三島・沼津・伊豆長岡
三島・沼津・伊豆長岡観光
日本最長の歩行者専用吊橋や海鮮グルメ、そして世界遺産

駅前にジオパーク!自然と歴史を学び、家族で遊べる三島市・楽寿園

取材・写真・文:

トラベルライター

2018年3月8日更新

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かつて小松宮彰仁親王の別邸として造営され、今は国の天然記念物及び名勝に指定されている有料の市立公園・楽寿園。東海道新幹線の停車駅でもある三島駅のすぐ近くに位置しながら、「伊豆半島ジオパーク」のジオサイトとしても認定されており、駅前とは思えないような自然豊かな森の中には、地質的に興味深いジオポイントがいくつもあります。子どもたちの大好きな動物や乗り物もあるので、家族で楽しむことができますよ。今回は、三嶋大社と並んで「三島といえばココ!」と地元の人に親しまれている楽寿園を紹介します。

この記事の目次表示

楽寿園の成り立ち

楽寿園のある場所は、古くは「小浜山」と呼ばれており、いくつかの寺院や神社が管理する土地でした。

明治23年に小松宮彰仁親王が小浜池一帯を別邸と定め、邸宅と庭園が建築されました。明治36年に親王が亡くなった後は、明治44年に朝鮮王族の世子(皇太子)李垠の別邸となりました。

大正末期に三島町への売却の話が出ましたが、町が購入できずにいたところ、名園が消えてしまうのを惜しんだ資産家で伊豆出身の緒明圭造が昭和2年に一括購入。その後、昭和27年に緒明氏と三島市の交渉が成立して、園は三島市の所有となり現在の楽寿園となりました。

楽寿園が、町家などに開発されることなく自然豊かな場所であり続けた背景には、このような歴史があるのです。

楽寿園の歴史を知る・体験するスポット

楽寿館

  • 楽寿館

楽寿館は、小松宮家の別邸と定められた際に建築された邸宅で、市の指定文化財です。60畳敷きの大広間「楽寿の間」を中心に、館内には明治時代の高名な画家たちによる210面にも及ぶ襖絵・天井画等が施されており、それらの絵は県の文化財になっています。

この館内の見学ツアーは1日6回行われているので、時間があればぜひ参加をおすすめします。ただし、館内は撮影禁止となっており、未就学児は入館できませんのでご注意下さい。

三島市郷土資料館

  • 写真:トラベルライター三島市郷土資料館

楽寿園の敷地内にある三島市郷土資料館は、三島市の歴史と民俗について、分かりやすい解説と展示がされています。1階が企画展示、2階と3階が常設展示です。

  • 写真:トラベルライター郷土資料館2階展示室

2階の展示室では、三島の職人や農家の暮らしについて展示されており、けん玉や折り紙など昔ながらの遊びを体験できるコーナーもあります。3階では、旧石器時代から現在までの三島の歴史や、東海道三島宿についても解説されています。

三島市郷土資料館
三島・沼津・伊豆長岡 / 博物館 / 歴史博物館
住所:静岡県三島市一番町19番3号地図で見る
電話:055-971-8228
Web:http://www.city.mishima.shizuoka.jp/kyoudo/

蒸気機関車の静態保存

  • 写真:トラベルライター蒸気機関車の展示

郷土資料館の目の前には、蒸気機関車C58形322号機があります。昭和17年に製造され、主に北陸で利用されていた機関車ですが、静岡県内の旧国鉄二俣線(現在の天竜浜名湖鉄道)も走っていました。

  • 写真:トラベルライター機関車の運転席

運転席に入って、実際に触れることもできます。

園内のあちこちにあるジオポイント

富士山の溶岩で形成された地形

  • 楽寿園の縄状溶岩 溶岩が流れる方向へ縄を巻いたような状態で固まった

楽寿園の地形は、富士山の溶岩で形成されています。

約1万7千年前に噴火した富士山の溶岩の一部が、箱根山と愛鷹山の間にある黄瀬川の谷を通って、駿河湾の方へ流れました。箱根山麓が西に張り出したあたりで遮られて止まり、そのまま固まったのが、ちょうど楽寿園周辺になります。

その後、自然と土砂が堆積して草木が生え、庭園として整備されるなど人の手も加えられましたが、楽寿園では今でもこの溶岩が露出している場所があちこちで見られるのです。

小浜の森の溶岩塚

  • 楽寿園内の溶岩塚

溶岩がどのように流れてきて固まったのか、その様子がよく分かるポイントの1つが、この「小浜の森の溶岩塚」です。

写真で見てみると、層が崩れたり折り重なったりしているのが分かるでしょうか?溶岩流の表面が冷えて固まり始めた時に、まだ固まっていない高温の溶岩が周囲から流れてきて、表面の固まった部分が餅のように押し上げられ、このような形の溶岩塚になったのです。

小浜池(こはまがいけ)

  • 水がない状態の小浜池

楽寿園の南側に広がる小浜池では、富士山からの伏流水と考えられる水が湧いています。そのため、この池の水を満たすのも枯らすのも自然任せであり、池の底が見えるくらいに水がなくなることもあります。水がない時には、池の底に溶岩が見えます。

昭和37年頃から水量が減り、現在は6~7年に1度くらいのペースでしか満水にならないそうです。水量が減った原因としては、水源から小浜池までの間が土地開発されたことにより、地下水が汲み上げられたことが影響しているのではないかと言われています。

  • 湧水に満ちた小浜池

梅雨時から秋にかけて水が湧くことがあるようで、水が多い時には、潤いのある美しい庭園風景を眺めることができます。小浜池の水位は、公園のwebサイトに毎日記されているので、チェックしてから行くといいかもしれません。

ふらっと訪ねた時に満水の池が見られたらラッキーなので、その日は良いことが起こるかも!?

家族連れにうれしい子ども向け施設も!

動物も、乗り物も!

  • 楽寿園のカピバラ

規模は小さめですが、カピバラ・アルパカ・ワラビー・レッサーパンダなどが見られる動物園があります。

  • 写真:トラベルライターどうぶつふれあい広場のまわりを豆汽車が走ります

うさぎやモルモットなどの動物とふれあえる広場があり、そのまわりを豆汽車が走ります。メリーゴーラウンドもあり、料金はどちらも1回100円です。

子連れにうれしいお休み処

  • 写真:トラベルライターお休み処「桜」の中にはキッズスペースも

お休み処が2箇所あり、「桜」にはキッズスペースがあります。食堂にもキッズメニューが用意されているので、小さい子どもがいる家族には嬉しい施設です。もうひとつのお休み処「紅葉」には、本を借りて読むことができるスペースがあります。

  • 写真:トラベルライターお休み処「桜」とウッドデッキテラス

屋外にも、ベンチに座ってゆっくりできる場所があるので、天気が良い日にはお弁当を持って外で食べるのもいいですね。

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