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二つの門からなる二の丸の正門【橋爪門】から二の丸広場へ
二の丸の正門として最も格式の高い門で、二つの門とその間には四角形のスペースがあり、枡形門と呼ばれる形式です。枡形と呼ばれるスペースを設けることで、侵入者は方向転換が必要になります。出入り口の防御として要となる門であることがよく分かります。
実践要素を兼ね備えた【菱櫓】
拝観チケットは、二の丸広場にある案内所で購入します。
まずは、名前の通り正方形ではなく菱型に造られた菱櫓。
戦闘時、よじ登ってくる敵を頭上から攻撃するための石落としや、当時の形状を再現した角度が急な階段が復元されています。
二の丸で一番高い建物であり、見張りのための役割もあった場所。急な階段を上った上部からは、三の丸や河北門などを一望することができます。
長さに圧巻【五十間長屋】
菱櫓と橋爪門続櫓を繋ぐ長屋。端に立つと外から見る以上にその一直線に伸びた長さを実感することができます。建物の長さが約50間(約98m)あることからこの名がついています。
当時は、七十間、九十間長屋などもっと長い長屋もあったそう。城の規模の大きさが伺いしれますね。
普段は武器や食料を保管するための倉庫として使用されていましたが、戦闘時には砦となるため、石落としや鉄砲を撃つための狭間と呼ばれる窓が設けられています。
外から見るとよく分かりますが、こちらも実用性だけでなくデザイン性にも凝った窓になっています。
伝統と現代をマッチングさせた【橋爪門続櫓】
日本に古来から伝わる工法で復元された建物ですが、やはり様々な方に見学頂くためバリアフリーの要素も必要です。
橋爪門続櫓にはエレベーターが設置されていますが、元々この場所は武器や食料を二階に上げるために利用していた吹き抜け部分。当時の構造を変えることなく、エレベーターを設置するなんて素晴らしいアイデアですよね。
4.重要文化財「三十間櫓」と「鶴丸倉庫」
1で紹介した石川門以外にも、金沢城には重要文化財に指定された建造物があります。どちらも建築当時の姿を今に伝える貴重なものです。
三十間櫓
1858年に再建され倉庫として使用されていた建物で、内部は見学可能です。また、外壁にもご注目。海鼠(なまこ)壁と呼ばれるこの形状は、耐水性や耐久性が高く、寒冷地ならではの工夫でもありますが、同時に見た目にも美しい金沢城の特徴の一つでもあります。
鶴丸倉庫
幕末の1848年に施工され、城郭内にあるものとしては国内最大級の土蔵です。武具を保管するためのものでしたが、明治以降は被服庫として使用されました。櫓や城門と違い海鼠壁が使われておらず、デザイン性が他とは異なる建造物です。
さいごに
再建された長屋や櫓を見るだけではもったいない金沢城。特に石垣は今回紹介した以外にも、特徴のある箇所がまだまだあります。
金沢城には、全体の城内マップの他に石垣巡り専用マップがありますので、そちらを参考にちょっとツウな石垣巡り散策を楽しんでみるのもいかがでしょうか。ただし、全てを見ようとすると結構な距離になりますので、ご自身の体力と相談しながらお城巡りを楽しんでくださいね。
- 金沢城公園
- 金沢市 / 城 / 公園 / 観光名所 / 紅葉 / 桜の名所
- 住所:石川県金沢市丸の内1−1地図で見る
- 電話:076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所)
- Web:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/