ベルギーの港町、アントワープ。多くの歴史的建築物が残る伝統的な町ですが、ひときわ有名で目をひくのが、ノートルダム大聖堂ではないでしょうか。ノートルダム大聖堂といえば、あの『フランダースの犬』の物語のラストシーンの舞台になったところです。教会でネロがパトラッシュと息をひきとり、天使たちに天国へ連れていかれるシーンはとても感動的で有名です。今回は、美しく荘厳なノートルダム大聖堂をご紹介します。
この記事の目次表示
1. アントワープへの行き方
アントワープ(アントウェルペン)は、ベルギーの首都ブリュッセルから鉄道(インターシティ)で約40~50分のところに位置している町です。
アントワープ駅からノートルダム大聖堂までは、徒歩で約20分ほどです。アントワープ駅前の通りを西へ歩いていくと、大聖堂が見えてきます。
- アントワープ中央駅
- ベルギー / 駅・空港・ターミナル
- 住所:Koning Astrid Plein, Antwerp 2000地図で見る
- Web:http://www.belgianrail.be/en/stations-and-train/se...
2. 『フランダースの犬』の物語について
『フランダースの犬』の話を全て知らないという人でも、おそらくラストシーンだけは見たことがあるのではないかと思います。ここではほんの一部を抜粋して、簡単にラストシーンをご説明します。
『フランダースの犬』のラストシーン
ルーベンスという画家に憧れていた主人公ネロは、絵のコンクールで優勝することで、絵の勉強をするための奨学金を得ようと考えていました。
しかし、育ててくれたおじいさんの死があったり、放火の犯人に疑いをかけられたりと辛い出来事が続きます。優勝を目指していた絵のコンクールも落選してしまいました。
放火犯に疑われたために村の人々からの信頼や仕事、家までを失い、失意と飢餓の中でノートルダム大聖堂へ向かいます。ずっと見たかったルーベンスの絵を見ることができ、「これだけで僕はもう何もいりません」といってネロは倒れ、愛犬のパトラッシュと共に息をひきとります。
ベルギーと『フランダースの犬』
日本では有名な『フランダースの犬』ですが、ベルギーでは最近まであまり広く知られた物語ではなかったそうです。『フランダースの犬』の作者がイギリス人で、ベルギーでは本になっていなかったのだとか。
また、あまりにも悲しい結末であるがゆえに、ベルギーの人々にはあまり好まれていないのだそうです。ノートルダム大聖堂の前には、観光客向けなのか、穏やかな表情で眠るネロとパトラッシュの像があります。
3. ノートルダム大聖堂
ノートルダム大聖堂は、1352年から約170年の年月をかけて建設されました。塔の高さは123mもあり、町中の至るところから大聖堂を遠目に見ることができます。アントワープの象徴的な建物と言えるでしょう。
大聖堂の内はとても広く、神聖な空気で満ちており、まるで美術館であるかのように多くの絵画が飾られています。中でもルーベンスの傑作とされる祭壇画の前には多くの人が集まっています。
ここでは、ルーベンスの3つの傑作絵画をご紹介します。
キリスト降架
「キリスト降架」では、磔の刑にあったイエスの亡骸が降ろされる場面が描かれています。青い衣装をまとっているのはマリア、赤い衣装を着ているのはイエスの弟子ヨハネ、イエスの足を持つ横顔を描かれているのが金髪の女性マグダラのマリアです。
『フランダースの犬』でネロとパトラッシュが息をひきとったのが、この「キリスト降架」の前です。
キリスト昇架
「キリスト昇架」は、「キリスト降架」と対照的な場面で、男たちがキリストを十字架にかけようとする様子が描かれています。
聖母被昇天
教会の中央には、「聖母被昇天」の絵。聖母マリアが天に上げられる様子を描いた絵です。「キリスト降架」「キリスト昇架」と比べると、鮮やかな色使いです。
「被昇天」という言葉についてですが、イエスの場合は自ら昇っていくので「昇天」と言われるのに対し、聖母マリアの場合はイエスの導きや天使の力で昇っていくので「被昇天」という言葉が使われます。
おわりに
厳かな雰囲気の大聖堂で、傑作の絵画を鑑賞することは、旅の貴重な思い出になるはず。ぜひ『フランダースの犬』を思い出しながら、ノートルダム大聖堂を訪ねてみてくださいね。
- ノートルダム大聖堂
- ベルギー / 社寺・教会 / 教会
- 住所:Groenplaats 21, Antwerp 2000, Belgium地図で見る
- 電話:03213-9951
- Web:https://www.dekathedraal.be/nl