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【バンコク・Bo.Lan essentially Thai】Essentialを追及するタイ料理レストラン

取材・写真・文:

Madam Satoko
タイ在住

2016年12月12日更新

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写真:Madam Satoko

「バンコクの有名なタイ料理店は大体行った」という方も多いかもしれません。もし新しいお店を開拓したい、というならここBo.Lanはどうでしょうか。このレストランは日本ではまだ知られていませんが、7年前の開店以来、欧米人の間では「バンコクではずせないレストラン」として知られています。連日満席、予約は2週間前には埋まってしまいますので、訪問希望の場合は早く行動しましょう。簡単な英語メールで予約できます。たまたまシェフがホールに出てきたところで、忙しい中いろいろ話を聞いてみました。

シェフインタビュー:ボラーン・エッセンシャルタイとは?

まずはインタビューに答えてくれたシェフ、ディランさんです。タイ人シェフと二人でお店を運営しています。

  • 写真:Madam Satoko

店名のボラーンとは

店名のボラーンとは「古式」という意味です。古式タイマッサージの古式と同じで、「昔からある」という意味です。しかし味も盛り付けも、トラディショナルやオーセンティックとは違います。もちろん近年よく見かけるモダンともフュージョンとも一線を画しています。

古書300冊以上を読み込んで構想したメニュー

  • 写真:Madam Satoko

どこがボラーンなのか、それは古書を300冊以上読み込んで構想したメニュー、昔の人が食材を手にしていたように用意する材料、そしてタイ人の昔からの食文化のエッセンスを追及することです。

タイは一般に“暑い、もっと暑い、一番暑い”と季節が無いように言われがちですが、実際にはその変遷は花や果物など農作物で感じ取ることが出来ます。昔の人は、それを食に取り入れ目と舌で彩や季節を感じていました。現代の季節を問わない大量生産・大量物流では得られないタイのエッセンシャルです。

パートナーのタイ人シェフが300冊以上の古書を読み、それぞれの季節にどのようなメニューがあったのかを調べメニューを構築しています。

お米への愛

また昔の人は食材のやり取りを、ご近所さん同士、顔見知り同士でしていました。安全安心という言葉はこの“おなじみさん”という重要キーワードを抜きには語れないでしょう。

特に主食である白米はタイのコメどころであるヤソートン県、玄米はカンボジアとの国境のシーサケット県産を使用していますが、店を始める前からすべての農家を訪問し、買い付けるのではなく「ご近所さんに分けてもらう」というスタンスで、長くお付き合いさせてもらっています。

年に数回それぞれの現地を訪問し、田植えから刈取りまで元気で美しく育つ稲穂を愛する気持ちを共有しています。これもタイのエッセンシャル。

当店では“炭水化物抜きで”というお客様には「米を食べることがタイのエッセンシャルなんですよ」と丁寧に説明し極力おすすめしています。もちろん米だけでなく、野菜や肉についても生産者と親密なやり取りをしています。

6週間で全品入れ替わるメニュー

僕たち二人が織りなすメニューには、グランドメニューという「いつ行ってもある物」はありません。コース料理のみ、6週間程度で全品入れ替えします。このサイクルに合わせて訪問すれば、いつも全く新しいメニューが楽しめますよ。これも自然に恵まれ豊かな農作物を生み出すタイのエッセンシャルだと思っています。

店名のエッセンシャルは多くの意味を持つものであり、バンコク内でもこのコンセプトを追及するお店を筆者は他に知りません。さあ、そのこだわりメニューを見てみましょう。

エッセンシャルを感じる選りすぐり3選メニュー

タイ料理は本来大家族や集落で集まってワイワイと食べるものであり、スープものを含めいくつものメニューが並ぶもの。シェフはこの文化にもこだわり、このお店では単品メニューはなくコース料理のみです。辛さの調整はしてくれますが、全く辛子抜きでというのは本来のタイ料理とは言えないため、別メニューに切り替えてくれるそうです。

コースの中で特にエッセンシャルを感じるメニューをご紹介します。

エッセンシャルメニュー①魚の辛味カレー炒め

  • 写真:Madam Satoko

タイの1200年代の古文書に「川に魚あり、地に米あり」との記述があります。当時の食文化は、稲作文明が根底にあり魚中心だったということがわかりますね。

このメニューはタイの食文化のエッセンシャルである魚を、辛味の効いたカレーソースで炒めています。緑の物はいんげんです。色合いと歯ごたえはもちろん、辛味の緩和にも一役買っています。

エッセンシャルメニュー②豚肉のサラダ

  • 写真:Madam Satoko

ポークの特に美味しい部分をじっくり茹でたものに、季節の花と野菜をふんだんに用いたお花畑を思わせる彩美しいサラダです。左下の小瓶はソース、さっぱりとしつつも尖った酸っぱさのない味はココナッツの花から採れた酢の味。

画一した調味料や、これが手本と言わんばかりの大量生産品がなかった時代のタイ料理というのは、これほど優しい味だったのか、と発見さえ感じる味です。

左上の粉は、海老の殻を低温で丁寧に焼き上げたのち石臼で細かくたたいたものです。海老の風味が追加されることで、より味わい深くなるのはもちろん、目の前でふるいからサラサラとサラダにかける演出の意味もあります。多くの面で「赤い、辛い」というタイ料理に対する単純なイメージを覆してくれる逸品です。

エッセンシャルメニュー③青タマリンドの挽肉ナムプリック

  • 写真:Madam Satoko

タイ料理には「ナムプリック」と呼ばれる調味料が使われることが多くあります。基礎となる材料に複数のハーブや調味料を合わせて練り合わせたもので、自家製なら好みや季節の物を追加して作ることが出来ます。ナムプリックはしっとり系、乾き系、ぼそぼそ系と様々な形態があり、そのままご飯と合わせて食べるのもタイ人の食生活での一コマです。

今回“青タマリンドを使ったナムプリック”とメニューにありました。バンコクのタイ料理店はかなり訪問していると自負していますが、これは見たことがない!出て来るのを心待ちにしていました。

運ばれて来たものは伝統的な石臼入り。さっそく頂くと結構辛く酸っぱい。タマリンドは完熟したものは天然のジャムと言われるほど甘く、お砂糖いらずでお菓子が作れるほどですが、青物は非常に酸味が効いています。酢などの発酵した酸味と違い、一瞬ですがストレートに目が覚めるような感覚が走ります。

これをご飯にのせて一口いただくと、ひーっとなりますが、これもタイの食文化の一つ。刺激を和らげるにはプレートに乗ってきたお野菜や果物を食べます。

苦手であれば辛味の調整をお願いできますが、「タイ料理のエッセンシャルを知りたい」という方はぜひオリジナルの味にトライしてみてください。

おもちゃ箱のようなデザートプレート

  • 写真:Madam Satoko

宮廷文化のある地域ではお菓子の製法技術が発展する、というのは世界共通事項です。日本の和菓子文化はもちろんパリやウイーンなどにもみられるのと同じく、タイにも数えきれないほどのお菓子が生まれています。

ぽんぽん菓子、麩菓子風、落雁風、ココナッツシュガーの生キャラメル、外郎風、ゼリー風、カスタードプリン風、など 。すべて自家製です。


辛いだけじゃない、タイ料理のエッセンシャルを追及してみませんか

食文化のエッセンスとは、その土地の気候で自然に形成された文化であると改めて感じることができるBo.Lanのコースメニュー。辛い料理もあれば優しい味わいの料理も並び、表情に富んだタイ料理を知りたいという方はぜひ訪問してください。

  • メニュー:2コースあり、内容は6週間程度ごとに変わります。2016/11/03の取材時点では5品+デザート2,280THB、5品+3デザート2,680THB。予約時点では席の確保だけ依頼、メニューをじっくりみてコースを選択しましょう。
ボーラン
トンロー・エカマイ / アジア料理
住所:24 Soi Sukhumvit 53, Klongtonnua, Wattana, Bangkok地図で見る
電話:02-260-2962
Web:http://www.bolan.co.th/

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※この記事は2016年12月8日に公開した情報です。
 記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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