープ」。濃厚なピーナッツの風味がとても良く、クセになります。なお、これらのスープはミックスもできます。
なおガーナでは、チキンは骨まで食べます。
1人分3~4セディ(約90~120円)程度。他のガーナ料理と同様、チキンやフィッシュは別途2セディ程度(約60円)。
国民食なだけに、どの街へ行っても食べることができます。ローカルフードを食べるには、以下の3つの方法があります。
ビニール袋に入れてくれます。ベンチの置いてある屋台の場合は、その場で食べることもできます。お店の人にオーダーする前に申し出てみましょう。
「チョップバー」はいわゆる大衆食堂。その場で食べることができます。よりローカル感を味わえます。
屋台裏で食べるのと違う点は、チョップバーのほうが設備がしっかりしている点。屋台だと、机どころか屋根も壁もないこともあります。どちらもガーナっぽさを味わえて良いですよ。
道端で仲良くなったガーナ人に食事に呼ばれることは、珍しくありません。お言葉に甘えてごちそうになっちゃいましょう。ただし、怪しいと思ったら絶対について行かないように!そして、お腹に自信のない人にはおすすめしません!
思い思いの場所で、ガーナ料理を堪能してください。
ガーナでは多くの食べ物は手で食べるのが一般的。ワチェにはスプーンを出してくれますが、バンクーやフフは手で食べましょう。ガーナ料理は、なぜか手で食べた方が美味しく感じるのです。
どうしても手で食べるのに抵抗がある方は、お店の人に頼んでスプーンを出してもらうこともできますが、やはりローカルフードはローカルルールに従って食べるのがベストです。
食事の際、近くにガーナ人がいたら必ず「You are invited!(一緒に食べよう)」と一声かけましょう。これはガーナでのマナーであり、本当に彼らが食事に手を出してくることはないのでご安心を。
スープやシチューは辛さを調節できませんが、辛さを調節できるものもあります(ワチェのシト等)。辛いものが苦手な人はオーダーするときに「スモールペペ(唐辛子は少なめで)」とお願いしましょう。
上記のような奇抜な食べ物はちょっと苦手…という方も、ご安心を。ご紹介したもの以外にも、日本人のお口に合う食べ物もあります。
ガーナではお米もよく食べられています。お米は、白米ならトマトシチューと一緒に食べられます。また、フライドライス(チャーハンのようなもの)またはジョロフライスというケチャップライスのような食べ物もよく道端で売られています。さらに、「インドミ」と呼ばれる焼きそば等も若者に人気です。
今回ご紹介したもの以外にも、「アンペシ」、「ココンテ」、「TZ」など…ガーナには日本では見られない珍しい料理が色々あります。いろんなガーナ料理にチャレンジしてみてください!
トラベルライター
ほぼガーナ人・ときどき信州人
Adjoa(アジュア)はガーナで月曜日生まれの女子の名前。
ガーナでは、生まれた曜日によって名前が決まります。
そんなガーナの魅力を多くの人に知ってもらいたい!
ガイドブックには載っていないガーナのおもしろ観光情報を発信していきます!
どうぞよろしくお願いします★
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