アンコール遺跡群の中でもアンコールワットはとても有名で、その名前は誰もが知っていることでしょう。しかし、実は世界遺産登録されている「アンコール遺跡群」は大小合わせてなんと600以上(!)の遺跡で構成されており、アンコールワットはその中の一部なのです。規模が小さいために目立たない、隠れた絶景スポットである美しいアンコール遺跡3つを独断でピックアップして紹介します。
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1.ニャック・ポアン
12世紀の後半、池に浮かぶ人工の島に築かれた神秘的な仏教寺院です。遺跡自体はとても小さいのですが、祠堂に至るまでの細く長い橋までの道のりは必見です。
池の水面が空の色を照り返して輝く景色はまさに絶景。
ニャック・ポアンはもともとは医療の目的のために設計された寺院で、古代の人たちは、これらの池に入り、沐浴することで病気が治ると信じていたそうです。その歴史がこの寺院の神秘性を引き立てているのかもしれません。
2.東メボン
10世紀に建てられたヒンドゥー教寺院。全体的に赤みがかった岩石で造られていて、四方を守る像の彫像が特徴です。
かつてはこの遺跡は巨大貯水池で基壇まで水につかっており、船で移動していたそうです。
今はまったくその面影はありませんが、最上階の祠堂の日陰で佇みながら、1,000年以上前のこの地を妄想してみてはいかがでしょう。
3.タ・プローム
ガジュマルの巨木が遺跡の到る所に絡み付く廃墟のような遺跡タ・プローム。12世紀末にジャヤーヴァルマン7世が仏教寺院として建立、後にヒンドゥー教寺院に改修された寺院です。
ちなみにジャヤーヴァルマン7世は、冒頭のニャック・ポアンやアンコール・トム等、数多くの寺院を建立しており、遺跡観光すると必ずその名前を耳にします。
タ・プロームはアンジェリーナ・ジョリー主演の『トゥーム・レイダー』のロケ地になったことで人気となり、アンコール遺跡群の中でもトップの人気スポットです。
が、ここでハイライトしたいのはタ・プローム内で有名なフォトスポットとされている場所の反対側の、大蛇のような巨大な根っこが這う回廊。
タ・プロームの中でも特に荒廃しているエリアで、崩れた柱がそのままになっていて、遺跡好き心をくすぐります。
人気のスポットで写真を撮った後、こちら側は駆け足で通りすぎてしまう観光客が多いのか、比較的空いていて、ゆっくり見ることができます。
周辺の遺跡と合わせて、一日ゆっくり回ろう
ご紹介したこれらの遺跡はアンコール遺跡群の有名どころが集まるエリアに位置していて、アンコールワットやアンコールトムの訪問の前後に立ち寄ることができます。
遺跡をめぐる場合はタクシー代わりのトゥクトゥクを一日チャーターして、ドライバーに相談してコースを組むとルートもおまかせできて楽です。料金は交渉次第ですが、郊外まで行かなければ15 USD(約1,640円)〜で一日付き合ってくれます。
また、アンコール遺跡群のあるシェムリアップは実は治安がとても良く、警察も多いので女性一人旅にもおすすめな場所です。観光客が多いためレストランなどの店も充実していて過ごしやすいので、ぜひ気軽に行ってみて欲しい町です。
おわりに
9世紀から14世紀にわたり東南アジアを支配したクメール王朝の残した壮大な遺跡群。アンコールワットだけではなく特徴ある遺跡をいろいろ周って、「自分のお気に入り遺跡」を見つけてみてはいかがでしょうか?