古代ローマ遺跡のなかに人々が暮らす、クロアチア南部にある世界遺産の街「スプリト」。過去と現在が交差する珍しい街です。今回は、今もなお古代ローマの雰囲気を満喫することのできる世界遺産「ディオクレティアヌス宮殿」の魅力に迫ります。世界遺産でありながら、スプリトのバスターミナルや鉄道の駅、フェリーターミナルからも徒歩で10分ほどの場所にありアクセス抜群。スプリトを訪れたら、必ず訪れたい歴史的観光スポットです。
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過去と現在が交差する、クロアチア南部にある世界遺産の街「スプリト」
クロアチア南部にある美しいアドリア海に面した街「スプリト」は、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿に人々が住むようになり、街として発展したという、とても珍しい歴史を持つ街です。
今から約1,700年前、3世紀末から4世紀初頭にかけてローマ皇帝ディオクレティアヌスが晩年を静かに過ごすための宮殿として建設された「ディオクレティアヌス宮殿」。実際に、6年間彼はこの宮殿で過ごしたといわれています。しかし、皇帝の死後ローマ帝国の衰退により宮殿は廃墟と化してしまいます。
ところが7世紀頃になると、数百年に渡って廃墟と化した宮殿内に人々が家を建て、住み始めるようになります。これこそが、世界遺産の街「スプリト」の起源となっているのです。
ディオクレティアヌス宮殿を含む「スプリトの歴史的建造物群」
スプリトの中心市街に位置する宮殿は、その他の重要な歴史的建造物群とともに1979年に世界遺産に登録されています。
宮殿の敷地は、南北に約215m、東西に約180mと長方形に広がっており、宮殿の周りには20mの高さを誇る壁で囲われています。さらに地下にも巨大な空間が広がっており、現在地下宮殿は博物館として、世界的にも極めて保存状態の良い歴史的建造物をじっくりと見ることができます。
ディオクレティアヌス宮殿の地下に広がる歴史的空間
地上部は宮殿内に住み始めた人々によって手が加えられている一方、地下は宮殿本来の姿が見られるため、ぜひ足を運んでもらいたいスポットです!
地上部分で住み始めた人々が捨てたゴミ山の跡
中世にはワインを作ったり倉庫として利用されていた地下部分ですが、地上部分に住む人の数が増えるにつれて、なんとゴミ集積場やトイレとして利用されるようになったのです!
しかし、実はこれが功を奏し、地下に詰め込まれたゴミによって宮殿遺跡が崩れることなく、世界的にも極めて保存状態の良い現在の姿を留めることができているのです。
長い時を経て劣化したゴミが土となって、部分的ではあるもののゴミ山の跡を垣間見ることができます。天井まで積もった土のようなゴミが、今でも宮殿の上部を支え続けている姿は、まさに過去と現在が交差するスプリトを象徴しているようにも見えます。
ディオクレティアヌスの胸像
いくつもある部屋の1つには、ローマ皇帝ディオクレティアヌスの胸像が飾られています。当時の様子をしっかりと感じられる地下宮殿で目にする凛々しい表情のディオクレティアヌスに、より当時のことを回想してしまうはずです。
そのほかにも、ディオクレティアヌスがエジプトから持ち帰ったスフィンクスの像や、ワインを作っていた施設なども見学することができます。
お土産を買うにもおすすめのショップ
博物館入口付近にはミュージアムショップがあり、こちらは入場無料でショッピングを楽しむことができます。さらに、世界遺産に登録されたあと2006年11月には宮殿内に20軒以上ものショップの運営許可を市議会が下したことから、地下宮殿内でお土産探しもできるのです!
暑い日でも、地下宮殿はひんやりとしていて過ごしやすいため、ぜひお土産を探しにふらっと訪れてみてはいかがでしょうか。
おわりに
世界遺産でありながら、バスターミナルや駅、フェリーターミナルからも徒歩で10分ほどの場所にありアクセス抜群だからこそ、スプリトを訪れた際にはぜひ足を運んでみてくださいね。
- ディオクレティアヌス宮殿
- クロアチア / 建造物 / 観光名所 / 城・宮殿
- 住所:Dioklecijanova Palaca,Papalićeva 1, 21 000 Split地図で見る
- 電話:(0)21360171