中東アラビア半島にあるカタールの首都・ドーハ。航路のトランジットなどで、立ち寄る機会のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ドーハ観光で絶対に外してほしくないスポットのひとつが、スーク・ワキーフ。古くからあったスーク(市場)を、政府の主導で2006年~2008年にかけてリノベーションしたここは、アラビアングッズを探し歩くショッピングがとっても楽しいところ。でも、それだけで終わりにしたら絶対にもったいない!今回は、筆者が実際にスークを歩いてみて感じた、ショッピング以外の魅力を3つご紹介します。
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【1】カタール独自の生活文化に触れられる
アラブ諸国を旅行してみると、客の大部分が観光客というスークと、地元の人御用達のスークとがあることに気づかれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スーク・ワキーフは、ドーハの一大観光スポットでありながら、ローカルな人々の生活にしっかりと根付いた市場であることが魅力です。
商品の中には、観光客用のお土産というよりは地元の人たちが日常生活のために買ってゆきそうなものもあり、人々の暮らしぶりなどを想像するのが楽しい。現に、たくさんのローカルたちがショッピングを楽しんでいます。
こぢんまりとしたスークは、商品のカテゴリー別に「金物」「布・衣類」「食品」「アンティーク」「ゴールド(貴金属、宝石)」などに分かれていて歩きやすいです。
「動物」マーケット付近では小鳥や熱帯魚なども。変わったところでは「ラクダ」マーケットがあり、ずばり生身のラクダが売られています。
一角にはアートセンターもあり、地元アーティストたちが腕をふるった手工芸品なども鑑賞・購入できます。
ファルコン・マーケット
最もカタールらしいのは何といってもファルコン・マーケットでしょう。
鷹狩りを楽しむ伝統があるなど、カタールの人たちは鷹が大好き。カタール航空のファーストクラスは、ファルコンをケージ無しで腕に載せたまま搭乗可という噂も耳にするほど。
ファルコン・マーケットにはたくさんの鷹屋さんがあり、何とファルコン専用の病院まであるのが面白い。
運が良ければ、買ったばかりのファルコンを腕に載せたローカルが、誇らしげに道を歩いているところに出くわすかも知れませんよ。
【2】異国情緒豊かな夕暮れ
近年リノベーションしたスーク・ワキーフですが、伝統的な建築や雰囲気を保全することに大成功しています。
夕焼けの頃は、特に異国情緒豊かな雰囲気を堪能できますよ。
スークにはあちこちに長椅子があり、男性たちがシーシャを吸いながらいつまでも談笑している様子を良く見かけます。
何か物想うかのように佇む男性。後ろに見えるイスラム文化センターの渦巻型の塔が印象的ですね。
ファルコン・マーケットの一角。連なってゆく天井にアラビアンナイトの時代を重ねて。
【3】安全!そして楽ちん!
他のアラブ諸国と同様、宵っ張りの多いカタールの人たち。ご覧の通り午前中はほとんどお店は閉まっていて、閑散とした雰囲気。
スークにようやく人が集まり始めるのは夕暮れ頃、本格的な盛り上がりを見せるのは夜8時をまわってからです。
ありがたいのは、治安がよいお陰でナイトライフも楽しめるということ。スークにはたくさんのカフェやレストランも入っていますので、安心してアラブの味に舌鼓を打ってください!
アラブ諸国の観光地のスークでは客引きが盛んで、これは人によっては煩わしく感じられることもあるでしょう。それも旅の醍醐味の一つではあるけれど、日本にはない押しの強さに、少々疲れてしまった経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スーク・ワキーフでは全くと言っていいほど客引きがおらず、拍子抜けするほど。それどころか、暇そうに椅子に腰かけている店主に商品の値段を聞こうと声をかけると、非常に面倒くさそうな声が返ってくることも!
これなら、ゆっくりと、自分のペースでショッピングを楽しむことができそうですね。
おわりに
上に述べた3点をはじめ、ショッピングだけでなく沢山のお楽しみポイントのあるスーク・ワキーフ。ドーハの中心部にあり、イスラムアート美術館(MIA)から歩いて15分ほどですので、観光にとても便利です。ドーハのご訪問の際には、どうぞお見逃し無く!