トラベルライター インタビュー

Vol.2|2018.04.06

ご自身の旅行の経験を元に、おすすめの旅先の情報を記事として執筆いただく、トリップノートのトラベルライター制度。
現在、150名(2018年3月現在)を超える方に登録していただいていますが、そんなライターさんの素顔に迫るこちらのインタビュー企画。
トラベルライターとして心がけていることや、記事作成のコツ、どのような旅行をされているのか等、たっぷりお話しを伺います!

第二回 bluemoonさん

  • 2016年6月デビュー、東京都在住
  • 2016年年間2017年上半期のトラベルライターアワードを受賞
  • これまでの旅行先:海外は、北米のほかにアジア、ヨーロッパ、オセアニアなど幅広く16ヶ国。国内は全国まんべんなく34都道府県とかなりの行動範囲!お仕事での出張も多いそうです。
  • 旅行が好きになったきっかけ:bluemoonさんのお母さまがとても旅行好きで、小さな頃から頻繁に旅行をされていたとのこと。お仕事を始めてからは仕事での出張なども多く、現在は関西方面に足を運ばれることが多いそう。

bluemoonさんといえば、切っても切り離せないのがニューヨーク!執筆していただいた記事50本、すべてがニューヨークの記事なんですよね(2018年3月現在)。ニューヨークに限らず、旅行はお好きなんですか?

グラフィックデザインの仕事をしていることもありまして、旅行のガイドブックを制作したり、撮影などで各地に出張するなど、仕事でも旅行に関わる経験が多かったんです。またデザイナーという職業柄、海外に行って刺激を受けるというのも重要なエッセンスになるので、プライベートの旅行であっても仕事に結びつくことが多く、そういう意味でも旅行は好きですし、大事だなと実感しています。

そもそも、bluemoonさんとニューヨークのつながりは、どういう形なのでしょうか?

まず、初めての海外旅行がニューヨークだったんです。20年以上前のことなので、まだ地下鉄が危険で乗れないような時代で。その時に、あまりにも今まで生きてきた環境と違いすぎてショックを受けると同時に、ものすごくパワーを感じたんです。それで「ここで働いてみたい!」と思いました。 ただそういう夢はあったものの、そんなに簡単なことではないので、日本で仕事をしながら「いつか行けたらいいな」と思っているような状態でした。そのうち、仕事上でも海外のお客様と英語でやり取りをすることが増えてきて、海外で仕事をしたいなという気持ちが高まってきたんです。そこで30歳を過ぎたあたりに、決心してニューヨークに住むことにしました。

観光で行くのと、実際に住んでみるのとでは、印象が違う部分もあると思いますが、移住した当初はいかがでしたか?

観光で何十回も来て、下調べも徹底的にしてきたのに、住んでみたら本当に苦しくて辛くて…。なんでこんな場所に来てしまったんだろうと、毎晩泣き明かすくらい馴染めなかったですね。 結構神経質なタイプではあったので、例えば水が汚いとか、地下鉄がなかなか来なくて仕事に遅れるとか、最初は生活習慣が合わなかったんです。ニューヨークのいろんな意味で、フランクで適当なところにイライラしてしまって。あとは、英語もそこそこ話せるつもりだったんですが、日常生活になるとものすごいスピードでの会話になりますし、その慣れない中で仕事もしなければいけないということで、神経がすり減ってたんだと思います。

その状態から、ニューヨークに馴染んだのは、何かきっかけがあったんですか?

ニューヨークの魅力の一つかもしれないのですが、街の人がどこでもフレンドリーに話しかけてくれるんですよね。地図を広げて困っていたりすると、「どうしたの?大丈夫?」とか、ほんのちょっとでも悲しそうな顔して電車に乗っていると、「何か嫌なことでもあったのかい?」みたいな!日本ではまずないですよね。何気ない会話をしているうちに「自分もこういう風に大変だったんだ。だからさ…」みたいな話もされて、悩んでいるのは私だけじゃなかったんだ!と気づかされたり。そういう風に元気をもらって、私も頑張ろうって思っているうちに、だんだんと慣れることができました。

マンハッタンで暮らし始めた頃、部屋の窓から見えていたエンパイアステートビル。こんな絶景なのに、写真を撮る気になれないほどNY に馴染めなかった頃の写真です。(当時、窓から見えるエンパイアの写真は3 枚くらいしか撮影してませんでした。苦笑)

ニューヨークで数年過ごされたのち、現在はニューヨークと日本をお仕事で行き来しているということですが、すでにお仕事もお忙しい中で、トラベルライターに応募していただいたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

私はブログを10年以上やっているんですが、そのブログの読者さんの中にトラベルライターをしているという方がいらっしゃいまして。その方に、ブログで書いているよりも、ニューヨークの情報を求めている人に向けて、そういう場所でしっかり書いた方が良いんじゃないかというアドバイスを貰ったんです。ブログだと不特定多数の方には見て頂いている実感はあったんですが、「ニューヨークの情報をちゃんと知りたい」という方には発信できていないな、という思いもありまして。発信できる場所を探して、辿り着いたという経緯があります。

そういう形でご縁があったとは、大変ありがたいですね。ニューヨークに絞って書かれているのは何か理由があるのでしょうか?

実は当初はニューヨークに限らず、いろいろなエリアの記事を書こうと思っていたんですが、なかなか執筆が進まなかったんです。ところが、なぜかニューヨークのことだとスラスラ書けてしまって。ひとまず書けるところからと思っていたら、いつの間にかニューヨークの記事ばっかりになって、そのうち徐々にニューヨークの記事を書いていこうという意識になりました。私がデビューした当初は、トリップノート上にはニューヨークの記事が少なかったので、やはりニューヨークが好きということもあって、記事数をもっと増やしたいな、との思いもありました。

お気に入りの雑貨屋さんで、鏡に自分が写り込んでしまっていた写真。

そういういきさつがあったのですね。bluemoonさんの記事はガイドブックにはないけれども、観光客が喜びそうな情報も多いですよね。どのように記事テーマを集めているんですか?

情報を自分から集めている、というよりは、集まるようにしています。ニューヨークの最新情報が届くように、メールマガジンに登録したり、あとはニューヨークに住んでいる友人と頻繁にやり取りしていますので、向こうから積極的に教えてくれることもあります。
あとはその中から、なるべくガイドブックには書かれていないスポットや、新スポットを選ぶようにはしています。カメラは常に持ち歩いているので、記事に良さそうだなと思ったら、フットワーク軽く撮影したり。実はティファニーのオープンについても全然知らずにいたのですが、現地で偶然ニュースを見て、タイミングが良いから寄ってみようという形で記事にしたものだったんですよ。

超話題沸騰中!ニューヨーク5番街・ティファニー本店4Fの魅力♪

編集部からのコメント

オープン直後のタイミングでの記事公開ということもあり、飛躍的にアクセスを伸ばしたこちらの記事。写真をたくさん使用していただいていますが、配置が考え尽くされていて、さらに「この写真ではこんな情報を伝えたい」という意図がはっきり伝わってくるので、夢中になって記事を読み進めてしまう魅力があります。美しいカフェにもうっとりしますね。

数あるスポットや情報を見て、記事に向いてそうとピンとくるところもすごいと思うのですが、なにか基準のようなものはありますか?

まず読者に喜んでもらいやすいテーマとしては、食べ物系の中でもスイーツとか、あとは日本で手に入らないブランドなどがあると思います。あとは私が10年以上やっているブログの中で、読者の方がニューヨーク旅行に行く際に「M&M’sでお土産を買うなら、どんなものが良いですか?」といような具体的な質問をしてくれることが多かったので、ニーズが分かっているというのもあるかと。「今度行った時に調べてこよう!」とそういう質問をストックしておくと、次に訪れた際の行動も決まりやすいので、そこから記事につながることが多いですね。そういう意味で今までのブログの経験が、現在の記事テーマを決めることにとても役立っていると思います。

ブログ上の密なコミュニケーションが、現在にも活かされているんですね。執筆時に気をつけていることはありますか?

なるべく細かい情報まで、入れ込むよう工夫はしています。例えば、トイレについてや、現地の人しか知らないセールの情報だったり。住んでいないと分からないような細かい情報も、きちんと読者に伝えたいなと意識しています。
あとは、やはり文字量が多すぎたり、写真が大量に連続で続くような形ですと、読者が疲れてしまうと思いますので、すんなり読めて、読んで良かったなぁと思ってもらえるような、ニーズに合った情報がまとまった記事になるよう、心がけています。この点はものすごく気をつけていて、毎回何度も読み返すようにしています。

記事全体のバランスの考え方は、さすがプロのデザイナーさんならではですね。執筆に関しては、悩んだりする部分はありますか?

実は、タイトルは毎回悩んでいます。悩みはしますが、まずはタイトルをつけてから、執筆するようにしていますね。タイトルに使うキーワードに関しては、検索した際のヒットのしやすさなども考慮して、入れたいキーワードをいれつつ、文字量もおさまるよう、バランスを意識しています。
本文は、書き始めるとそこまで悩むということはないのですが、自分が行ったときの情報と、サイト上の情報にギャップがあった場合などは、お店に直接コンタクトを取って問い合わせるようにしているので、確認作業に時間がかかることが多いです。そこは、やはりアメリカなので。そういう時は、また違う記事を書いたりしています。私の場合は、一気に記事を書き進めるということはなくて、複数の記事を少しずつ書いているのですが、こまこま書いた方が結果的にスムーズに進められる気がします。

ブルックリンに住んでいた頃、部屋の窓から非常階段をよじ登ると屋上へ出られて遠くにマンハッタンを眺めることができました。

bluemoonさんは、飲食店のご紹介記事などには動画なども一緒に貼られている印象ですが、どのようなお考えで動画も組み合わせているのでしょうか?

まず入れようと思ったのは、自分の情報だけではどうしても足りないかなと感じることがあるからです。例えば、写真を撮り忘れたり、店内の雰囲気など、どうしても動画じゃないと伝わらない部分もあったりするんですよね。 You Tubeには良い動画がたくさんあるので、動画と写真の相乗効果でより良い記事になるのであればと思って使っています。やはり動画が使えるのは、Webメディアならではの良さですよね。

その観点も非常にデザイナーさんらしいお考えですね。では最後に、日々お忙しいと思いますが、トラベルライターのやりがいを教えてください。

自分の知っている情報を人のために発信できるということと、大好きなニューヨークのことを発信できるということが、単純に嬉しくて、やりがいがあると感じています。アクセス数を見て、読んでいただいている方がいるんだなと実感したり、いつもお気に入りをしてくださっている方がいると、「いつも本当にありがとうございます」と直接お礼を言いたいぐらいの気持ちになります。すごく嬉しいですよね。あとは、編集部の方が最初に読んでくれて、率直な感想を伝えてくれるというのも、やはりモチベーションに繋がっています。
今まで仕事が忙しくて、何度もこれは本当に時間が割けないかもしれないと思うことがあったのですが、やはり書く度に嬉しい反応も多いので、頑張って続けたいなと。とにかくトリップノートがある限り、執筆は続けていきたいです!

bluemoonさんが自らチョイス!マイベスト記事

海外記事

驚きの1ドル生ガキ?! NYのオイスターバー&“オイスター祭り”で旬の牡蠣を食べ尽くし!

2016年10月公開

お気に入りの理由は?
ニューヨークに住み始めてまだ1〜2ヶ月のときに、こちらのオイスター祭りに行ったんですが、心が病んでいた時だったので(笑)、非常に思い出深いイベントです。ニューヨーク郊外のすごく良い場所で、当時はネット上には情報がなく、ニューヨーカーも知らないようなイベントだったので、こちらの記事にまとめることができて良かったなと思っています。
編集部からのコメント
「生牡蠣が死ぬほど好き」とおっしゃるbluemoonさん。オイスターバー&お祭りの組み合わせで、充実したご紹介です。イベント紹介だけですと、記事が閲覧される時期が限られる可能性もありますが、お店のご紹介と組み合わせて読み応えのある記事に。ちなみに、ニューヨークで生牡蠣を食べる際に、鮮度などの心配は全くないとのことですよ。

海外記事

イヤホンで永遠の愛を誓う?!ゴンドラからスパイダーマン気分?NY流・橋の楽しみ方

2017年4月公開

お気に入りの理由は?
思い入れがあるのが、マンハッタンとルーズベルトアイランドを結ぶゴンドラ。ニューヨークに住んでいた時は、辛いことがあったらよく乗りに行っていました。マンハッタンの中で揉みくちゃになった時は、ちょっと離れたところからニューヨークを眺めると「私、今ニューヨークにいるんだな」と客観視できて、また気力が湧いてくるんです。
編集部からのコメント
映画やドラマのワンシーンなどにもよく使われているマンハッタンにかかる橋の数々ですが、見どころや行き方なども丁寧に解説しているので、非常に親切な記事に仕上がっています。橋を渡りながら楽しめるポイントや、立ち寄れるスポットなども紹介されているので、ゴンドラに乗るのはもちろん、ぜひイヤホンを持って訪れてみたくなりますね。

編集部が独断で選ぶbluemoonさんのオススメ記事

知らないと損をする!ニューヨークで楽しめる珍イベント&見所5選!

2017年7月公開

編集部からのコメント
イベント記事は時期が限られることもあり、書く側も読む側もタイミングが難しい傾向にはありますが、イベントを一気に5つ紹介することで、読者に「どれかに行けるかも」と思ってもらえる読み応えある記事に仕上がっています。またチョイスしているイベントが実にニューヨークらしく、見る価値のあるイベントばかりというのもポイントですね。
グルメの街NY!ディナーで行きたいレストラン・世界のグルメ5選!

2017年10月公開

編集部からのコメント
やはりニューヨークで楽しみたいのはグルメ!こちらの記事では、写真をたっぷり使用して頂き、お店の様子や価格帯、おすすめのメニューまで知ることができ、良質なお店ばかりという印象です。日本ではなかなか馴染みのないレストランウィークの紹介もあり、食べ歩き旅行派にはたまらない情報ばかり。ここまで充実していると初訪問でも安心です!

さいごに

とても柔らかな口調で、笑顔でご自身のニューヨークでの体験を色々とお話いただいたbluemoonさん。言葉の端々から、「ニューヨーク愛」が感じられて、そんなbluemoonさんだからこそ書くことができる、ニューヨークをいろんな方に好きになってほしい、という思いが詰まった記事なのだなぁと納得しました。
ニューヨークのお土産記事などは多彩な切り口で書き分けていたり、現地の人しか見つけられないようなグルメ情報があったり、はたまた最新トレンドがチェックできたり…ニューヨークに行ってみたいと計画中の方から、よく足を運んでいる方にとっても、新しい情報に出会える記事ばかりだと思います。ぜひ他の記事もチェックしてみてくださいね!

編集部は見た
bluemoonさんってこんな人!

デビューから一貫してニューヨークの記事を書き続けているbluemoonさん。在住経験がある方ならではの細かい情報はもちろん、ガイドブックにはあまり載っていない定番以外のスポット、リアルなニューヨークを感じられる旬の情報など、たっぷりの情報と美しい写真が盛り込まれているのが特徴です。
記事を読んでいるだけで、ニューヨークの最新情報にも触れられるという、その情報量はどこからきているのでしょうか?bluemoonさんが思うニューヨークの魅力と、読者を惹きつけるその執筆のコツなどを、たっぷり教えてもらいます。

インタビュー記事一覧

Vol.1
Oliveさん