知多半島随一の日の出スポットとして有名な師崎に、羽豆神社(はずじんじゃ)はあります。伊勢湾から三河湾まで180度以上の眺望は見ごたえがあり、ご祭神である建稲種命(たけいなだねのみこと)は毎日のように岬をめぐり景色を楽しんだとか。尾張の国づくりにも関係する羽豆神社から、魚を堪能する食堂や知多半島で一番人気のケーキ屋さんをめぐる、ドライブ旅をご紹介します。
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岬からの絶景を望む羽豆神社
日本武尊の旗頭である建稲種命(たけいなだねのみこと)がご祭神
まずは羽豆神社を語る上では欠かせない、ご祭神である建稲種命(たけいなだねのみこと)についてご紹介しましょう。
建稲種命の父は、熱田神宮の南端に鎮座する上知我麻神社(かみちかまじんじゃ)に祀られる乎止與命(おとよのみこと)であり、尾張の祖神とされています。母は、熱田神宮の北西の角にご鎮座されており、日本武尊が当地に遺した草薙剣(くさなぎのつるぎ)を篤く護持されています。
日本武尊(やまとたけるのみこと)は、尾張三宮である熱田神宮のご祭神であり、愛知県尾張地方とは深いご縁のある神様です。そしてこの日本武尊の副将軍を務めていたのが、建稲種命でした。羽豆神社のある師崎の地を拠点に、水軍を率いていた建稲種命ですが、東征成功の帰途に珍しい海鳥が飛ぶのを見て、日本武尊に奉納しようとして駿河の海に落ちて水死してしまいました。
こちらの羽豆神社のほかに、亡骸が流れ着いたとされる海岸を見下ろす三河吉良町にも、文字違いの幡豆神社(はずじんじゃ)があります。
妃である玉姫が夫を待ち焦がれた師崎
凱旋の途に帰らぬ人となった建稲種命ですが、この岬から広がる景色は、帰りを待ち焦がれた妃である玉姫の悲しみが青い海に溶けているようです。一の鳥居を入り右側に羽豆宮があり、左側にこんもりと小山があって、愛しい夫の方を向くように玉姫が鎮座されています。
伊勢湾と三河湾を一望!絶景神社
熱田神宮との関わりも深く、歴史のある羽豆神社ですが、境内から伊勢湾と三河湾を一望できる絶景が見られる神社としても有名です。
右に広がっているのは伊勢湾で、その向こうには伊勢神宮があり、鳥羽に続く海路がありました。また、左に広がる三河湾方面をみると日間賀島や篠島、佐久島を眺めることができます。
穴子(アナゴ)丼を食べるなら「食堂かねだい」へ
知多半島の海の幸と言えば、フグやタコ、シャコ、大あさりも有名ですが、美味しいアナゴを求めて足を延ばすこともあります。特に、この地方ではメジロと呼ばれる穴子を干したものがあり、あぶっていただくと本当に美味しいごちそうとなります。
旬が6月~8月と言われる夏穴子ですが、羽豆神社の近くにある「かねだい」では、9月くらいであっても楽しむことができます。穴子天丼なら一年中いただけますが、アナゴのある季節であればやはり煮穴子丼を堪能するのがおすすめ。アナゴのほかにも、魚を使った定食もさまざま揃っています。
「かねだい」は、お昼近くなると行列ができる人気店ですので、時間に余裕をもって訪れましょう。お店から窓の外をのぞくと公園があり、その向こうに海が広がっています。小さいお子さん連れの方には、この公園がありがたいですね。
また「かねだい」のほかに羽豆神社近くには、特大エビフライで有名な「まるは本店」があります。こちらもエビフライのほかにも、海の幸を愉しむことができますよ。
- 食堂かねだい
- 南知多町(知多郡) / 魚介・海鮮料理 / ランチ / 海鮮丼
- 住所:愛知県知多郡南知多町大字片名字新師崎7-8地図で見る
- 電話:0569-63-0670
- Web:https://ikeuo-kanedai.co.jp/
- まるは食堂旅館 南知多豊浜本店
- 南知多町(知多郡) / ご当地グルメ・名物料理 / ランチ / エビフライ
- 住所:愛知県知多郡南知多町豊浜峠8地図で見る
- 電話:0569-65-1315
- Web:http://www.maruha-net.co.jp/shop/honten
知多半島で一番おいしいケーキをいただく
食後の楽しみは何と言ってもケーキ!知多半島で人気の「フレベールラデュ」もまた、行列店です。テラス席から海を眺められるロケーションの良さ。かわいい屋内外のつくりは、雑誌『25ans(ヴァンサンカン)』に掲載されたほどです。山側の窓からは白い洋館が観られて、ちょっと非日常感を愉しむことができます。
下の写真は、季節のフルーツタルトと定番のタルトタタン。ケーキの美しさもさることながら、華やかなパフェが目白押しのメニューにも釘付けとなります。
- フレベールラデュ
- 南知多町(知多郡) / カフェ・喫茶店 / ケーキ / パフェ / スイーツ
- 住所:愛知県知多郡美浜町北方字立戸14-1地図で見る
- 電話:0569-82-3568
- Web:http://fraisvert-radieux.com/
海を見に古代からつづく祭祀場に行くドライブ
穏やかでよく晴れた日に、海を眺めるととっても癒されますし、実際、冬の海風に身をさらすと風邪を引きにくいとも言われます。海を見ながら、古代の人もまた海にいろいろな思いを抱いたであろう物語を紐解きながらのドライブは、また格別なはずです。絶景を楽しめる神社をお参りしたあとに、海の物をいただき、甘くとろけるお菓子をほおばる旅を楽しんでみては?