ペルシア帝国としてオリエント世界に覇を唱え、現在も中東の雄として存在感を示しているイラン。そんなイランの中でも歴史的に重要かつ美しい建築物が残り、「世界の半分」とまで讃えられた古都イスファハーンをご紹介します。
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イマーム広場
サファヴィー朝、アッバース1世により建築が開始された広場。この広場の中に後述するマスジェデ・イマームやアーリー・ガープー宮殿、職人街、バザールが存在します。馬車に乗って広場内を一周するもよし、美しいモスクに酔いしれるもよし、無数にある土産物屋を周るもよし、様々な楽しみ方が出来ますよ!
マスジェデ・イマーム
「王の寺院」の異名を持つサファヴィー朝時代を代表する建築物。エントランスから空を見上げると、空の青とタイルの青が同化して、まるで天空への入口ではないかと錯覚します。精巧に作りこまれた幾何学模様は言葉を失う美しさです。まさにイスラーム芸術の集大成といえるでしょう。
昼間の顔も美しいですが、ライトアップされた夜間の顔もまた、息をのむ美しさです。その壮大さと繊細さに引き込まれることでしょう。
- マスジェデ・エマーム
- イラン / 社寺・教会
- 住所:Masjede Emam, Abbasi Great Mosque Isfahan Province, Isfahan地図で見る
アーリー・ガープー宮殿
こちらは7階建てとなっており、イラン最初の高層建築といわれています。バルコニーの中央には大きな池があり、18本もの柱が屋根を支えています。宮殿内部には美しいミニアチュールが飾られています。
また、音楽鑑賞堂として使用されていた最上階の天井部分の装飾的な穴(上記写真)は、演奏の際に余分な音を効果的に吸収し、美しい演奏を楽しむために設計されたもの。ペルシア建築の緻密さを感じられるスポットです。
- アーリー・ガープー宮殿
- イラン
- 住所:Naghshe Jahan Sq,Sepah St, Imam Hossein Square, 4 Bagh St, Isfahan, Iran, Isfahan 81464, Iran地図で見る
ヴァーンク教会
ヴァーンク教会は、アルメニア地区に位置するイランでは珍しいキリスト教の教会です。
聖書の場面を再現したフレスコ画は『最後の晩餐』や『キリストの磔刑』が描かれており、金色を多用しているのが特徴的です。アッバース1世の時代、モスク建設のために集められたアルメニア人のために建てられました。
また、世界最小の聖書が展示されていることでも有名です。外観は幾何学模様の窓枠やタイル使い、内部は色彩豊かな色合いと、まさに西洋と東洋の折衷した姿が見事です。
メナーレ・ジョンバーン
「揺れるメナーレ」を意味する尖塔で、聖人アムー・アブドッラーの廟です。その名の通り、対になっている片方のメナーレを揺らすと、もう片方も揺れ、所定の時間に揺らされる仕組みとなっています。
- メナーレ・ジョンバーン
- イラン
- 住所:Central Iran, Isfahan 81464, Iran地図で見る
チェヘル・ソトゥーン庭園博物館
アッバース2世時代に建築された宮殿で当時はアーリー・ガープー宮殿まで繋がっていたといわれています。チェヘル・ジョンバーンとは「四十の柱」を意味しています。実際の柱は20本ですが、正面の池に柱の像が映り、合わせて40本に見えることがその由来です。
内部は博物館になっており、玉座の間の壁一面に描かれた歴史画の迫力に圧倒されます。
- チェヘル・ソトゥーン庭園博物館
- イラン
- 住所:Sepah St, Imam Hosein Sq, Isfahan, Iran, Isfahan 81464, Iran地図で見る
スィー・オ・セ橋
33の橋脚があることから名付けられたシー・オ・セ・ポル。町の中心を流れるザーヤンデ川に架かっています。サファヴィー朝時代に建てられたこの橋からは地元の人々の暮らしを垣間見ることが出来ます。
レンガ造りのアーチ構造が印象的で昼夜、多くの人々で溢れています。しばし悠久の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。