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【バンコク・ルドゥー】タイの天と地の恵みを生かして全く新しいタイ料理を導き生みだすお店

取材・写真・文:

Madam Satoko
タイ在住

2018年9月7日更新

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「タイ料理って」という言葉に思う事は何でしょうか。辛い?トムヤムクン?バンバン切って、ガシャガシャ炒めて?そんなのはもう古い。今回紹介するお店が存分に表現するタイの天と地の恵み、そして革新と美しさを是非知ってほしいですね。見たことのない全く新しいものを目の前にする、その感動は誰もが「ここは神がともにおられる!」を強く体感するほど、斬新で新しいタイ料理を表現する、凄いレストランです。

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革新をもたらすシェフ・トンさん

タイのハイソなみなさんも絶賛

ルドゥーは、SNSや、タイ国内のハイソライフを紹介する雑誌などで絶賛されている評判のレストラン。直近ではアジア50ベストレストランにノミネートされて、非常に注目を集めています。

訪問した時にちょうどシェフと会え、全く新しいタイ料理を生み出したシェフ・トンさんにいろいろ聞いてみました。どのようなバックグランドがこの「まったく新しい物、神がともにおられる」と思えるほどの料理を創り出したのでしょうか。

タイ料理に革新をもたらしたシェフ・トンさんの経歴と構築力

「チュラロンコン大学を出てから銀行に勤めてまして、、」というくだりで「え?、それは異色!」と先を聞くのが楽しみに。

チュラロンコン大学とは、タイの東大と言われる国内学問最高府。その後は、ビジネスの最重要機関である銀行に勤務されたそうです。

「その後、ニューヨークのミシュランスターのついたレストランで修業し、タイへ戻って来ました。3年前にこのレストランを開き、今では4軒経営しています」

評判の高い料理を創作する新進気鋭のシェフは、金融機関でのマネタイズ経験を生かして、事業の拡大もしているビジネスマンでもあり、「タイ人」と聞いてイメージするタイ人とは全く違います。

「店で取り扱う食材は、すべてタイ産のものです。ワインだけは、納得いくタイ産のものにまだ出会えてないのですが。タイは農業国であり購買アイテム点数は豊富ですが、品質の高いものだけを安心して搬入するため、契約農家からだけ、契約漁船からだけ、など信頼があり競争力のある購買方法を採用しています。店名のルドゥーとは、タイ語で”季節”と言う意味です。季節を大切にすれば、最高の状態のものを一番良い時に提供できる、タイが天と地の恵みを受けている素晴らしい国だというのを表現したい、という気持ちを込めています」

また無理して季節でないものを、高額かつ状態もそれほど評価できないのなら購入しない、このあたりのスキーム構築力も他と全く違い、それが創作力の違いとして現れてくるのだと思います。

「今タイ料理は盛んにフュージョンだ、モダンだ、を求める店が増えてきています。一方、そういう風潮に対しトラディショナルやオーセンティックを強調する老舗も多くあります。その中で僕のキーワードは『革新』です。タイ料理は素材が豊かに産出される土地の料理でありながら、変化に乏しいイメージが固定してしまっています。それを全く新しいものにしたい、誰とも違う物を作りたい、というのが僕にとっての革新です」

器ではない、飾りではない。料理そのものの美しさと清廉さ

タイ料理で「美しい」というと、大体が器の細工が美しいとか、野菜や果物をカービングしてあるとか、料理そのものを周りで盛り上げる脇役についての評価で用いられる言葉です。

料理自体は浅いボールに入れる、山盛にする、フライパンからざっとお皿に入れる、といったものが多いですし、一般的なタイ料理のイメージです。

食そのものを美しく繊細に

ルドゥーでは、食そのものを美しく見せていることが大きな特徴です。一見会席料理かと思うほどの繊細さと清廉さで、初めて見るとそのきめ細やかさでありながら、タイ料理というのに本当に驚きます。

トンさん曰く「和食のなかでも季節を織り込みストーリーと構成力を感じる会席料理、これは食べるたびに勉強になるし、日本に行くたびに各地で地元名産品をふんだんに使った会席を食べています」

この探求心によって構成されたひとつづつの作品は、単なる見知ったタイ料理を会席風に盛ったのではない、全く新しいタイ料理と出会う事を可能にさせています。

上級マネージメントで安定した味の提供

昨今のタイ人の健康志向にあわせ、調味料などの使用量を控えることで何味を目指しているのかわからなくなるレストランも多いなか、「ちょうどいいおいしさ」の中庸をうまくつかんでいます。

これもシェフの味覚やセンスの上に立つものですが、それだけでは多くのスタッフを抱える中でどうしても“人による味のばらつき”、というのが出てきます。

どのメディア、どのSNSを見ても評価のばらつきがないという事は、シェフがしっかりとレシピ構築とその遂行をスタッフへ行っていることがうかがえます。管理、構成、効率、こういった経営的キーワードも、シェフのセンスを安定した味で提供することに欠せないのだろうな、と思わせます。

こうした、盛り付けや見た目の大幅な改善、提供する味永続性、常に新しいものを開発していくその姿勢。多くの要素が絡み合いながら一つの作品が世に出ていくその技は「本当に、神様がここにおられる」としみじみ感じることが出来ます。

全く新しいタイ料理をご紹介しましょう。

革新と美しさと清廉さを①牡蠣のポーチ、400THB

会席の黄身餡掛けかと思うような佇まい、上品な器と黄色のコントラスト、季節を意識した飾りつけ。タイ料理の前菜というのをすっかり忘れてしまいます。

中は軽く湯通しした牡蠣に、紫玉ねぎを入れた酸味とピリ辛のソースをかけてあります。黄身餡はタイの米から作った清酒であるサトーで風味を加えてあり、マヨネーズでもないホランデーズでもない、初めて出会う味とテクスチャーです。

革新と美しさと清廉さを②海の趣と山野の趣の出会い、400THB

こちらの料理は、海あり山ありのタイの地の恵みを表現しています。左は白身魚にごくうっすらと塩うち、遠火にして熱だけで加熱しています。塩をうつことで瑞々しさを引き出しつつ、それが外に流れないように表面を軽く引き締める効果も発揮しています。

タイ料理で魚の塩焼きというと、表面が真っ白になるほど塩で覆うものですが、全く違った様相です。お野菜はたけのこやズッキーニなどを歯ごたえを残しつつ、それぞれの味が一番よく味わえる火の入れ具合と味付けです。

真ん中の白いものは春雨を軽く上げたもので、雪山のようにも見えます。バンコクでは雪は振りませんが、タイ北部では降りそうなほど寒い日もある、というタイの国土の多様性を表しているのでしょう。まさに店名のルドゥーを体現しています。

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