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【栃木】街に山が出現!ユネスコ無形文化遺産の「山あげ祭り」って知ってる?

取材・写真・文:

トラベルライター

2017年3月26日更新

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写真:トラベルライター

栃木県の那須烏山市で開催される「山あげ祭り」。このお祭りは、一般道路に舞台をつくり、舞台装置のひとつである「山」をあげ、歌舞伎舞踊の演目を上演するという、他に類を見ない「日本一の移動式野外劇」です。でも「野外劇」はわかるけど「移動式」って?道路に舞台をつくるってどういうこと?そんな疑問を解決するために、詳しくご紹介していきましょう。

この記事の目次表示

山あげ祭りの基礎知識

まずは「山あげ祭り」について、基礎的なことを解説していきましょう。

どこでやってるの?

このお祭りが行われるのは、栃木県の烏山町(からすやままち)です。現在は那須烏山市になっていますが、ユネスコには、「烏山の山あげ行事」として登録されています。

県庁所在地の宇都宮からは車で40分ほど、烏山線で50分ほどです。この烏山の中心地区で「山あげ祭り」は行われます。

いつやってるの?

毎年、7月の第4土曜日を含む、金・土・日の3日間です。毎年「当番町」が決まっており、これは6町(元田町・金井町・仲町・泉町・鍛冶町・日野町)が持ち回りで担当します。

どんな由来があるの?

烏山は城下町ですが、1560年(永禄3年)に、ときの烏山城主・那須資胤が牛頭天皇を烏山に勧請しました。その祭礼の奉納余興として、相撲や神楽獅子などが行われたのが始まりです。現在では、地元民による「烏山山あげ保存会芸能部会」の踊り手たちが所作狂言(歌舞伎)を演じています。

「移動式野外劇」ってなに?

それではいよいよ、気になる「移動式」について解説していきましょう。

このお祭りは3日間続くのですが、その間、1日に6回ほど歌舞伎舞踊を上演します。その上演場所が、毎回変わるのが特徴です。例えば、7月24日の10時からは〇〇銀行の前、次の13時からは〇〇医院の前、という具合です。

そして、その〇〇銀行の前は空き地などがあるわけではなく、普通の道路になっています。その何もない道路に舞台を組み立てて、そこで歌舞伎舞踊を上演するのです。その際、舞台背景として「山」があがります。「山があがる」といってもイメージが湧かないかもしれませんが、これは竹と和紙で作った、最大で高さが10mを超える「山」が描かれた舞台背景なのです。

  • 写真:トラベルライター山のしかけのひとつ

何もない道路に舞台や背景を組み立て、歌舞伎舞踊を上演し、終われば解体して、次の上演場所まで移動して行き、そしてまた組み立てる…お祭りの期間中はこの繰り返しです。こうして「日本一の移動式野外劇」が成立しているのです。

ちなみに、「道路で上演する」という特性上、この地域の道路標識には蝶番が付いていて、折りたためるようになっています。

舞台について詳しく知ろう

舞台装置は、木材・竹・和紙を使っており、全て手作りです。舞台の幅は7m、高さは10m、奥行きはなんと100mという大舞台。

正面から見て、歌舞伎舞踊が演じられるメインの舞台となる「地車」、その左手に「屋台」、右手には「太夫座敷」、地車の奥に「波・橋」、右手奥に「館」、左手奥に「前山」、館の奥に「中山」、そして一番大きな「大山」が正面の一番奥に鎮座します。

  • 写真:トラベルライター舞台を横から見ています

100名ほどの「若衆」と呼ばれる人たちの、一糸乱れぬ団体行動によって、これらの舞台装置が遠近よく配置され、舞台背景として作り上げられていきます。この舞台装置を、公演のたびに組み立て・解体を繰り返しますので、どれだけ早く、正確に組み立てられるかが勝負です。

「山あげ祭り」の見どころ

まずは舞台!

舞台で行われる歌舞伎舞踊の主な演目は「将門」、「戻り橋」、そして地元烏山の民話が元になった「蛇姫様」です。中でも人気が高いのが「将門」で、序盤に登場するガマは、山あげ祭りのシンボルのような存在です。

  • 写真:トラベルライターガマに乗って滝夜叉姫が登場

背景となる山の造形も当番町によって違います。その違いを見るのも、毎年の楽しみのひとつです。

若衆にも注目!

舞台の組み立てにも機械の力は使わず、「山」をあげるときも人の力だけで動かします。若衆が力を合わせて山をあげる様は、一見の価値ありです。

また舞台装置そのものも手作りで、音響や照明など、一部で電力も使われますが、上演中にその仕掛けを操作するのもほとんどは人の力で行われます。

  • 写真:トラベルライター雲に乗って逃げていきます。こういった仕掛けも全て人の力で動かします。

まずは正面から歌舞伎舞踊を見てから、次の回では後ろにまわって舞台の組み立てを見るのも、通の楽しみ方です。

ブンヌキ

  • 写真:トラベルライターこれからブンヌキが始まります

ブンヌキとは、各町の屋台が集まり、お囃子を競演する事です。音の大きさ、リズムの良さ、持続力などを競い合います。囃子方の途中交代は一切なく、約30分間、太鼓も笛も鉦も懸命に演奏します。若衆も周りで雄たけびを上げ、景気を付けます。

お神輿

お祭りですので、お神輿も出ます。江戸神輿などと違い、移動スピードはかなり速く、あっという間に駆け抜けていきます。

おわりに

いかがでしょうか。移動する舞台という不思議なお祭りを、少しはご理解いただけたでしょうか。現在の形態になるまでに時間はかかっていますが、それでも450年余り続いているお祭りです。

夏の暑い時期ですから、脱水や熱中症に気を付けて、ぜひ楽しいお祭りを見て来て下さいね。

山あげ祭り
栃木 / イベント・祭り
住所:栃木県那須烏山市金井2丁目5番26号 山あげ会館(那須烏山市観光協会)地図で見る
Web:http://www.nasukara-yamaage.jp

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※この記事は2017年3月26日に公開した情報です。
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