ハワイ最大級のヘイアウ(神殿)である「プウコホラ・ヘイアウ」は、カメハメハ大王のハワイ統治に関わる歴史的に重要なスポットで、今も神聖な儀式が行われる場でもあります。ハワイアンの歴史の息吹を感じるヘイアウをご紹介します。
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ハワイ諸島統治の歴史を見てきたプウコホラ・ヘイアウ
プウコホラ・ヘイアウ国立史跡公園は、ハワイ島北側コハラ地区にあります。コナ国際空港から車で約40分ほどで、ワイコロアなどのリゾートホテルに滞在する場合はとてもアクセスしやすいです。プウコホラとはハワイ語で「クジラの丘」という意味で、ヘイアウは「神殿」を意味します。冬になるとこの丘からクジラが見えることがその名前の由来です。
このプウコホラ・ヘイアウは、ハワイ最大級と言われています。ヘイアウがあるのは、ビジターセンターもある国立史跡公園内ではありますが、入場料などはなく、年中無休でいつでも見に行くことができます。ヘイアウ内へは立ち入り禁止ですが、その広大な敷地と、縦75m横33mに及ぶ大量の岩が積み重ねられた神殿の姿は見ているだけでも圧巻です。
カメハメハ大王のハワイ統治に重要な役割を持つヘイアウ
このプウコホラ・ヘイアウは、カメハメハ大王が指揮を執り建てたものです。「プウコホラの地に戦いの神クー・カ・イリモクをまつるヘイアウを建てることができれば、ハワイ諸島を統一し王となる力を授かる」というカフナ(ハワイ語で神官の意味)の予言に基づいて、1790年から1791年にかけて造り上げられました。
カメハメハ大王は数千人の労働者を従えて、25マイル(40km)も離れた精霊の宿る谷といわれるポロルの谷から、コハラの山を越えて運ばれた石を積み重ね築造しました。
そして、完成から4年後の1795年にカメハメハ大王は南のハワイ島からオアフ島までを手中に治め、さらに5年後の1810年にカフナの予言通りハワイ八島全ての統一を成し遂げました。
ちなみに原則的にハワイに建てられているどのヘイアウも中に入ることはできません。さらにこのプウコホラ・ヘイアウは現在でもハワイアンの大切な儀式の際には利用されており、神聖な場所となっています。観光案内板もありますが、公共施設ではなく神聖な場所であることを認識したうえで見学しましょう。
海に沈んだヘイアウも
このプウコホラ・ヘイアウ国立史跡公園には、プウコホラ・ヘイアウのほかに「マイレキニ・ヘイアウ」と「ハレ・オ・カプニ・ヘイアウ」というヘイアウもあります。
マイレキニ・ヘイアウの歴史的背景はあいまいな部分が多いですが、カメハメハ大王の治世中は要塞として改築された時期もありました。一方、ハレ・オ・カプニ・ヘイアウはサメの神を祀っています。沖合に沈んでしまい今日では見ることができませんが、ハワイアンにとってサメは身近な存在であり、海からの伝言者であったことから航海の守り神でもあったようです。
おわりに
ヘイアウ以外に大きな建物はなく、視界が広いため解放感に溢れています。何もないという贅沢を味わえる場所でもあります。公園内は日陰になるような場所はありません。帽子やサングラスなどの日除けは必須です。朝早くいくか、夕暮れどきがおススメです。とくに夕暮れ時は幻想的で、タイムスリップしたような感覚を味わえるかもしれませんね。
歴史好きな人はもちろん、散歩やただただぼーっとするだけでも癒されることでしょう。ハワイ観光で詰め込みがちなスケージュールに、神聖な場所での空白のような時間を組み込んでみてはいかがでしょうか。
- プウコホラ・ヘイアウ国立史跡公園
- ハワイ島 / 遺跡・史跡
- 住所:Pu'ukohola Heiau National Historic Site 62-3601 Kawaihae Road Kawaihae, HI 96743地図で見る
- Web:https://www.nps.gov/puhe/index.htm