お隣のイタリアやクロアチアに比べ、まだまだ日本人には知られていない感のあるスロベニア。行ってみると、そこは四国くらいの小さな国土に、名所が一杯につまった宝石箱のような国です。今回はそんな輝く名所のうち、ブレッド湖とボーヒン湖についてご紹介します。二つの自然の宝石は、実は驚くほど対照的。さて、あなたならどちらを選ぶ?
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絵葉書のような「アルプスの真珠」。思いっきりロマンティックなブレッド湖
白鳥が遊ぶ限りなく優雅な湖
より知名度が高いのは、ブレッド湖のほうでしょう。ユーゴスラビア王室が避暑地として別荘を構えるなど、古くからヨーロッパの上流階級に愛されてきました。白鳥が遊ぶ湖は、画竜点睛・聖マリア教会のある小島(ブレッド島)を抱いています。その景色といったら、まさに絵葉書そのもの。「アルプスの真珠」と古の人が呼んだのも納得の美しさです。
手漕ぎのボートでのんびりと
湖畔散策を楽しむこともできますが、ここはやはり、ブレッド島にむかってみましょう。環境に配慮し、島にむかうボートは昔ながらの手漕ぎ。
太い腕の船頭のおじさんのオールが、エメラルドグリーンの静かな湖面を揺らす。そんな他愛ない様子すら綺麗。
島につく20分ほどの間は、ただただ絶景にため息をつくもよし、世界中から来た同乗の観光客とおしゃべりを楽しむもよしです。私たちの場合、陽気なイタリア人たちと乗り合わせたため、歌声の響くようなにぎやかな一時になりました。そんな偶然も楽しみたいものです。
祈れば恋も叶う?伝説の聖マリア教会
島に着いたら、まずは聖マリア教会へ。教会前には100段近い階段があり、伝統的な結婚式では、新郎が新婦を抱いて登ることになっているとか。
教会の鐘は、三回ならすと恋愛などの願いが叶うという伝説があり、いつでも多くの観光客が列を作っています。島は教会以外には特別に何もないので、夏ならアイスクリームなどを食べながら、のんびりと風光明媚な景色を堪能するのが正解です。
最後に、ブレッド湖名物のクリームケーキを食べるのをお忘れ無く。本格的なグルメの方は、チトー元ユーゴスラビア大統領の別荘を改装した「ホテル・ヴィラ・ブレッド」内にあるレストランへ。湖でとれるマスを使った料理で、とことん優雅な休日を楽しみましょう。
ピュアな自然に抱かれた、神秘的な美しさのボーヒン湖
写真ではとても伝えられない味わい深さ
ブレッド湖からさらに山の奥へ、数十分ほどドライブするとボーヒン湖に到着します。人工的かと思わせるほど端正なブレッド湖とは対照的に、大自然に包まれたボーヒン湖は凛として、時に人を寄せ付けないほどの神秘的な雰囲気さえあります。残念なことに写真ではその魅力が非常に伝わりにくく、そのためか観光客の数も少ないため、よりのんびりと過ごすことができました。
ボーヒン湖を初めて見たとき、その水の色のあまりの透明度の高さと冷たさに、息をのみました。すぐ脚元には、沢山の魚が泳いでいるのが見えます。限りなくピュアな湖の色は、同じ一日の中でも、スカイブルーからエメラルドグリーン、そしてより深い青へと刻々と色を変えるので、湖畔で読書などしながらずっと眺めていたくなってしまいます。
アウトドア派にもおすすめのアクティブな休日を
ブレッド湖の約三倍の大きさがあるので、カヌーやパラグライダーなどをアクティブに楽しむことができ、アウトドア派にもおすすめ。ロープウェイで山に登り、そこから山歩きを楽しむこともできます。
あなただけの絶景スポットを探して
手軽なのは、やはりサイクリングでしょうか。特に夏は涼しい森の中を進むのは心地よいもの。
運のいいことに、私たちは散歩やサイクリングの途中、雪解け水からうまれたばかりの川で美味しい天然水を味わったり、牛たちがのんびりと草を喰む広々とした牧草地などに出会うことができました。
あの、限りなく透明な川の赤ちゃんの水の色は、きっと一生忘れることはないでしょう。
山歩きやサイクリングに疲れたら、山小屋でランチをとりましょう!特大お鍋で煮込んだスープは、素朴ですが、体に染み渡るような美味しさ。体だけでなく心まで温まるようです。