香川県西部にある小さな町、仁尾町。かつては小京都と呼ばれたほど、海運の拠点として大いに栄えた町でした。現在はその面影を残した街並みがレトロで雰囲気がある場所に。そんな仁尾町の歴史をガイドさんに教えてもらいながら、一緒に食べ歩きをするツアーに参加してきました。知識もお腹も満たされる楽しいツアー「お徒歩で行く、仁尾なつかし味めぐり」をご紹介します。
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香川県仁尾町って、どんな町?
概要
- 出典:goo.gl香川県西部にある小さな町 仁尾町
仁尾町は香川県西部、庄内半島の付け根にある人口6,200人ほどの小さな港町です。みかんの栽培が有名で、海を見下ろす段々畑で、潮風と太陽の光をたっぷりと受けたみかんが美味しく育ちます。
最近では日本のウユニ塩湖と話題になった、父母ヶ浜がある町でもあります。
歴史
三方を山に、一方を海に囲まれた天然の良港であった仁尾町は、戦国時代には既に城下町として栄えていました。当時は船の交通がメインだったため、物資の積み出し港として、海産物、醤油、酢など何でもそろっていたそうです。「仁尾買いもん」と言う言葉が出来るほど、大勢が買い物に来るほど豊かな町でした。
さらに、江戸時代には物資が揃った仁尾町から、土佐の参勤交代の船を出すようになり、土佐で生産された「碁石茶(ごいしちゃ)」の販売権利を沢山のお店がもらい、さらに潤いました。後には、塩田業でも栄え、小さな町仁尾町から四国で1番の納税者を出すほどリッチな町だったそうです。
栄えていた、と一言で言っていますが、正しくは「並外れて」「とんでもなく」栄えていた様で、それほど小さな町は潤っていたのです。
しかし、廃藩置県で碁石茶の販売権利が紙切れとなり、メインの交通手段が船から汽車へ、そして車へと変わっていきます。仁尾町に電車は通らず、高速道路も通らず、ポツンと残されてしまったのです。そうなると、町は徐々に活気を失い、衰退していきました。現在はかつての店も約1割ほどしか残っておらず、空き家も目立つ町になってしまいました。
でもそこには、江戸から昭和の繁栄を残した、レトロ&ノスタルジックな街並みがありました。
「お徒歩(かち)で行く、仁尾なつかし味めぐり」ツアー
今回は、そんなレトロ&ノスタルジック漂う仁尾町をガイドさんと一緒に歩き、町の歴史や食を満喫する「お徒歩で行く、仁尾なつかし味めぐり」ツアーに参加しました。
仁尾町出身のガイドさんならではの、あるある昔話はとても面白く聞き入ってしまいます。そして、ゴール地点では、知識もお腹もパンパンに満たされる充実したツアー!
- パンフレットのダウンロードはこちら
以下では、ツアーで訪れたスポットの中で、興味深かったスポットをかいつまんでご紹介いたします。では、スタートです!
絶品揚げぱん!「伊藤製パン所」
おばあちゃんが作る懐かしいパン
おばあちゃんが一人で切り盛りする伊藤製パン所、通称「イトパン」。65年以上続くパン屋さんで、店構えから、パンの袋まで懐かしい感じがします。
月・木は菓子パン、火・金は食パン、水・土は揚げパンが並びます。戦後から変わらない味と形を守っています。
店内にはテレビ取材などのサイン色紙が沢山飾られていました。やっぱり人気店なんですね!
試食は絶品揚げぱん!
スタートしてすぐですが、さっそくこちらでパンの試食。試食と言っても、パン1個選んで食べる事ができますよ!一番人気はやっぱり揚げパン!種類は、こしあん、かぼちゃあん、さつま芋あんの3種類があるので、お好みで選んでくださいね。お友達とシェアしてもいいかも!
筆者は、こしあんを選びました。こしあんも甘すぎず、揚げたパンと、こしあんのバランスもばっちり!とても美味しくいただきました。
- 菓子パン・揚げパン 各110円
- 食パン 170円
揚げたての“てんぷら”にうっとり!「仁尾蒲鉾店」
瀬戸内海の獲れたての魚を贅沢に使用!
店内に入ると、直ぐ作業場になっていて、目の前で天ぷらを形成し、揚げているのを見る事ができます。地魚のグチやエゾ、エビなどを贅沢に使用していて、エビが多い日はほんのりピンク色になるとか。
あつあつの天ぷらを試食
目の前で揚げた天ぷらを串に刺してその場で試食させてもらえます。
揚げたての天ぷらは味がしっかりしていて、塩分は控えめ、美味しく頂きました。瀬戸内海の地魚を使った揚げたての天ぷらなんて、贅沢ですね。
- 天ぷら1枚 100円 ※揚げる前のすり身を購入する事もできるそうです。
万寿柏が美しい「吉祥院」
平安時代創建のお寺とアナマ・ジュリー
吉祥院は平安時代創建の古いお寺で、讃州七福神めぐりのお寺の一つです。
かつては、幼稚園とし使用されていたそうです。
そして、香川県内で唯一、青い目をしたお人形アナマ・ジュリーが現存しているお寺でもあります。当日は見る事ができず、イベントなど特別な時にしか見る事ができないそうですよ。
盆栽の様な万寿柏(まんじゅはく)
まるで盆栽が大きくなった様な樹齢400年の万寿柏。木登りなど、幼稚園児の遊び場になっていたそうです。
江戸時代から続く薬屋さん「永徳屋」
この地域で唯一、江戸時代から、同じ場所、同じ薬を扱うお店を営まれている永徳屋。周りの建物なども合わせて、かなり雰囲気のある場所になっています。