元バンコク発刊情報誌編集長ですので「レストランは詳しいでしょ」というイメージからか、どなたかと食事という時のお店選定は私の任務。今回紹介する【バンコク・Baan】は、同席するメンバーから「美味しい隠れ家」というリクエストがあったときに選ぶお店です。隠れ家風につき、ちょっと分かりずらく迷って電話してくる人続出(笑)ですが、隠れ家なのでちょっぴり迷うのも一興。食事は誰もが納得し完食した実力派です。有名なタイ料理店も素敵ですが「みんなの知らないかつ美味しいところに行ってみたい」という方にお勧めです。
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とってもわかりやすい場所にある、うっかり見過ごす隠れ家風の外観
ルンピニ警察署と在タイ日本大使館の間という分かりやすい場所
タイのタクシーは「そこは知らないので行かない」と乗車拒否されることもありますが、このお店は絶対に拒否されない場所にあります。所在地はルンピニ警察署と在タイ日本大使館の間、という迷いようのない場所です。
その一方、お店は外には小さい看板が一枚掛かっており、外観は黒で統一。シックですが昼でもうっかり見落としそう。実際に見落として「迷ってる!」と電話してくるメンバー一杯でしたが、この迷っちゃった「隠れ家感」がお店への期待を盛り上げてくれます。
もしうっかり見過ごしてしまった場合、お店に電話すれば店員さんが探してくれます。店員さんはみんな英語可ですのでご安心を。もし英語が苦手なら近くにいるタイ人に電話を渡して話してもらい、その場まで迎えに来てもらいましょう。
クオリティーを保つのを第一とした小規模展開
外は隠れ家風でありながら中は解放感のある構成
どんなお店だろう、とドキドキしながら扉を開くと、、天然光で明るい店内はモダンで天井が高く「隠れ家」のイメージを完全に払しょくしています。
その昔タイ料理は美味しければ内装なんて何でもいいというお店が多かったのですが、近年は「雰囲気も大事な要素」というのを理解しているオーナーが増えてきました。特にここは外は隠れ家風でありながら、中は解放感があるというギャップで、誰もが「すごいね!」と一目ぼれしてくれます。
小規模だからこそ隠れ家風かつクオリティーが維持できる
大勢の人で賑わう隠れ家、なんてものはありません(笑)。小規模だからサービスも行き届いていますし、食材へのこだわりも発揮できます。多数のお店を訪問した元情報誌編集長も「美味しい、隠れ家」というキーワードで自分の心データベースから絞り込めるお店です。ではそろそろ私のお勧めメニューをご紹介します。
「家族に出すのと同じ、健康的で品質の高い食材でのタイ料理」を体現する
タイ人もスマホの爆発的普及であらゆる情報が手軽に入手出来るようになって以来、日々の食材についての安全性や健康管理を知るようになりました。また、伝統的調理法を新しい機材で行う、昔なじみのものを抜いて自分独自の調合をすることも増えてきており、「過去への敬意は払いつつ、新しい道を模索する」というお店が出て来ています。
絶対お勧めメニューその①:ドライエイジングビーフを使ったグリーンカレー、350THB
日本でもおなじみのグリーンカレー。マイルドなココナッツミルクに感じるスパイシーさとハーブ感が人気の一品です。
Baanでは「スパイシーなものは消化器官への刺激と捉えている。タイ人の胃腸が弱いのは、スパイシーなものが多いから。家族の健康を守るレシピでありながら、タイ料理らしさも失いたくない」とスパイスやハーブを独自配合。辛くないのにスパイシーさを感じる繊細な配合は、日本人のどなたに紹介しても「おいしい、ご飯にかけずこのまま飲んじゃう!」とグリーンカレーそのものを楽しめます。
もう一つの私のお気に入りポイントは、ドライエイジングビーフを使用している点。牛肉の旨みを凝縮しつつほろほろと崩れます。確かに、家族のため以外ではこんな食材ないよなあ、と私データベース内でも特上グリーンカレートップ3に入ります。
絶対おすすめメニューその②:パロ、280THB
豚の三枚肉と卵をお醤油で煮込んだもの。これも極々普通に見かけるタイ料理ですが、通常は五香粉の匂いがきつく日本人でこれが好きという人はあまりいないメニューです。「タイ人にとってはそれが当たり前で、気が付かない伝統レシピの課題をクリアしたいと思いこのメニューに挑戦した」とのことで、ここで食べて以来、私の中で苦手意識がクリアでき、食べられるメニューがまた一つ増えたのが嬉しかったですね。
脂身がトロトロになるまで、卵の白身がスープと同じ色になるぐらいまでじっくりスローフード機材で煮込んであります。調理法は同じでも近代的な機材で全く仕上がりが違っています。五香粉の香りはほとんど感じないので、私と同じく苦手意識を持っていた人が「これは世界観変わるわ!」と言いながらスープもご飯にかけて食べていたのを見てうれしくなりました。
絶対お勧めメニューその③ヤムコームーヤーン、350THB
タイでよく食べるけども、日本ではあまりスーパーなどで見かけない豚肉の部位として首肉があります。トロのように脂が乗りつつも三枚肉のように脂ぎることはないため、ブロックを炭火焼してスライス、唐辛子を炙りちょっと苦味と香ばしさをつけた唐辛子ソースで食べるのが一般的。日本人はあれば絶対頼むメニューです。
これを自家製ドレッシングで和え、レモングラスの小口切りと合わせてドレスアップさせた一品。「あの“焼いて切った”だけの食材がこんなに美味しく生まれ変わるのね!」と驚くほどのおいしさ。ドレッシングはほんのり出汁が効いているような感じです。
濁りがないためチキンのスープストックかもしれませんが、タイ料理にも出汁で見えない旨みを使いこなせる貴重なお店です。
遅刻者を待つときのお勧め組み合わせ – ドライポーク200THB、タイ風レモンジュース100THB
ドリンクと軽食にもおすすめの組み合わせがあります。こちらは「ちょっと遅刻~」なんて連絡があった時に重宝します。たっぷりの生ミント効果で気分がすっきりしてきます。ドライポークはフリーレンジ(放し飼い)のお肉のみで作っています。
手でもつまめる気軽さが空腹を抑えつつ、遅れる人が到着した時に「始めてもらってたらよかったのに」と気を使う事もないメニューです。
デザート – マンゴースティッキーライス250THB
タイ料理の有名なデザートというと、やはりマンゴースティッキーライスですね。「え、甘いもち米って聞くだけで何かちょっと」という方もいらっしゃると思いますが、そこは郷に入らば郷に従え、一度食べてみると今までの思い込みと、長年拒否して食べなかったことが悔やまれるほどの新境地が開けるかもしれません。
バンコクへ来たら「美味しい隠れ家知ってるけど」と自慢しちゃいましょう!
誰もがそうあってほしいと思う「美味しい」、誰もが何かを期待してしまう「隠れ家」。この二つを網羅しつつ十分に期待に応えながらも、在住日本人でも知っている人はごくわずかの名店、ぜひバンコクに来た時に訪問してみてください!
- バーン・タイ・ファミリー・レシピ
- バンコク / アジア料理
- 住所:139/5 Wireless Road Lumphini Pathumwan Bangkok 10330地図で見る
- 電話:+(66) 2 655 8995(英語、タイ語)
- Web:http://www.baanbkk.com/