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【バンコク・イッサヤー】エルブジや椿山荘で修業したタイ人が織り成す回帰タイ料理とは

Madam Satoko

2017年1月25日更新

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一時期は「世界一予約が取れないレストラン」として名を馳せたバルセロナのエルブジや、東京の椿山荘といった世界的に有名なレストランには、各国から腕自慢のシェフが集まり学びさらに上を目指すもので、もちろんタイからも修業に行っています。今回紹介するバンコクのレストラン・イッサヤーのシェフもその一人。有名店での修行経験があれば、そのまま海外で活躍できる場も山とある中、タイへ凱旋し、敢えて地場料理であるタイ料理を織り成す理由とは?タイ人が海外での研鑽の場から見た、タイ料理への回帰とはどんな物なのでしょうか。

バンコクでも指折りの予約が難しいお店

オーナーシェフであるイアン・キティチャイ氏は、タイ版「料理の鉄人」で一躍有名になりました。現在の活動の中心の場である「Issaya Siamese Club」は、2016年に「アジアのベスト50レストラン」にも選ばれるほどの実力店。

テーブルの予約は非常に難しく、ディナーは2~3週間前あたりから完売。バンコクでも「是非行っておきたいけれども、早く手堅く予約の必要なお店」の一つであることは間違いありません。

ディナーは席確保が中々難しいのですが、それでもランチはまだなんとかなる日もあるとのこと。メニューも夜と同じセットメニューを楽しめるので、「イッサヤーに行く候補日」を2~3日挙げて、希望の人数で取れた日に訪問、という柔軟性を持たせたスケジュール感で行きましょう。

タイらしさはまず場から創り出す

お店は昔ながらのタイの富裕層の邸宅を使用しています。都会の真ん中に広々とした庭、どっしりした佇まい。バナナやヤシの木の横を通ってお店へ行きます。

店内は南国らしくコントラストがはっきりし、花が鮮やかに咲いているのが目に入ります。

カップルで、ゆったり座りたいご両親に、素敵なソファー席もあります。こちらも南国風のポップな仕上がりで、楽しい食事が出来そうですね。

2階のダイニングルームは「おお、ドラマで見たことがあるようなお金持ちの家のダイニングルーム」というダイニングルームです。

さて、こんな贅沢な邸宅で味わうタイ料理、どんなものでしょうか。


海外での研鑽から得たタイ料理への回帰とは

タイ人は何をどのように食べるのか。外国人の観察とタイ人の観察は、違う事が多いでしょう。外国人シェフを筆頭とするタイ料理店も多いのですが、こういったお店はどこかしらきっとこうだろう、こうだといいな、という点も含まれている「タイらしさ、アジアらしさ」を求める傾向が見受けられます。

それがある種の美しさを生み出すのも事実ですが、さて子供の頃からタイ料理を食べていたタイ人本人が研鑽から得た回帰とはどんなものでしょうか。今回は、コースで頂いた内の研鑽を感じさせるメニューを選んでご紹介します。

海外での研鑽から得た回帰①前菜は卵やお野菜など一口でつまんで

前菜、というとサラダだったりスープだったり“軽いもの”または“空腹を和らげるもの”が主体となります。

しかし、この卵やお野菜といった一口サイズの前菜は、極々小さな空腹を和らげるというよりも、むしろ「さらに空腹感を感じるもの」というところでしょうか。

カトラリーを使わず食べられるところは、タイ人がタイの食生活を外から見た時に「箸もフォークもスプーンも本来はタイのものではない」と気が付きこのスタイルにしたのでしょう。

そしてこれは、南スペインのアンダルシアのバルで提供される、「タパス」からもヒントを得ているのでないかと推測します。

海外での研鑽から得た回帰②生後220日のベビーポークベリー、子豚のバーベキュー

一口食べた時すぐ思い出したのは、スペインのセゴビアの名物料理・子豚の丸焼きでした。臭みが全くなく、やわらかでジューシーなベリー(三枚肉)、軟骨は食感のアクセントになるほどの柔らかさ。

セゴビアでは生後6~8か月の子豚を使っていましたのでお店の人に確認すると、このメニューは生後220日=7か月程度に限定して使用とのこと。

これはスペインのバルセロナにあるエルブジで研鑽していたイアン氏が、セゴビアでこの名物料理を食べた際、タイの屋台にもある骨付き三枚肉のタレ漬け炭火焼きを「どうにかもっと素材を生かして、原型はタイ料理ながらも、全く一線を画くした料理に出来ないものか」と、考え回帰して生まれたのだと勝手に推測します(笑)。たぶん遠からずだと思います。

海外での研鑽から得た回帰③辛いものは辛く、スパイシービーフサラダ

タイ人自身が「外国人は辛いものが食べられないですよね」と辛さ控えめにすることは多くあります。イアン氏は“そうやって本来のその料理の特長が他者に迎合し失われている”、という気づきがあったのか、このビーフサラダは滅法辛い!

タイ料理になれているはずの私にとっても「おお、辛いね」と思う物でした。そうやってひーひー言いながら食べるのも、本来のこの料理への回帰なのかもしれません。

また、タイ料理は通常お肉やお魚は完全ウエルダンで提供されるのですが、これはきっと日本のかつおのたたきから編み出された、新しいメニューと感じました。かつおの表面を炙り、もみじおろしで食べる時の、表面を炙った香り、生のおいしさ、ピリ辛での刺激など、随所に研鑽の跡が垣間見えます。

海外での研鑽から得た回帰④タイ伝統の味ジャスミンライスゼリーが進化、ジャスミンパンナコッタ

タイでは「ジャスミンライスの***」という製品は非常に多くあります。メナム川とメコン川というインドシナ半島の二大水脈を構えるタイでは、稲作が豊かに展開し、そこでは「香り米」と呼ばれる長粒種で粘り気の少ないお米が作られています。この香りがジャスミンの香りに似ている点から、ジャスミンライスと呼ばれています。

このお米はタイのデザートにも多数に使用されており、長く住んでいるとこの香りがするだけで「あ、タイの香り」と思うものです。

このお米を使ったパンナコッタとは?と思い一口食べると、よく知った味がした、と同時に、上質のクリームと牛乳を使った滑らかな口当たりに出会い、「タイのものだと見知ったものと、全く違う物の融合」を目の当たりにしました。

タイでは長らく酪農業は発達しなかった上に熱帯気候であるため、それほど品質の高くない牛乳を高温殺菌し、アルミパックに充填した常温保存のロングライフ牛乳が長年主体でした。

美味しい牛乳やクリームに接することなく海外へ行ったイアン氏が、新鮮な牛乳やクリーム類に接し「なんだこのおいしさは!」と驚き、研鑽されたことは想像に難くないでしょう。

それをどのようにタイのお菓子と融合させたのか、イタリアのティラミスやバルセロナのクレーマカタランあたりから、インスピレーションを見ることが出来ます。

タイ人が外からみたタイ料理の美点

狭く低い視野で生きている枠から、世界へ飛び出して研鑽された作品の数々。

タイ料理には結構詳しい、地方料理も結構食べている、という人も多いと思いますが、有名店を歴任した地元の人だからこそ発掘できたタイ料理の美点を成長させ、見えない力に導かれ守られているように新たな世界を展開しているイッサヤー、是非行ってみませんか。

料金:3種の前菜・4種のメイン・1種のデザートでお2人様3,000THB++
予約:ディナーの予約は早めに取りましょう。ランチは比較的取りやすく、ディナーと同じコースメニューを注文することが出来ます。
Issaya Siamese Club
シーロム通り / アジア料理
住所:4 Soi Sri Aksorn, Chua Ploeng Road, Sathorn, Bangkok.
電話:+66 2 672 9040
Web:https://www.issaya.com/

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※この記事は2016年12月12日の取材に基づき公開した情報です。
 記事内容については、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。

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