岐阜市の夏の風物詩と言えば、長良川の鵜飼。かがり火が川面を照らす中、伝統装束に身を包んだ鵜匠が、巧みに鵜を操り、漁を披露する姿は、幻想的な世界です。記事では、鵜飼の歴史や楽しみ方をご紹介しましょう。
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長良川鵜飼の歴史
鵜を巧みに操り、川にいる魚を獲る漁法のことを鵜飼といい、鵜を操る漁師を鵜匠(うしょう)、漁につかう船を鵜飼船といいます。日本書紀や古事記に記されているほど長い歴史を持つ鵜飼ですが、戦国時代には、織田信長が鵜飼を見物して感動し、「鵜匠」の名を授けたと言われています。
その後は、徳川家康も岐阜を訪れ、鵜飼を見物。その時に食べた鮎鮨を大変気に入り、幕府への献上を命じたと伝えられています。このように、時の権力者たちの庇護を受け、自然条件に恵まれたことで、この地で長い間継承されてきたのです。
鵜飼は、国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、鵜匠の「ホウホウ」という掛け声や船べりをたたく音は、環境省の日本の音風景百選に選ばれています。
鵜匠は宮内庁職員
明治23年(1890年)に、鵜匠は宮内庁の管轄下に身をおく宮内庁式部職(くないちょうしきぶしょく)という肩書きが与えられ、上流には御料場(ごりょうば)も設置されました。そこで獲れた鮎を宮内庁や伊勢神宮、明治神宮に納めるための御料鵜飼は、年に8回行われています。
長良川で任命されている鵜匠は6人で、誰もが就ける職業ではなく、世襲制で1家に1人、鵜匠家に生まれた男性のみ跡を継ぐことになっています。
鵜飼船に乗るには?
岐阜市のホテルや旅館で申し込む方法もありますが、個人での申し込みも可能です。ここで鵜飼船観覧の流れを簡単に説明します。
- 1. 鵜飼観覧船事務所にて受付をし、乗船時間の予約をします。
乗船時間は、18:15出船 18:45出船 19:15出船の3種
- 2. 乗船時間に集合し、乗り場にて鵜匠による鵜飼の説明を受けます。
- 3. 出船後、鵜飼観覧
- 4. 20:30頃下船(下船時間は乗船時間に関わらず一律)
※御料鵜飼の日は、時間変動あり
鵜飼の楽しみ方
船の中でのお弁当も楽しい
食事を終えてから乗船しても、もちろん良いのですが、好みのお弁当を持参して、船上で頂くのも楽しい思い出になります。鵜飼船の予約時にお茶とお弁当付きの申し込みをすることも可能です。(お弁当&お茶付のおまかせパック 大人¥5,500)
ちなみに、お弁当を開くのは、船が観覧場所に到着してからがお勧めです。早い時間の船を選ぶと、出船してから漁が始まるまでの待ち時間が結構あるので、川面でゆっくりとお食事を楽しんでください。
水分補給用の飲み物もお忘れなく。お酒の持ち込みも可能ですし、トイレ専用船(近くに停泊している)もあるので、安心です。
漁にもいろいろ
観覧船と鵜飼船1隻とが、並走して川を下るのを狩り下り、鵜飼船が川幅いっぱいに横一列になり、一斉に漁をするのを総がらみと呼び、鵜飼のクライマックスとなります。
最後に、鵜飼船が屋形船の間近に来てくれるので、鵜の大きさなどに改めてびっくりさせられたりします。
ワンポイントアドバイス
鵜飼は、暗闇の中、赤々と燃えるかがり火の中で漁をするものです。夜空と川面に揺れるかがり火の美しさを味わうためにも、できれば満月以外の夜に楽しみたいですね。
また、春と秋は、肌寒い日もあるので、1枚羽織るものがあると良いでしょう。真夏は風がない日もあるので、扇子や団扇は必需品です。
乗船しないで楽しむ方法
遠目なので、鵜飼そのものの迫力は感じられませんが、橋の上や長良橋上流側北岸の、長良川プロムナードからも鵜飼の雰囲気は、楽しむことができます。
鵜飼観覧船の概要
鵜飼開催期間
例年5月中旬~10月中旬
※屋根つきなので、雨天時も運行しますが、増水などで欠航もあり
予約方法
- インターネットでの予約も可能です。
- 電話での予約:058-262-0104
料金
- 土日祝日 18:15、18:45、19:15出船 大人3,500円 小人1,800円
- 平日 18:15、18:45出船 大人3,500円 小人1,800円
- 平日 19:15出船 大人3,200円 小人1,800円
※大人は中学生以上、小人は3歳以上、小学生以下
アクセス
- 電車・バス:JR岐阜駅または名鉄岐阜駅より岐阜バス「高富行き」「市内ループ線左回り」バス停「長良橋」下車
- 車の場合の最寄りIC:岐阜各務原I.C、宮木曽川I.C、宮東I.C
- ぎふ長良川鵜飼
- 岐阜市 / 観光名所 / 体験・アクティビティ
- 住所:岐阜市湊町1-2地図で見る
- 電話:058-262-0104
- Web:https://www.ukai-gifucity.jp/ukai/