タイ旅行といえば、真っ先に思い浮かぶのが象乗り体験。「象とふれあい、乗ってみたい!」と誰もが思うはずです。しかしそんな象達にも、虐待や重労働が強いられているといった悲しい現実があります。「エレファント・ネイチャーパーク」では、タイの象保護の実情を学ぶことができます。
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古代から人間のために働いてきた象たち
タイと象は切っても切れない深いかかわりがあります。古代には戦いの乗り物として用いられ、近年では森林で伐採された木材の運び出しの仕事を行ってきました。1989年に森林伐採が禁止されてからは、観光業に携わるようになり、観光客を乗せたり、ショーを行ったりするようになりました。
悲しいことに、一部の飼い主たちによって、鋭い棒でひどく突かれたり、たくさん働かせるために薬物を与えられるなどの、象に対する虐待や強制労働といった問題が起こるようになりました。現在、タイ各地でそのような象たちの保護が行われるようになっています。また、重い鞍や人を乗せないようにしている施設も増えてきました。
「エレファント・ネイチャーパーク」について
「エレファント・ネイチャーパーク」は、チェンマイ市内から約60キロ北にある「メーテーン」という村にあります。幹線道路から山道を進んでいくと、あちこちに象と触れ合える施設の看板があり、象と村との深いつながりを感じます。
「エレファント・ネイチャーパーク」では、90頭もの象を保護しているとのことですが、それほどたくさんの象がいるとは思えないほど広大な敷地で、一頭一頭がとても大切に飼育されています。
象の他にも、数百匹の犬や猫、水牛、馬などが保護されています。こちらも、タイ各地で起きる洪水、事故、虐待などから保護された動物たちです。
2時間の見学ツアーに参加できる
「エレファント・ネイチャーパーク」では、施設の見学ができる2時間のツアーがあります。象たちを怖がらせないよう、距離を保って見学をします。
比較的人間を怖がらない象には近づいて、スタッフの説明を聞くことができます。ちなみにこの象は、長年の強制労働によって、脚が悪くなってしまったそうです。
また、象たちが食べ物に集中している間に、近づいて一緒に記念撮影することも可能です。筆者の隣の象は、カメラのフラッシュによって目が見えなくなってしまったそうです。
象たちの水浴びを見学していると、こんなに近くに来てくれる象もいました。間近で見る象はやはり迫力満点です!穏やかな象たちですが、スタッフの指示に従って、無理に触って驚かせたりしないよう注意が必要です。
あっという間の2時間ですが、施設は広く、炎天下での見学になるので、日傘や水分をこまめに摂る必要があります。無理せず木陰で休んだり、途中で帰っても大丈夫です。
訪問して知ることから始まる支援
筆者は長くタイに住んでいますが、今まで象の虐待の事はなんとなく聞いたことがある、という程度でした。今回この施設を訪れたことで、現実に苦しんでいる象を目にし、とても胸が痛みました。同時に、現在とても幸せに暮らすことができている象や他の動物たちを見ることができて、本当に良かったと思います。
施設内の売店では、グッズの販売、寄付の受付、象にバースデーケーキのプレゼントの申し込みができ、金銭面での支援をすることができます。
「エレファント・ネイチャーパーク」では、このような見学だけではなく、一日や半日、または宿泊して、象や他の動物たちの世話を体験することも可能です(有料)。チェンマイ市内の事務所で申し込むことができます。動物たちの幸せについて考える良い機会になると思います。
- エレファント・ネイチャーパーク・オフィス
- チェンマイ / その他スポット
- 住所:1 Ratmakka Road, Phra Sing, Chiang Mai 50200, Thailand地図で見る
- 電話:053 272855
- Web:https://www.elephantnaturepark.org/
- エレファント・ネイチャーパーク
- チェンマイ / 動物園
- 住所:Kuet Chang, Mae Taeng District, Chiang Mai 50150地図で見る
- 電話:053272855
- Web:https://www.elephantnaturepark.org/