平成27年に開創1,200年を迎えた高野山。標高およそ1,000mに位置する高野山は、平安時代に唐から戻った弘法大師・空海が、嵯峨天皇から許しを得て開いたといわれています。およそ100年前までは女人禁制で、空海の母親も入山できなかったといわれるほど厳しく制限されていました。現在は男女問わず、外国からも多くの観光客が、この仏教都市にやってきます。ユネスコの世界遺産に登録され、フランスのミシュランガイドで三ツ星に選ばれた国際的にも人気の高野山の街並みをご紹介します!
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高野山・世界遺産きっぷで割安に
南海高野線で高野山の麓・極楽橋駅へ!
今回は大阪から行く場合のアクセス方法をご紹介します。大阪から高野山までは電車でおよそ2時間。南海電鉄の高野山・世界遺産きっぷを使うのがおすすめです。大阪市内から高野山までの割引往復乗車券と高野山市内バス2日間フリー乗車券、それに拝観料割引券とお土産屋の割引券がついています。特急料金を追加して、特急こうやに乗れば少し時間が短縮できます。
大阪の南海難波駅から急行に乗って、一路、高野山へ。1時間ほど、うとうとしていると大都会の大阪の景色が一変、田舎の風景に様変わりしています。
橋本駅で特別列車・天空に乗り換えれば、さらに景色が楽しめます。座席は車窓の風景が楽しめるように配置され、車内アナウンスで解説も聴けるとか。
橋本駅から先は一つ一つが小さな駅で、さっきまで大阪にいたことが信じられないくらい緑が深まっていきます。電車は標高差443mという傾斜をだんだんと登りはじめ、深い山の緑に圧倒されていると、終点の極楽橋駅。ここで、ケーブルカーに乗り換えです。
高野山駅まであと少し!ケーブルカーで頂上へ
極楽寺駅から発車するケーブルカーは、南海電車が到着するのに合わせて出発するので急がなくても大丈夫。夏場には、乗り換え用の通路を歩いていると、上から涼しげな音が聞こえてきます。見上げるとたくさんの風鈴。短冊には願いごともかかれています。
最大勾配は56%。300mの高さを10分弱で登っていきます。上りと下りのケーブルカーを一本のワイヤーでつないでいるため、途中で上りと下りの電車がすれ違います。手を振ったら、向こうの乗客が振り返してくれるかも…
- 極楽橋駅
- 高野町(伊都郡) / 駅 / インスタ映え
- 住所:〒648-0171 和歌山県伊都郡高野町西郷 極楽橋駅地図で見る
- Web:http://www.nankai.co.jp/traffic/station/gokurakuba...
秘境!バスに乗り換えて、いざ町へ!
高野山駅に着いたら、到着ではありません。ここからはバスに乗り換えて高野山の町へ向かいます。
曲がりくねった山道は深い緑の木々に囲まれています。バスの運転手はとても気さくな方が多く、解説をしてくれる人も。時々、鹿が現れるとか…思いがけず、カモシカのような自然の動物にも出会えるかも。
- 高野山駅
- 高野町(伊都郡) / 駅
- 住所:和歌山県伊都郡高野町大字高野山国有林第9林班ノは地図で見る
- Web:http://www.nankai.co.jp/traffic/station/koyasan.ht...
外国人もあこがれる仏教都市
女人禁制だった高野山
高野山入り口の門が見えてくると、最初のバス停があります。その名は女人堂。女性は明治5(1872)年まで高野山に入ることができなかったため、訪れた女性はここに籠もりました。交通手段は自分の足だけの時代。なんとか登ってきたものの、高野山に入ることを許されなかった女性たちのことを考えると、少し切なくなります。
- 女人堂
- 高野町(伊都郡) / その他スポット
- 住所:和歌山県伊都郡高野町高野山709地図で見る
- 電話:0736-56-3508
- Web:http://www.koyasan.or.jp/meguru/sights.html
古い町並みを散策
続いての見どころは、4つめのバス停・高野警察署前。ただの警察署と思うことなかれ、国の有形文化財なんです。確かに警察署にしては趣のある建物…高野山の宮大工によって大正12(1923)年に建てられた木造2階建の建築物です。今も現役の交番なので、通常は内部を見学することはできませんが、勇気のある方は、中を見せてほしいとお願いしてみては?
その次のバス停・千手院橋が高野山の町の中心地。普通の小さな田舎町という印象かもしれませんが、高野山ではここが一番現代的です。消防署や郵便局、銀行、お土産屋さんなどが集まっています。滞在できる宿坊を探したり、共通きっぷ高野山参詣講待遇之証を手に入れたりするなら、高野山宿坊協会でお尋ねください。
高野山は東西に6km、南北には3kmの広さしかないため、歩いてでも移動できます。千手院橋で下車し、西に歩いていくと、本屋らしきお店や木造の出版社…歩きながら周りを見渡すと、古い佇まいのお店が多く、タイムスリップしたような気分に。
ただの道路の側溝も、なぜかすごく神聖に見えてきます。壇上伽藍の中門や霊宝館の前を通って、歩き続けると、高野山の正門・大門に到着。大門からもバスが出ているので、お戻りはバスのフリーパスでどうぞ!
- 橋本警察署高野幹部交番
- 高野町(伊都郡) / 建造物 / 歴史的建造物
- 住所:和歌山県伊都郡高野町高野山638地図で見る
- 大門
- 高野町(伊都郡) / 建造物
- 住所:和歌山県伊都郡高野町高野山地図で見る
- 電話:0736-56-2011
- Web:http://www.koyasan.or.jp/meguru/sights.html
悲話が伝わる刈萱堂
バスに乗って町の中心(千手院橋)まで戻り、今度は東の奥の院方向にある刈萱堂(かりかやどう)へ。ここは刈萱道心とその子・石童丸が30年間修行したといわれる場所です。出家した自分に会いに来た我が子に、生涯父親であることを名乗らなかったという刈萱道心。どんな思いで過ごしたのでしょうか…能の演目としても知られるこの話。気になる方は、物語を予習して訪れると感慨一入です。