この記事の目次表示
外へ出てみましょう。
こちらは修復後ですので、ちょっと味気ないのは否めませんが、広い庭に面した回廊であり、元は柱の一つ一つにも繊細な細工が施してあったのだろうと想像します。
庭に多くの人が集まった時、この回廊に立った指導者はどのような話をしたのか、他国との争いとなったら兵士が集まり激励の言葉を掛け全員で必勝の誓いをしたのだろうか。宮殿と宗教施設は世界中どこでも常に歴史が発生し、人間ドラマを生み出す場所ですね。
同一の太さと長さの柱を作るとは尺取の概念があったこと、角柱であれば直角を知っていたこと、円柱であれば圧力に対する抵抗が角型よりも上であると知っていたこと、など様々な想像が浮かびます。
遺跡が私たちに語り掛けること
重機もコンピューターもない中で、数学と物理を駆使して生み出された遺跡を歩いていると、スマホが手元にないだけで簡単な足し算にも唸ってしまう現代人のほうが、もしかしたら退化しているのでないか?とも思います。
必ずしも「現代が一番ではない」ということに気づき、先人への尊敬を払いつつ、自分が長い歴史の中の一瞬の一コマであるのを知り、自分がいなくなってからも後世の人たちに過去の偉業を変わらぬ姿で伝え続けるとはどういう事なのか。遺跡が私たちに語り掛ける様々なことを楽しんでください。