秘湯好きなら、一度は訪れたい聖地・山形の姥湯温泉は美肌の湯としても有名。冬は閉鎖されてしまう峠の難所ですが、シーズン中は、1万5千人も訪れる絶景の露天風呂があります。人気の秘湯と、立ち寄りスポットの峠駅をご紹介します。
この記事の目次表示
姥湯(うばゆ)温泉の歴史
姥湯温泉は室町時代の後期、天文2年(1533年)に遠藤家の初代が発見して開湯、以後450年もの歴史をもつ温泉です。この地で温泉宿を開いているのは、「日本秘湯を守る会」に所属する旅館、桝形屋(ますがたや)1軒のみ。現在の当主は17代目になります。
姥湯温泉 桝形屋は秘境の宿
米沢市郊外には、8つの温泉が湧いています。白布・新高湯・大平・滑川・五色・湯の沢・小野川、そして姥湯温泉で、この辺りは日本有数の秘湯地帯と言われています。
その中でも姥湯温泉は、TV番組『マツコの知らない世界』でも紹介された、知る人ぞ知る秘湯。姥湯温泉にあるたった1軒の温泉宿である桝形屋は、吾妻連峰の北側、標高1,300m、山形県米沢市の奥深い谷間に位置し、冬のあいだは、豪雪に阻まれてたどり着くことのできない秘境の宿です。
心細くなるほどの山道を走り、たどり着いた先には、秘湯の名にふさわしい、ワイルドな風景に囲まれた温泉地が広がっています。
姥湯温泉の魅力
大変な道のりが魅力を倍増させる?!
姥湯温泉は、吾妻連峰の一つで活火山の一切経山(いっさいきょうざん)の北麓にあります。ここへたどり着くまでの道のりの厳しさが、魅力の一つです。幸い、交通量は少なめですが、車が1台やっと通れるような道を、対向車が来ないことを祈りながら走る、細い林道や断崖の道はかなりスリリングです。
時にはスイッチバックを必要とする急カーブ地点もあります。救いなのは、ほとんどの道が、舗装されていることでしょうか。しかし、大変な思いをしてやっとたどりつく。そこにこそ、秘湯の魅力があるというものですね。
ワイルドな景色が魅力
林の中を抜け、ようやく峠を越えると、眼の前に断崖絶壁が広がります。川の上のつり橋を渡ると、その麓にぽつんと一軒の宿が。こちらが姥湯温泉 桝形屋(ますがたや)です。秋には、道中の紅葉も楽しめるので、特に人気です。
断崖が迫る露天風呂の周囲には、奇岩や巨岩がごろごろ転がっており、荒々しい風景が広がります。15人ほどが入れる露天風呂は、白濁の単純酸性硫黄泉。時折、カモシカが姿を見せることもあるという、野趣あふれる温泉です。混浴ですが、男女別の脱衣所もトイレも完備、女性はバスタオル、湯浴み着の使用OKです。
姥湯温泉の概要
日帰り入浴営業時間
9:30~15:30
※降雪等の影響により宿の営業期間が変更となる場合がありますので、お出かけの際は事前にお問い合わせください。
日帰り入浴料
露天風呂:大人 700円、子供 300円(3歳以上小学生まで)
日帰り入浴定休日
不定休
アクセス
公共交通機関の場合
JR東北新幹線「福島駅」乗り換え⇒JR奥羽本線「峠駅」下車、宿まで8km(徒歩2時間20分)
※宿泊者は送迎可能なので宿へお問い合わせください。
車の場合
東北自動車道 福島飯坂I.Cより国道13号線「米沢方面へ」(約20分) 米沢市板谷より山道14km(約40分)
- 姥湯温泉 桝形屋
- 米沢市 / 日帰り温泉 / 紅葉 / ホテル / ツーリング
- 料金(目安):-円〜26,000円
- 宿泊時間:15:00〜10:00
- 住所:山形県米沢市大字大沢姥湯1地図で見る
- 電話:090-7797-5934
- Web:http://www.ubayuonsen.com/
姥湯温泉の立ち寄りスポット「峠駅」
峠駅は、奥羽本線の福島から米沢にいたる、標高622mの板谷峠にあります。奥羽本線の福島=米沢間40kmほどの区間には7つの駅があり、その中の4駅(赤岩、板谷、峠、大沢)は、奥羽山脈の山中に位置し、急こう配であったためスイッチバックが導入されました。スイッチバックを簡単に説明すると、一気に登ることが不可能な急斜面を進むために、前後の向きを変えながらジグザグに進むことです。
平成21年には、経済産業省により、「奥羽本線板谷峠のスイッチバック」として峠駅も近代化産業遺産群の1つに認定されています。また、板谷峠のスイッチバック遺構は、この地が豪雪地帯であったことから、各設備を雪から守るため、スノーシェッド(雪除け)が取り付けられています。
平成2年には、山形新幹線が開業、普通列車も電車化されたためスイッチバックも不要となり、今は昔のレールが残るスノーシェッド内を車が通行できたり、歩いたりできる不思議な空間です。峠駅は現在も奥羽本線の駅として現役で使用されており、新幹線も通過します。姥湯温泉からは、車で約40分の場所です。