国内旅行で、「ちょっと行ってくる!」と気軽に言えない場所の1つが、離島ではないでしょうか?今回は、日本国内でありながら、なかなか手軽に行けない離島を、食べながらめぐることができるお店「離島キッチン」をご紹介します。
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「離島キッチン」とは?
離島キッチンは、2009年10月から島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)が主体となって、日本全国にある離島と連携しながら、その地の珍しい食材・文化・自然などを発信するために発足したレストラン。
現在、「隠岐島の海士町観光協会」が運営している、海士町店(要予約)・神楽坂店・福岡店・日本橋店、そして「NPO法人利尻ふる里・島づくりセンター」が運営している札幌店の5店舗があります。
その中でも今回は、大正15(1926)年に札幌軟石を使用して建てられた石蔵を改装し、2017年9月29日にグランドオープンした「札幌店」をご紹介いたします。
離島キッチン 札幌店で、ランチを堪能!
これは、ある日の昼の献立表(献立は、その日に入荷した食材によって毎日変わります)です。献立表の随所に、全国にある離島の名前が並んでいます。
この日は、「島のフライ定食」(1,380円+税)を注文してみました。
写真の左上から時計回りにご紹介します。
- 【お茶菓子】岩城島(愛媛県)の芋菓子
- 【島の小鉢】利尻島(北海道)のとろろ昆布
- 【お茶】隠岐島(島根県)のふくぎ茶
- 【揚げ物】宮古諸島(沖縄県)のハラガーの竜田揚げ・岩城島(愛媛県)のレモンポーク揚げ餃子・福江島(長崎県)のアジコロッケ・八丈島(東京都)のムロアジメンチカツ・倉橋島(広島県)のカキフライ
- 【お味噌汁】焼尻島(北海道)のがらめ昆布のお味噌汁(写真上の青い小鉢に入ったがらめ昆布を入れます)
- 【お漬物】隠岐島(島根県)の海士乃塩のお漬物
- 【ご飯】奥尻島(北海道)のふっくりんこ
となっています。
このように離島で採れた食材が所狭しと並んでいます。さらにご飯茶碗は、隠岐島の陶芸家の作品で、まさに食べて、触って、島めぐりができるのです。
余談ですが、【揚げ物】のV字型に見える「ハラガー」という食べ物は、宮古島の方言で「腹の皮」という意味だそうで、魚1匹から1切れのみ取れる部分だそう。脂がのっていて、味の濃い貴重な部位です。
これらの内容は、すべて献立表にも書かれていますが、スタッフが配膳してくれたときに、産地や味わいのポイント、食べ方などを、一品ずつ丁寧に説明してくれるので、島の文化や郷土料理などに思いをはせながらいただくことができます。
さらに夜は、普段あまり見かけることのない島の料理を、居酒屋形式でいただくことができます。島のお酒との組み合わせは格別ではないでしょうか。
物販スペースも離島の魅力満載!
札幌店は、玄関から入ると物販スペースがあり、その奥に飲食スペースがあります。
写真手前の黒いテーブル上には日本列島が描かれており、その品の産地がひと目でわかる仕掛けがされていて、楽しみながら離島のことを知ることができます。
ランチ時間は日によって混み合い、待ち時間が発生することがありますが、普段目にすることのない離島の品々と説明書きをじっくり読んだり、お菓子の味見をしていると、あっという間に時間が経つほど興味深いものが取り扱われています。
離島キッチンと札幌店について
離島キッチンについて
札幌店のマネージャーを務める大関太一(おおぜき たいち)氏によると、「離島は雄大な自然が残されており、本土から離れていることから、独自文化が残っているところもあります。良い商品も多いのですが、生産力・物流の面でハードルがあるのは事実です。弊社は、島々の販路開拓の一助になれればと思っています」とのこと。
また各支店の特徴をうかがってみると、物販スペースは面積の関係上、札幌店と日本橋店が充実しているようです。また日々の献立は全店違うものが提供されますが、全てのお店で配膳時の料理説明は行っているそうです。
さらに「離島に思いをはせて欲しい」という理由から、毎日変わるメニューは持ち帰ってよいそうです。上記は札幌店の献立表なので、北海道の離島の位置や特産品について書かれています。
札幌店について
前述の大関氏に札幌店のアピールポイントについて伺ったところ、「主に北海道離島の紹介に力を入れており、札幌で道内離島の商品を楽しめる点」とのこと。
北海道自体が広いという理由もありますが、例えば、札幌から利尻・礼文島に実際に行くとなると、所要時間はかなりかかります。それらの土地の魅力の一端を札幌で楽しめるのは嬉しいと思います。
離島キッチンには、離島案内パンフレット、商品説明パンフレット、離島を特集した書籍が置かれています。活字好きの方には、さぞ好奇心をくすぐられる空間だと思います。
まとめ
日本には、周囲100m以上の離島が約6,800島も存在し、そのうち418島が有人の島です。(WEBサイト「日本の国境に行こう!!」より)1日1島めぐるとして、有人島だけでも1年以上かかるほどの数があります。
この国境を含む有人・無人の離島の存在により、領海及び排他的経済水域の面積は世界第6位、体積は第4位となっています。後鳥羽上皇との縁が深く、この離島キッチンの出発点である隠岐など、歴史的にも興味深い島がたくさんあります。
まずは食べて、触って、読んで、興味を持った島に出かけてみませんか?
離島キッチン札幌店情報
- 営業時間:11:30~14:00(L.O) / 18:00~21:00(フードL.O)21:30(ドリンクL.O)
- 定休日:月曜日(月曜祝日の場合は翌日)、棚卸日(毎月末)
- 駐車場:3~4台分(お店の側面にあります)
- 札幌店Facebook
- 札幌店LINE@
※札幌店では、今後様々なイベントを企画していくそうなので、気になる方は、FacebookやLINE@をチェックしてみてはいかがでしょうか?
- 離島キッチン 札幌店
- 札幌 / 和食 / ランチ
- 住所:札幌市北区北11条西1丁目1-25地図で見る
- 電話:011-374-7233
- Web:http://ritokitchen.com/
・『離島発 生き残るための10の戦略』(著者:山内道雄、出版社: NHK出版)
・WEBサイト「日本の国境に行こう!!」 https://kokkyo.info/
・「政府広報オンライン」サイト 特集 日本の離島と国境 https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/rito/index.html