2006年にセルビア・モンテネグロから独立した新しい国モンテネグロ。美しい海岸の多いこの国には夏になると多くの観光客が押し寄せますが、海だけでなく山にも大きな魅力があります。特に山の絶景を楽しむには鉄道での旅をお勧めします。
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モンテネグロの鉄道基礎情報:絶景をお手ごろに!
旅客路線は2路線、セルビアとの国際列車も
モンテネグロには路線が2つあり、1つは首都のポドゴリツァと第二の都市ニクシツを結び、もう1つは海岸沿いの町のバーとセルビア国境に近い町ビエロポルエを結びます。後者にはセルビアの首都ベオグラードに直行する国際列車が設定されています。国内列車は各駅に止まり、国際列車は主要駅にのみ止まります。
手ごろな価格
モンテネグロの鉄道はバスと比べて安く、数百円で絶景を味わうことができます。例えばポドゴリツァからビエロポルエまでの2時間少々(国内列車)の旅は3ユーロ(約400円)のみで、とてもお得です。
国内列車と国際列車で異なる料金体制
国内列車の場合は区間料金のみで列車に乗ることができますが、国際列車でセルビアへ向かう場合には座席指定料3ユーロ(約400円)を払う必要があります。
列車の種類
ポドゴリツァ⇔ニクシツ間の一部の列車は以下のような新型車両で運行されていますが、他の区間は古めの客車が主流です。
時刻表:公式ページで確認
モンテネグロ鉄道の公式ページは周辺諸国のものと比べて比較的使いやすくデザインされており情報も豊富で、時刻表のチェックも簡単に行えます。列車ごとに各駅の到着・発車時刻を調べることもでき、始発駅からの料金も表示されますが、途中駅からの料金は調べることができないようです。
夏季には座席指定は早めに!
座席指定はルール上では必要とされていますが、満席になった場合でも立ち席で乗車が可能なようです。当記事執筆の約2年前にポドゴリツァからベオグラード行きの列車に乗車した際にも同じルールがありましたが、通路を歩けないほど混雑していたため、混雑期の夏季には早めの座席指定をお勧めします。
また、国際列車を国内でのみ利用した場合にも座席指定をする必要があるかを鉄道会社に問い合わせたのですが、2週間以上返信がないため、現地での情報確認をお勧めします。
絶景区間はポドゴリツァ⇔ビエロポルエ!
モンテネグロはどこに行っても景色がきれいですが、特におすすめな区間はポドゴリツァとビエロポルエで、列車からは数百メートルもの深さを誇る谷沿いの絶景を楽しむことができます。谷深くを走る道路を眺めながら、崖上を走る鉄道ならではの景色を味わえます。
絶景は路線の西側!
上記の絶景は路線の西側(ポドゴリツァからビエロポルエへ向かう場合は進行方向向かって左側)に広がっているため、座席を選ぶ際にはこの点に留意しましょう。
また、窓が汚れていることが多いため比較的きれいな窓の近くに座ることをお忘れなく。ほとんどの場合窓を開けることができるので(窓の上側のみ)、立ちながらであれば窓を通さず景色を楽しめます。
橋からの絶景はシャッターチャンス!
特におすすめな写真ポイントはBioče駅の数キロ北にある橋(Mala Rijeka Bridge)で、ポドゴリツァ駅を出発して25分ごろの所に位置しています。
とても深い峡谷にかかるこの橋からの景色は特別で、列車によっては(もしくはすべての列車)橋の上で運行上の理由により一時停車するため、手ぶれすることなくきれいな写真を撮ることができます。