日本ではまだ流行っていない、鉄道に自転車を乗せるというコンセプト。ヨーロッパの多くの国では環境や健康への配慮から普通のこととなっており、またこのアイデアを旅に用いることで、多くのメリットも生まれます。長距離移動にはバスよりも快適で利用しやすい鉄道を選び、短距離移動には好きな時に好きな所へ行くことのできる自転車を利用すると、とても自由にかつ比較的安く旅をすることができます。今回は、そんな鉄道×自転車旅をおすすめする理由と、メリットについて紹介します。
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長距離の旅は快適で初心者でも安心な鉄道がおすすめ
バスと比べて鉄道は、初心者でも使いやすい移動手段です。鉄道駅を探すのはバス停を見つけるよりも簡単ですし、時刻表や値段などの情報も、通常は現地で比較的簡単に取得できます。よほど小さい駅でない限りは係員がおり、分からないことがあればいつでも質問できます。
トイレや売店、待合室などがあることも多く、待ち時間があっても比較的快適に過ごせます。
バスとは違って座席周りのスペースも広く、荷物もたくさん運べ、一部の通勤列車などを除けばトイレもあり、快適さではバスの比べ物になりません。のびのびと座って疲れてきたら列車内を歩いてストレッチ、なんてことも簡単です。
長距離列車にはレストランやバーが備え付けられていることも多く、ゆっくりと食事をしながら車窓を楽しむなんてことも、風情があっていいでしょう。
短距離移動は自転車で自由気ままに
自転車は非常にエネルギー効率の良い交通手段であり、短距離の移動には特に向いています。目的地まで歩けば30分だとしたら、自転車なら10分もかからず移動できます。環境に優しいと同時に健康にも良い交通手段であり、罪悪感なく移動できて嬉しいですね!
公共交通やタクシーに頼らずに移動できるため、好きな時に好きな場所にお金をかけずに行き、寄り道や写真のためにちょっと止まる、なんてことも自由にできます。バスの中から面白そうなお店を見つけたけど手遅れ、次のバスまで待ちたくない、なんて経験はありませんか?自転車ならそんなことはありません!
鉄道と自転車という二つの交通手段を組み合わせることで、長距離はゆったり鉄道で移動し、目的の駅に着いたらそこから自転車で好きなように移動することができます。多くのヨーロッパの駅には通常改札がないので、乗り換えに少し時間があれば駅の周辺をサーっと自転車で回る、なんてこともできちゃいます。
スイスや北欧など物価の高いところでは、バスに一度乗るだけで400〜500円ほどかかることもありますが、自転車なら気にせずどこでも回れます。
ちなみに裏技ですが、国をまたぐ直通列車の場合、国境を超えると料金が高くなることがあり、もし国境を挟んだ駅同士の距離が短ければ、国境直前の駅まで切符を買い自転車で国境を超え、国境後の最初の駅で国内列車の切符を買うと半額以下になる、なんてこともあるので足に自信のある方は是非お試しあれ。
折り畳み自転車でさらに自由度アップ
どこでも簡単に持ち運び
折り畳み自転車は多くの場合手荷物として扱われるため、通常の自転車を列車に運ぶ際に必要になることが多い自転車チケットを買わずに済みます。通常サイズの自転車は運ぶことのできない列車でも、折りたためば問題なく持ち運べます。
ただし、場合によっては折り畳み自転車でも公式には持ち込めない場合(中国の鉄道やマレーシアの一部の列車など)や、一般の手荷物でも大きなものは特別な手荷物として追加料金を払う必要がある場合、または折り畳み自転車は持ち込み可能だがカバーをかける必要がある場合(スイス)などがあり、鉄道会社の規則を事前に調べることをお勧めします。
不測の事態でも安心
天気が悪かったらどうしよう、上り坂が多かったらどうしよう、自転車が壊れたらどうしよう、なんてことが心配ですか?駅から離れたところで何かあっても、折り畳み自転車ならサッと畳んで公共交通に乗せられると思えば安心です。
人との交流につながることも
場所によっては折り畳み自転車がとても珍しく、駅で自転車を畳んでいると「これいくらするの」、とか「へえ、便利だね」なんてことを言われて現地の人とおしゃべりをする機会にもなってさらにおすすめです!