歴史ある国宝級の文化財がたくさん現存している高野山。無料で拝観できるところがほとんどですが、貴重な文化財を保護するために、一部拝観料が必要な場所があります。高野山の秘密にもっと近づくことができる要所を効率よく回りたいなら、高野山参詣講待遇之証の利用がおすすめ。主要な場所である金剛峯寺、霊宝館、壇上伽藍(大塔・金堂)、徳川家霊台の5か所を内拝できるほか、大師協会では授戒を体験できます。高野山参詣講待遇之証で巡ることができる要所のみどころをご紹介します。
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お得!6つの要所が巡れる高野山参詣講待遇之証
高野山参詣講待遇之証は金剛峯寺、大師協会の授戒、霊宝館、根本大塔、金堂、徳川家霊台を1,500円で巡ることができる共通きっぷです。有効期限はないため、その日に回り切れなくても、次の機会に使うことができます。
きっぷは高野山の町の中心地にある高野山宿坊協会の案内所や金剛峯寺などで購入可能です。
なお、高野山の街歩きについては、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
高野山真言宗総本山・金剛峯寺
意外なつながりをほのめかす紋様
巡礼者も必ず訪れる高野山の総本山・金剛峯寺。もとは高野山全体を指していた名前でしたが、明治以降、真言宗を管理する最高責任者が在籍する寺を指すようになりました。
提灯の紋様は豊臣の家紋。もともとこの寺の建物は豊臣秀吉の母(大政所)を祀った青巌寺のものでした。意外なつながりです。
門を入ってすぐ右手に見える鐘楼も、金剛峯寺が青巌寺だったころの名残。
正面に見えるのは金剛峯寺の大玄関。昔は規律が厳しく、金剛峯寺の正門と大玄関の使用を許されたのは、皇族や高野山の重役の僧侶だけでした。
必見!弘法大師の物語を伝える襖絵
大玄関と鐘楼の間を進み、建物の一番端にあるのが一般参詣入り口です。ここで靴を脱いで社務所へ行き、高野山参詣講待遇之証を見せれば拝観スタートです。
一つ目の部屋を覗くと大きな木の切り株…直径3m近くある奥の院の霊木です。杉ってこんなに大きくなるんだと、感動!
順路の新別殿へと続く長い廊下。撮影禁止でお見せできませんが、それぞれの部屋に美しい襖絵が描かれています。その中には弘法大師が唐に渡ってから高野山を開くまでの物語も。
印象的なのは白と黒の犬の襖絵です。弘法大師が修行のための道場を探しているとき、狩人が白黒2匹の犬を貸し与えて、高野山にたどり着いた。その狩人は、実は土地の神様の高野明神(狩場明神)だった、という伝説を元に書かれています。 壇上伽藍には高野明神を祀った神社(御社)もあります。
廊下の先にはこうやくん。開創1,200年を記念して作られたキャラクターです。ちょっと癒されます。
新別殿に入って人数を伝えると、お茶と茶菓子のおもてなしを広間で受けられます。説法も聞けるので、そこで高野山の歴史を学ぶことができます。
雲海を舞う二匹の龍の石庭
新別殿で一息ついたら、来た道を少し戻って、枯山水の庭へ。国内最大級の広さといわれる蟠龍庭(ばんりゅうてい)です。雲海の中で二匹の龍が貴賓室の奥殿を守っている様子を表現しているのだとか。
庭を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまうかも…。ここでは瞑想の修行阿字観体験もできますので、希望される方は別殿にある販売所まで!
高野山の発展に寄与!2代目真然大徳
順路に従い書院上段の間へ。皇族が高野山を訪れた時に使われていた部屋です。撮影禁止で写真はありませんが、シンプルながらも気品のある空間に少し見入ってしまいます。
順路を進み中庭を過ぎると左の廊下に先に、真然大徳廟があります。真然は弘法大師の甥で2代目の座主。弘法大師が入定したのち、高野山の発展に尽力しました。この御廟は1640年に建てられたそうですが、現在の形になったのは真然大徳1,100年御遠忌記念(1990年)のときです。
煤が語る?大勢の僧侶たちの痕跡
江戸時代以降、僧侶たちの食事を賄ってきた台所は、煤で黒くなっているところがとてもリアル。煙抜きやかまどなど、時代を感じさせるものが残っています。
驚きは大きな釜。3つ使って2,000人分のお米を焚いていたとか。歴代の修行する僧侶たちの食を支えていたかと思うと感慨深いです。
平成29年4月28日(金)から11月20日(月)までの金・土・日・月曜日に開催。
実施時間:9:30,11:30,13:30,15:30(1日4回)
※日時は変更の可能性があるので要確認
参加費:1,000円(内拝料は別途)
所要時間:約1時間
- 金剛峯寺
- 高野町(伊都郡) / 寺 / 観光名所 / 世界遺産 / 紅葉
- 住所:和歌山県伊都郡高野町高野山132地図で見る
- 電話:0736-56-2011
- Web:https://www.koyasan.or.jp/